バランスのコピーの概要

従業員のグローバル転送時に、ソースからターゲット雇用主へのバランス調整を使用して、アサイメントおよび関係レベルのバランスを繰り越します。

いくつかの給与計算では、他の給与関係における以前の計算の知識が必要になります。新しい給与関係内の計算で、そのバランスの適切な時間枠内の以前のすべての結果が認識されるように、バランスを新しい給与関係に繰り越す必要があります。コピーされた残高には、

給与関係内で計算されたバランス
前のグローバル異動のソース給与関係にコピーされたバランス

ターゲット雇用レコードに対するそれ以上の給与控除の計算では、同じ個人に対する以前の雇用レコードでの計算を考慮する必要があります。給与計算では、給与関係全体のバランスにアクセスできません。そのため、ターゲット雇用レコードで最初の給与計算を実行する前に、ソースから最終バランスをコピーする必要があります。

バランス・コピー・プロセスにバランス調整を使用していますが、バランス初期化プロセスと同様に、調整エレメントが自動的に生成されます。アプリケーションは、ターゲット・バランスとソース・バランスの両方の初期化要素からバランス挿入を作成します。次のコピー・プロセスでソース残高を使用してターゲットにコピーされた内容を読み取るには、このバランス挿入が必要です。たとえば、カー・ローン見越残高をターゲット関係にコピーするとします。このコピー・プロセスではREL_ITDディメンションが使用され、アプリケーションはそれを「前経過勘定」と呼ばれる別の残高にコピーします。ソース残高には、ソース関係内で計算された残高と、以前のグローバル異動から受け取った残高を含める必要があります。

次のメソッドで、残高をターゲット・レコードにコピーできます:

グローバル転送の完了後に残高のコピーを自動的に開始するには、「新しい雇用レコードへのバランスのコピー」チェック・ボックスを選択します。このチェック・ボックスは、「ローカルおよびグローバル異動」および「一括雇用主変更」フローの「給与詳細」セクションにあります。コピー・プロセスが完了したら、「雇用主の変更ダッシュボード」でステータス・メッセージを表示できます。残高のリストは、オブジェクト・グループ(「プロセス情報グループ」)によって事前構成できます。提供されている「デフォルトのグローバル異動グループ」を使用するか、要件に従ってオブジェクト・グループを定義できます。
グローバル転送時に残高がソースで準備できず、後でコピーを開始する場合は、「残高の転送」フローを発行します。これらの2つの条件によって、残高の準備状況を決定できます。
- ソースのその他の給与計算アクティビティ
- ターゲットの最初の給与アクティビティの残り時間

「残高の転送」プロセスでは、残高調整バッチを介して、指定したオブジェクト・グループにリストされた各残高の調整を使用して残高がコピーされます。これらの調整は、バランス初期化分類を持つシステム生成エレメントを使用して記録されます。ソース定義バランスに1つ以上のバランス・コンテキストがある場合、プロセスではコンテキスト値ごとに個別の調整が作成されます。

残高の転送フローは、次の2つのタスクで構成されます:

グローバル異動調整バッチの作成: 雇用レコード間でバランスをコピーするためのバランス調整バッチを作成します。
複数バランスの調整: 調整バッチを処理し、ロールバックおよび再試行操作もサポートします。

ソースの雇用レコードで追加の給与計算が実行された場合、残高の転送プロセスを再度実行できます。このプロセスでは、ソース残高値が真のソースであると想定し、ソース雇用レコードとターゲット雇用レコードのバランス値の差異(マイナスの雇用レコードも含む)を調整します。そのため、転送残高フローの「給与計算結果を含むターゲット・アサイメントの除外」パラメータをデフォルト値のままにすることをお薦めします。この方法では、ソース・バランス値の一部ではないターゲット雇用レコードでの計算結果を誤って取り消すことが防止されます。