11 ネットワークの管理

Oracle Database Applianceで構成されているパブリック・ネットワークとプライベート・ネットワークを表示します。

Oracle Database Applianceのネットワーク・インフラストラクチャおよびVLANについて

アプライアンスのネットワークおよび仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)について学習します。

Oracle Database Applianceには、結合される2つのデュアル・ポート・パブリック・ネットワーク・インタフェース(銅線またはファイバー)があります。デュアルポート・ネットワーク・カードの場合、プライマリ・パブリック・ネットワークに使用される結合ネットワーク・インタフェースは、常にbtbond1です。オプションで、最大6つの結合されたインタフェース(btbond1からbtbond6)を構成できます。4つのポートを持つネットワーク・カードを使用する場合は、パブリック・ネットワーク・インタフェースとしてbtbond1またはbtbond2のいずれかを選択できます。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、すべての物理ネットワークおよび仮想ネットワークを表示できます。ODACLIコマンドまたはブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、ネットワークを作成、更新および削除できます。

仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)

Oracle Database Applianceでは、同じネットワーク・ポートまたはボンドの複数の仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)がサポートされます。VLANは、単一の物理ネットワーク・スイッチ・ポートから作成される複数の論理ネットワークであり、共通のネットワークを共有する複数のワークロードのネットワーク・セキュリティの分離を提供します。たとえば、アプリケーション、バックアップ、管理ネットワークなどです。各VLANは、同じ物理接続上の他のVLANを使用して動作する独立した論理ネットワークとして機能します。データ・パケットとネットワークに関連付けられたVLANタグによってネットワークが定義されます。分離されたネットワークのコレクションを作成して、ネットワークのセキュリティと帯域幅を強化し、データ・パケットが分離された状態を維持できます。

ネットワーク・インタフェースは、Oracle Database Applianceのハードウェアに応じて異なります。VLANは、単一ノード・プラットフォームおよび高可用性プラットフォームのbtbond0に作成されます。いずれの場合も、ユーザー・ドメインへの接続は、選択したインタフェースを介して行われます。タグ付けされたVLANをサポートするスイッチは、VLAN IDを使用して、パケットを識別します(パケットが属するネットワークを含む)。

ノート:

Oracle Database ApplianceでVLANを使用するには、アプライアンスをデプロイする前にVLANを構成する必要があります。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用すると、アプライアンスでVLANを作成、リストおよび削除できます。高可用性システムでは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、アプライアンスの両方のノードにVLANを作成できます。特定のノードでVLANを作成するには、コマンドライン・インタフェースを使用します。

ベア・メタル・デプロイメントの場合は、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはodacliコマンドを使用して、次のタイプのVLANを管理します。

  • Data Guard: Oracle Data Guard用。
  • Database: Oracle Database用。
  • バックアップ: バックアップ操作用。

  • 管理: 管理トラフィック用。

  • その他: 顧客によって定義された使用目的。たとえば、アプリケーション用などです。

パブリックVLANは、コマンドodacli configure-firstnetを使用して最初のネットワークを構成するときに設定されます。設定できるパブリックVLANは1つのみです。コマンドライン・インタフェースを使用して、他のVLANを作成します。高可用性システムでは、ノード0とノード1のIPアドレスを同じにはできません。Oracle Database Applianceでは、IPアドレス、サブネット・マスクおよびデフォルト・ゲートウェイを提供するためのDynamic Host Configuration Protocol (DHCP)はサポートされていません。

Oracle Database Appliance X10のネットワーク・インタフェースについて

Oracle Database Applianceのオンボード・ネットワーク・インタフェースについて学習します。

ネットワーク・インタフェースは、Oracle Database Applianceのハードウェアに応じて異なります。いずれの場合も、ユーザー・ドメインへの接続は、選択したインタフェースを介して行われます。ネットワーク・カード内の2つのポートは、アクティブ/バックアップ・モードの結合インタフェースを作成するために使用されます。

次の表に、Oracle Database Appliance X10-HAのOracle Database Applianceベア・メタル・システムのデフォルトのネットワーク・インタフェースを示します。

表11-1 Oracle Database Appliance X10-HAベア・メタル・デプロイメントのネットワーク・インタフェース

PCIeネットワーク・カード・スロット PCIeネットワーク・ポート ネットワーク・インタフェース ネットワーク・ボンド IPアドレス
PCIeスロット1 (インターコネクト) 2つの10/25GbE SFP28ポート p1p1、p1p2 icbond0

