4.7 アプリケーションのアクセシビリティのテスト

アプリケーションのアクセシビリティのテストについて学習します。

APEXは、アクセシビリティのために設計、構築、およびテストされています。Oracleは、アクセシビリティ適合性レポートを発行して、フレームワークの既知の問題とギャップを文書化しています。APEXを使用してアプリケーションを構築する場合、次の方法でアプリケーションのアクセシビリティを確保する必要があります:
  • 従う必要があるガイドラインを理解するために時間をかける
  • APEXの既知の欠陥を理解する
  • 独自のテストを実行する
既知の欠陥の理解の詳細は、「オープン・バグおよび既知の問題」を参照してください。

4.7.1 アクセシビリティ・テストについて

アプリケーションの完全なテスト戦略を開発します。

アクセシビリティのテストは幅広く多様であり、完全なテスト戦略を策定することは、このドキュメントでは取り上げません。ただし、本質的には、完全なテスト戦略には次のものを含める必要があります。
  • 開発終了時のみでなく、開発サイクル全体を通してのテスト
  • テストをチームのすべての開発者の責任とし、設計および開発プロセスの不可欠な部分とすること
  • 様々な能力やアシスティブ・テクノロジを持つ人々とのテスト
  • プラグインやサードパーティ・ライブラリなど、アプリに含まれる標準外のコンテンツに特に注意を払うこと

APEXには、開発者がアプリケーションの品質保証チェックの一環として実行できる、アドバイザと呼ばれる組込みツールがあります。アドバイザには、可能性のある一般的なアクセシビリティの問題(ラベルがないページ・アイテムや行ヘッダーが定義されていないページ・リージョンなど)を強調表示します。開発者は、進行中の開発プロセスの一環として、これらの問題を確認および修正する必要があります。アシスティブ・テクノロジを使用したテストなど、他のアクセシビリティ・テストを実行する前に、アドバイザが特定した問題を修正することをお薦めします。

4.7.2 アドバイザでのアクセシビリティ・チェックについて

アドバイザを使用して、単一ページまたはアプリケーション全体でアクセシビリティ・チェックを実行します。

アドバイザでは、一連のアクセシビリティ・チェックが実行されて、アクセシビリティに悪影響を与えるいくつかの一般的なAPEX構成エラーが特定されます。

テーマ・スタイルのアクセシビリティのテスト済み

アクセシビリティのテストが完了していないテーマ・スタイルは、カラー・コントラストの不足など、多くの問題を含んでいる可能性があります。

ページにページ・タイトルがある

意味のあるページ・タイトルは、ユーザーが現在のページの内容や目的を理解するのに役立ちます。(ノート: グローバル・ページ、およびリージョンがないページは、このチェックから除外されます。)

リージョンに行ヘッダーがある

行ヘッダーをサポートするリージョンには、「値で行を識別」属性が「はい」に設定された列が含まれている必要があります。

ページ・アイテムにラベルがある

アイテムには定義済のラベルが必要です。たとえば、アクセシビリティのためには、アイテムのラベル付けで「Value Placeholder」というテキストを定義するだけでは十分ではありません。

ページ・アイテムで予期しないコンテキスト変更が発生しない

値の選択後にページを送信する選択リストなど、一部のページ・アイテム設定では、ユーザーのコンテキストが予期せず変更されることがあります。

ページのコンテキストを保持するには、次の方法を検討してください。
  • ページ・アイテムから、ページの送信またはページ・リダイレクトの動作を削除し、機能を「動的アクション」またはカスケードLOVに置き換えます(同じページを表示したままにする必要がある場合)。
  • アイテムをクリックしたときに何が起こるかをユーザーに通知します。たとえば、ラベルに「新しいページが開かれる」を追加します。
「イメージの表示」アイテムにはイメージALTテキストが定義済み

「イメージの表示」ページ・アイテムは、イメージの代替テキストとして使用するテキストまたは列(「基準」の設定に応じて)を提供する必要があります。これは、一部のユーザーにとってイメージの内容を理解できる唯一の方法であるため、アクセシビリティのために重要です。

4.7.3 単一ページ上でのアドバイザの実行

アプリケーション内のページに対してアクセシビリティ・チェック(およびその他のチェック)を実行します。

アドバイザを単一ページ上で実行するには:

  1. 適切なページにナビゲートします。
  2. 「ユーティリティ」メニューをクリックし、「アドバイザ」を選択します。

    アドバイザが表示されます。

  3. 「実行する場合は選択」で、選択されたオプションを確認します。必要に応じて、オプションを選択または選択解除します。
  4. ページ上部の「チェックの実行」をクリックします。

    結果ページが表示されます。

  5. 既存のプリファレンスを変更するには:
    1. 「フィルタ結果」で、適切なオプションの選択を解除します。
    2. 「フィルタの適用」をクリックします。
  6. アドバイザを再実行して、レポートされた問題が修正されたことを確認するには、「チェックの実行」をクリックします。

4.7.4 アプリケーション全体でのアドバイザの実行

アプリケーション全体に対してアクセシビリティ・チェック(およびその他のチェック)を実行します。

アドバイザをアプリケーション全体で実行するには:

  1. 該当するアプリケーションにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。

      アプリケーション・ビルダーのホームページが表示されます。

    2. アプリケーションを選択します。

      アプリケーションのホームページが表示されます。

  2. 「ユーティリティ」をクリックします。
  3. 「アドバイザ」をクリックします。

    アドバイザ・ページが表示されます。

  4. 「実行する場合は選択」で、次のステップを実行します。
    1. 「実行する場合は選択」を展開します。
    2. 選択したオプションを確認します。必要に応じて、オプションを選択または選択解除します。
  5. 「ページ」で、表示されているフィールドにページのカンマ区切りリストを入力します。すべてのページをチェックするには、このオプションを空白のままにします。
  6. ページ上部の「チェックの実行」をクリックします。

    結果ページが表示されます。

    ヒント:

    チェックを次回実行するときは、現在のアドバイザの設定が使用されます。

  7. 既存のプリファレンスを変更するには:
    1. 「フィルタ結果」で、適切なオプションの選択を解除します。
    2. 「フィルタの適用」をクリックします。
  8. アドバイザを再び実行するには、「チェックの実行」をクリックします。