Oracle Databaseの自動ワークロード・リポジトリ(AWR)レポートの使用

自動ワークロード・リポジトリ(AWR)は、一般的なデータベース・パフォーマンス問題を識別するための有効な開始点です。これにより、初期インジケータが提供され、ExtractまたはReplicatプロセスの問題を特定するのに役立ちます。AWRを使用すると、ボトルネックがデータベースの内部にあるか外部にあるかを簡単に判断できます。

Oracle Database 23ai以降では、AWRの問合せおよびレポートが簡略化され、レプリケーション・プロセスのわかりやすいビューにデータが表示されるように拡張されました。これらのレポート・ビューでは、レプリケーションのパフォーマンスの問題が次のいずれかに分類され、それらのトラブルシューティングが容易になります:
  • ワークロードの問題

  • データベース側の構成ミス(索引の不足やデータベース・パラメータ設定の誤りによるレプリケーションSQLの低速化など)

  • データベース側での、またはデータベース外のOracle GoldenGateプロセスでのパフォーマンス・ボトルネックの問題

拡張AWRレポートのレプリケーション・セクションには、次の機能があります:
  • より充実したレプリケーション・システム・リソース使用率セクション。このセクションには、すべてのOracle GoldenGateレプリケーション・プロセスのシステム・リソース使用率が、それらのプロセスがフォアグラウンドかバックグラウンドかに関係なく、ExtractおよびReplicatプロセスごとに表示されます。

    レプリケーション・セクションには、XStream IN/OUTインタフェースの情報も含まれています。XStreamの詳細は、『Oracle Database XStreamガイド』を参照してください。

  • レプリケーション関連の上位SQL統計の個別のセクション。レプリケーション関連のSQLパフォーマンスの問題を簡単に識別できます。表示される上位SQLの数は、データベースについて表示される上位SQLの一部になります。

  • レプリケーション関連プロセスの上位の待機イベントについての個別セクション。レプリケーションに関連するパフォーマンス問題を簡単にトラブルシューティングできます。

  • 再編成されたレプリケーション関連セクション。個々のExtractおよび様々なReplicatタイプ別に編成されたレプリケーション統計が表示されます。

  • ReplicatおよびExtractプロセスのカスタマイズされた情報。

レプリケーション・システム・リソース使用率

Oracle GoldenGateレプリケーション・プロセス名、プロセス・タイプ、およびそのサブコンポーネントのセッションの数がメトリックに表示されます。パフォーマンス統計は、プロセスのサブコンポーネントの機能によって集計され、プロセス名でグループ化されます。これにより、ExtractおよびReplicatごとのリソース使用率、およびそのすべてのサブコンポーネントの詳細情報を監視できます。レプリケーション・グループ、セッション・タイプ、プロセス・タイプおよびセッション・モジュール別のOracle GoldenGateプロセスのシステム・リソース使用率。

レプリケーションの上位待機イベント

レプリケーションのフォアグラウンド・プロセスおよびバックグラウンド・プロセスの待機イベントが表示され、イベント・タイプおよびOracle GoldenGate SQLモジュール別に集計されます。レプリケーションのフォアグラウンド待機イベント

レプリケーションのバックグラウンド待機イベント

レプリケーション上位SQL

レプリケーション・プロセスによって実行されたSQLが、経過時間、CPU時間および実行を基準に並べられて様々なセクションに表示され、上位SQLレポートに表示されます。SQLを実行しているプロセスを識別するために、レプリケーション・プロセス名が追加されます。

次に、上位SQLレポートの例を示します。レプリケーション・プロセスによって実行されたSQLの一部が、経過時間、CPU時間および実行を基準に並べられて様々なセクションに表示されます。

PL/SQLコードについて報告されるリソースには、SQLコードでコールされたすべてのSQL文によって使用されたリソースが含まれます。

PL/SQLコードについて報告されるリソースには、そのコードでコールされたすべてのSQL文によって使用されたリソースが含まれます。

PL/SQLコードについて報告されるリソースには、そのコードでコールされたすべてのSQL文によって使用されたリソースが含まれます。

Oracle GoldenGate Extractパフォーマンス・メトリック

この項では、Extractおよび取得エンジンのパフォーマンス・メトリックを示します。Extractおよび取得エンジンのパフォーマンス・メトリック

次の表で、パフォーマンス・メトリック・データを説明します。

ノート:

特に明記されていないかぎり、すべてのデータはスナップショット間隔で収集された累積デルタです。
メトリック名 説明

Extract名

GoldenGate Extract

取得名

取得プロセス名

開始マイニング・ラグ(秒)

最新のLCRが作成および受信された時間によって導出されたラグ(秒)。

このラグは、スナップショットの開始時に測定されました。

終了マイニング・ラグ(秒)

最新のLCRが作成および受信された時間によって導出されたラグ(秒)。

このラグは、スナップショットの終了時に測定されました。

マイニングされたREDO(バイト)

マイニングされたREDOデータの量(バイト単位)。

スナップショット間隔内でプロセスが再起動された場合は、アスタリスク(*)が表示されます。

マイニングされたREDO(バイト/秒)

マイニングされたREDO率

送信バイト(/秒)

抽出プロセスが前回取得プロセスに接続された後に、取得プロセスから抽出プロセスに送信されたバイト数

LCR取得

Logminerから取得に配信されたLCRの数

LCR取得(秒)

LCR取得率

送信済LCR

取得からExtractに送信されたLCRの数

送信済LCR/秒

送信済LCR率

REDO待機時間(秒)

取得プロセスがWAITING FOR REDO状態のまま経過した時間。

Extractの待機(秒)

Extractからのリクエストの取得待機時間。スナップショットの終了時

Extractの待機(デルタ)

開始スナップと終了スナップの間のExtract待機時間のデルタ値

Oracle GoldenGate統合Replicat

この項では、Oracle GoldenGate統合Replicatのパフォーマンス統計を示します。Oracle GoldenGate統合Replicatパフォーマンス・メトリック

次の表で、メトリック・データについて説明します。
メトリック名 説明

Replicat名

Oracle GoldenGate Replicat名

Apply名

Applyプロセス名

バッファ済LCR (Reader)

Apply Readerによる処理の待機中にバッファされたLCRの数

受信トランザクション(Coordinator)

Apply Coordinatorによって受信されたトランザクションの数

トランザクション未割当(Coordinator)

Apply Coordinatorによってまだ割り当てられていないトランザクションの数

適用済LCR (Apply Server)

Apply Serverによって適用されたLCRの数

適用済LCR/秒(Apply Server)

Apply ServerによるLCR適用率

依存性を持つLCRの割合

依存性を持つため他のトランザクションを待機する必要があるLCRの割合

水位標依存性を持つLCRの割合

ソース・トランザクションのコミット順のため待機する必要があるLCRの割合

エラー合計

エラーが発生したトランザクションの合計

Oracle GoldenGate Replicat

この項では、Oracle GoldenGateクラシックReplicat、調整ReplicatおよびパラレルReplicatの全体的なパフォーマンス統計を示します。SQL操作の統計は、Replicatプロセスごとに集計されます。Oracle GoldenGate Replicatパフォーマンス・メトリック・データ

次の表で、メトリック・データについて説明します。
メトリック名 説明

Replicat名

Replicat名

処理された行

ReplicatによりSQL操作で処理された行数

処理された行/秒

行の処理率

I/O待機時間

ReplicatによるSQL操作のユーザーI/O待機時間

CPU時間

ReplicatによるSQL操作のCPU時間