ノード0: 192.168.16.24

ノード1: 192.168.16.25

PCIeスロット5 (必須 - 最初のNIC) 4つの10GBase-Tポートまたは2つの10/25GbE SFP28ポート p5p1、p5p2 (p5p3、p5p4) btbond1 (btbond2) プロビジョニング中またはデプロイメント後に割り当てることができます。
PCIeスロット4 (オプション - 2番目のNIC) 4つの10GBase-Tポートまたは2つの10/25GbE SFP28ポート p4p1、p4p2 (p4p3、p4p4) btbond3 (btbond4) プロビジョニング中またはデプロイメント後に割り当てることができます。
PCIeスロット8 (オプション - 3番目のNIC) 4つの10GBase-Tポートまたは2つの10/25GbE SFP28ポート p8p1、p8p2 (p8p3、p8p4) btbond5 (btbond6) プロビジョニング中またはデプロイメント後に割り当てることができます。
オンボード 1GBase-T em1 該当なし デプロイメント後に割り当てられる
次の表に、Oracle Database Appliance X10-SおよびX10-LのOracle Database Applianceベア・メタル・システムのデフォルトのネットワーク・インタフェースを示します。

表11-2 Oracle Database Appliance X10-SおよびX10-Lベア・メタル・デプロイメントのネットワーク・インタフェース

PCIeネットワーク・カード・スロット PCIeネットワーク・ポート ネットワーク・インタフェース ネットワーク・ボンド IPアドレス
PCIeスロット5 (必須 - 最初のNIC) 4つの10GBase-Tポートまたは2つの10/25GbE SFP28ポート p5p1、p5p2 (p5p3、p5p4) btbond1 (btbond2) btbond1およびbtbond2を、デプロイメント時に割り当てることができます。
PCIeスロット4 (オプション - Oracle Database Appliance X10-Lの場合は2番目のNIC) 4つの10GBase-Tポートまたは2つの10/25GbE SFP28ポート p4p1、p4p2 (p4p3、p4p4) btbond3 (btbond4) デプロイメント時に割り当てることができます。デプロイメント時に割り当てられていない場合は、デプロイメント後に割り当てることができます。
PCIeスロット9 (オプション - Oracle Database Appliance X10-Sの場合は2番目のNIC) 4つの10GBase-Tポートまたは2つの10/25GbE SFP28ポート p9p1、p9p2 (p9p3、p9p4) btbond3 (btbond4) デプロイメント時に割り当てることができます。デプロイメント時に割り当てられていない場合は、デプロイメント後に割り当てることができます。
PCIeスロット8 (オプション - 3番目のNIC) 4つの10GBase-Tポートまたは2つの10/25GbE SFP28ポート p8p1、p8p2 (p8p3、p8p4) btbond5 (btbond6) デプロイメント時に割り当てることができます。デプロイメント時に割り当てられていない場合は、デプロイメント後に割り当てることができます。
オンボード 1GBase-T em1 該当なし デプロイメント後に割り当てられる

構成済ネットワークおよびネットワーク・インタフェースの表示

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、構成されたネットワーク、ネットワークの詳細、およびインタフェースのリストを表示します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Appliance」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションの「Network」タブをクリックして、構成されたネットワークと構成されたデータベースのリストを表示します。
    アプライアンスが高可用性システムである場合は、Node0およびNode1のネットワークの詳細がページに表示されます。
  3. 「Network」ページの左上隅にある「Show Interfaces」をクリックして、ネットワーク・インタフェースのリストを表示します。
    アプライアンスが高可用性システムである場合は、Node0およびNode1のネットワーク・インタフェースの詳細がページに表示されます。
  4. 「Show Networks」をクリックして、ネットワーク・ビューに戻ります。

ネットワークの作成

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、アプライアンスのネットワークを作成する方法を理解します。

ネットワークに名前を付けるときは、英数字、ダッシュ(-)およびアンダースコア(_)を使用できます。ネットワーク名は40文字以内にし、英文字で始まる必要があります。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Appliance」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションの「Network」タブをクリックして、構成されたネットワークのリストを表示します。
  3. アプライアンスが高可用性システムである場合、ブラウザ・ユーザー・インタフェースは、両方のノードのネットワークを同時に作成するのに役立ちます。
  4. 右上隅の「Create Network」をクリックします。
  5. 必須フィールドにネットワーク情報を入力します。「Interface」フィールドには、使用可能な選択肢が含まれるドロップダウン・メニューがあります。「Subnet Mask」フィールドには、使用可能な選択肢が含まれるドロップダウン・メニューと検索ボックスがあります。オプションで、ゲートウェイIPアドレスを入力し、「Network Type」リストからオプションを選択します。ネットワーク・タイプは、ネットワークがバックアップ用か、データベース用か、データガード用か、管理用か、プライベート用か、その他用かを識別するのに役立ちます。
    アプライアンスが高可用性システムである場合は、名前とIPアドレスや、VIP (仮想IP)の名前とアドレスなどのSCAN (Oracle Single Client Access Name)の詳細も指定する必要があります。
  6. 「Create」をクリックします。

