2025年1月、リリース更新23.7

Oracle Database 23aiリリース更新23.7でのOracle AI Vector Searchの注目すべき更新が含まれています。

ノート:

RACインスタンスを使用している場合は、すべてのノードでパッチが有効になっていることを確認するために、Oracle RACの2ステージ・ローリング更新を使用して特定の機能を有効にする必要があります。詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイ・ガイド』を参照してください

機能 説明

外部表のサポート

VECTOR型の列は外部表に含めることができ、データベースをセマンティック検索エンジンとして使用しながら、AIワークロードに使用されるベクトル埋込みをデータベースの外部に格納するオプションが提供されます。

RACインスタンスを使用する場合は、Oracle RACの2ステージ・ローリング更新を使用してパッチ37244967を有効にする必要があります。

外部表のベクトル

算術関数および集計関数のサポート

加算、減算および乗算の算術演算子と集計関数SUMおよびAVGは、ベクトルおよびVECTOR型の列とともに使用できます。

算術演算子は、SQLとPL/SQLの両方でベクトルで使用するためにサポートされています。

RACインスタンスを使用する場合は、PL/SQLでのサポートのために、Oracle RACの2ステージ・ローリング更新を使用してパッチ37289468を有効にする必要があります。

算術演算子

集計関数

PL/SQLでのBINARYベクトルのサポート

FLOAT32 (ベクトルのカンマ区切りの文字列表現のデフォルト形式)、FLOAT64およびINT8次元形式に加えて、BINARY次元形式を使用することもできます。

BINARYベクトルでは、各次元が1つのビット(0または1)として表されます。PL/SQLでBINARYベクトルを作成および宣言できるようになり、SQLと同様にサポートされます。

RACインスタンスを使用する場合は、Oracle RACの2ステージ・ローリング更新を使用してパッチ37289468を有効にする必要があります。

BINARYベクトル

PL/SQLでのJACCARD距離メトリックのサポート

距離メトリックJACCARDは、PL/SQLでBINARYベクトルの類似検索に使用できます。

PL/SQLには、スタンドアロンの短縮版のJACCARD_DISTANCEファンクションはありません。かわりに、VECTOR_DISTANCEファンクションの距離メトリック・パラメータとしてJACCARDを使用してください。

RACインスタンスを使用する場合は、Oracle RACの2ステージ・ローリング更新を使用してパッチ37289468を有効にする必要があります。

VECTOR_DISTANCE

PL/SQLでサポートされているVECTOR操作の詳細は、『Oracle Database PL/SQL言語リファレンス』を参照してください。

Globally Distributed Databaseのサポート

VECTOR型の列は、分散データベースのシャード表および重複表に含めることができ、いくつかの制限はありますがベクトル索引は分散データベースのシャード表でサポートされます。

分散データベース表のベクトル

Globally Distributed Databaseでのベクトル索引

VECTORデータ型を使用する表の作成の制限事項

VECTORデータ型予測子に対するデータベース内アルゴリズムのサポート

VECTORデータ型がサポートされており、分類、異常、回帰、クラスタリング、特徴抽出などのデータベース機械学習アルゴリズムへの入力として使用できます。

Oracle AI Vector Searchの概要

機械学習でのVECTORデータ型の使用の詳細は、ベクトル・データ型のサポートを参照してください

データベース内ONNX Runtimeを使用したAI Vector Searchでのイメージ・トランスフォーマ・モデルのサポート

Oracle DatabaseのONNXランタイム・エンジンには、イメージをエンコードするためのモデルのサポートが含まれています。

JSONのハイブリッド・ベクトル索引

新しいPATHSフィールドがDBMS_VECTOR_CHAIN.VECTORIZERに追加され、パス・オブジェクトの配列を指定できます: CREATE_PREFERENCE

パスに検索を制限できるDBMS_HYBRID_VECTOR.SEARCH APIの新しい構文。VECTORフィールドは、検索を制限する有効なJSONパスの配列であるINPATHパラメータを受け入れます: SEARCH

基礎となるベクトルindex_typeIVFの場合のHVIでのLOCAL索引の作成のサポート: CREATE HYBRID VECTOR INDEX

ALTER INDEXの拡張機能:
  • 既存のHVI索引のベクトル化プリファレンスを置き換えるためのサポート。
  • 既存のHVI索引の完全なベクトル化プリファレンスを指定せずに、モデルまたはベクトル(あるいはその両方)のindex_typeのみを置き換えるためのサポート。
  • 索引のテキスト/JSON部分を完全に再構築することなく、既存のテキスト検索またはJSON検索索引をHVIに「上位変換」するためのサポート。
ALTER INDEX

HVIの$VR表のみでの最適化の実行のサポート: 「ハイブリッド・ベクトル索引のメンテナンス操作」

近傍パーティション・ベクトル索引の含まれる列

含まれる列では、追加の表(非ベクトル)列を近傍パーティション・ベクトル索引に格納できます。利点は、基礎となる実表にアクセスしてこれらの列を取得する必要がなくなることで、問合せの実行が最適化されることです。

RACインスタンスを使用する場合は、Oracle RACの2ステージ・ローリング更新を使用してパッチ37306139を有効にする必要があります。

含まれる列