物理ネットワークの作成

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、未使用のネットワーク・インタフェースに物理ネットワークを作成する方法を理解します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Appliance」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションの「Network」タブをクリックして、構成されたネットワークのリストを表示します。
  3. アプライアンスが単一ノード・システムの場合は、右上隅の「Create Network」をクリックします。アプライアンスが高可用性システムである場合は、ステップ4に進みます。
    1. 必須フィールドにネットワーク情報を入力します。「Interface」フィールドには、使用可能な選択肢が含まれるドロップダウン・メニューがあります。「Subnet Mask」フィールドには、使用可能な選択肢が含まれるドロップダウン・メニューと検索ボックスがあります。オプションで、ゲートウェイIPアドレスを入力し、「Network Type」リストからオプションを選択します。ネットワーク・タイプは、ネットワークがバックアップ用か、データベース用か、データガード用か、管理用か、プライベート用か、その他用かを識別するのに役立ちます。
    2. 「Create」をクリックします。
  4. アプライアンスが高可用性システムである場合、ブラウザ・ユーザー・インタフェースは、両方のノードのネットワークを同時に作成するのに役立ちます。右上隅の「Create Network」をクリックします。
    1. 必須フィールドにネットワーク情報を入力します。「Interface」フィールドには、使用可能な選択肢が含まれるドロップダウン・メニューがあります。「Subnet Mask」フィールドには、使用可能な選択肢が含まれるドロップダウン・メニューと検索ボックスがあります。オプションで、ゲートウェイIPアドレスを入力し、「Network Type」リストからオプションを選択します。ネットワーク・タイプは、ネットワークがバックアップ用か、データベース用か、データガード用か、管理用か、プライベート用か、その他用かを識別するのに役立ちます。
    2. 「Create」をクリックします。

ネットワークの更新

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してネットワークを更新し、IPアドレス、サブネット・マスク、ゲートウェイまたはネットワークのタイプを変更する方法を理解します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Appliance」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションの「Network」タブをクリックして、構成されたネットワークのリストを表示します。
    アプライアンスが高可用性システムの場合は、Node0およびNode1という名前のタブが、「Refresh」ボタンの下の右隅に表示されます。タブをクリックして、各ノードのネットワークの詳細を表示します。
  3. アプライアンスが高可用性システムの場合は、Node0またはNode1をクリックして、編集するネットワークが存在するノードを表示します。
  4. 「Actions」メニューを展開し、編集するネットワークに対して「Update」をクリックします。
  5. 必要に応じて、「IP Address」、「Subnet Mask」および「Gateway」のフィールドの情報を更新して、リストからネットワーク・タイプを選択し、「Update」をクリックします。高可用性デプロイメントの場合、仮想IPアドレスおよびOracle Single Client Access Name (SCAN)を更新することもできます。

ネットワーク・インタフェースの追加

構成したネットワーク・インタフェースを追加する方法を理解します。

この手順では、Oracle Database Appliance X8-2にネットワーク・インタフェース・カードを追加する方法について説明します。
  1. アプライアンスの電源をオフにします。
  2. ネットワーク・インタフェース・カードを追加します。
  3. アプライアンスの電源をオンにします。
  4. ネットワーク結合および構成の変更について、ネットワーク構成ファイルが自動的に更新されます。

ネットワーク・インタフェースの削除

構成したネットワーク・インタフェースを削除する方法を理解します。

この手順では、Oracle Database Appliance X8-2のネットワーク・インタフェース・カードを削除する方法について説明します。スロット7のネットワーク・インタフェース・カードを削除することはできません。btbond1btbond2のネットワークも削除できません。
  1. アプライアンスのすべてのアプリケーションから、ネットワーク・インタフェース・カードのすべてのネットワークを切断します。
  2. アプライアンスの電源をオフにします。
  3. ネットワーク・インタフェース・カードを取り外します。
  4. アプライアンスの電源をオンにします。
  5. コマンドodacli delete networkinterfaceを実行して、ネットワーク構成ファイルをクリーン・アップします。
    odacli delete networkinterface network_interface_name
    
    [root@oak ~]# odacli delete-networkinterface btbond3
    Network btbond3 has been deleted successfully
    
    [root@oak ~]# odacli delete-networkinterface btbond4
    Network btbond4 has been deleted successfully
    
     

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したネットワーク・インタフェースの削除

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、構成したネットワーク・インタフェースを削除する方法を理解します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Appliance」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションの「Network」タブをクリックして、構成されたネットワークのリストを表示します。
  3. 右側のナビゲーションで「Show Interfaces」タブをクリックして、構成したネットワーク・インタフェースのリストを表示します。
  4. 「Actions」メニューを展開し、削除するネットワーク・インタフェースに対して「Delete」をクリックします。
  5. プロンプトが表示されたら、アクションを確定します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したネットワークの削除

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、構成したネットワークを削除する方法を理解します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Appliance」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションの「Network」タブをクリックして、構成されたネットワークのリストを表示します。
    アプライアンスが高可用性システムの場合は、Node0およびNode1という名前のタブが、「Refresh」ボタンの下の右隅に表示されます。タブをクリックして、各ノードのネットワークの詳細を表示します。
  3. アプライアンスが高可用性システムの場合は、Node0またはNode1をクリックして、削除するネットワークが存在するノードを表示します。
  4. 「Actions」メニューを展開し、削除するネットワークに対して「Delete」をクリックします。
  5. プロンプトが表示されたら、アクションを確定します。