4.3.5.1 ALTER CLUSTER

このコマンドは、Oracle Grid Infrastructure (GI)クラスタ属性を変更します。

構文

ALTER CLUSTER
   { CLUSTERNAME=cluster_name |
     GIVERSION=grid_version |
     GIHOMELOC=grid_home_location |
     INVLOC=inventory_location |
     BASEDIR=oracle_base_dir |
     PATCHLIST=patch_list |
     VCPU=vcpu |
     VMEM=vmem |
     ASMSCOPEDSECURITY=asm_scoped_security |
     HOMESIZE=home_size |
     INSTALLTYPE={ CLONE | ZIP }
   } ...
WHERE
   { CLUSTERNUMBER=cluster_number |
     CLUSTERNAME=cluster_name |
     ID=cluster_id }
ALTER CLUSTER
   { ADDCELLS='add_cells' | DROPCELLS='drop_cells' } 
      [ DISKGROUPS='asm_diskgroups' ] [ POWER=power ] [ WAIT={ TRUE | FALSE }]  
WHERE
   { CLUSTERNUMBER=cluster_number |
     CLUSTERNAME=cluster_name |
     ID=cluster_id }
   [ STEPNAME=step_name ]

引数

GIクラスタについて次の属性を変更できます。

  • CLUSTERNAME: クラスタの新しい一意の名前を指定します。

  • GIVERSION: リリース更新(RU)を含めてクラスタウェア・バージョンを指定します。例: 12.1.0.2.170418

  • GIHOMELOC: Gridホームの場所の新規パスを指定します

  • INVLOC: ソフトウェア・インベントリの新規パスを指定します

  • BASEDIR: Oracleベース・ディレクトリの新規パスを指定します。

  • PATCHLIST: パッチのカンマ区切りリストを指定します。リストは、一重引用符で囲む必要があります。デフォルトでは、パッチ・リストは、GIVERSIONに含まれるRUから導出されます。

  • VCPU: VMクラスタ内の各仮想マシン(VM)の仮想CPUの数を指定します。このオプションは、VMデプロイメント内のクラスタにのみ適用されます。

  • VMEM: VMクラスタ内の各仮想マシン(VM)のメモリー量(GB)を指定します。このオプションは、VMデプロイメント内のクラスタにのみ適用されます。

  • ASMSCOPEDSECURITY: trueを指定してASMスコープのセキュリティを有効にします。デフォルト値はfalseです。

  • HOMESIZE: クラスタ・ホームのサイズ(GB)を指定します。

  • INSTALLTYPE: 使用するソフトウェア・インストール方法を指定します。オプションは次のとおりです:

    • CLONE: イメージ・ファイルを使用して、ソフトウェア・インストールをクローニングします。イメージ・ファイルにはベース・ソフトウェア・リリースが含まれ、追加のパッチや更新が含まれる場合もあります。この方法では、イメージ・ファイルに更新を含めることで、デプロイメント時間が短縮され、デプロイメントの一貫性が向上します。

      CLONEソフトウェア・インストール方法は、仮想マシン(VM)デプロイメントのクラスタについてサポートされている唯一の方法です。このオプションは、物理(ベア・メタル)デプロイメントのクラスタにも使用できます。

    • ZIP: ソフトウェア・リリースを含む圧縮(zip)ファイルを使用して、フレッシュ・ソフトウェア・インストールを実行します。この方法には、追加のパッチや更新は含まれません。

      ZIPソフトウェア・インストール方法は、物理(ベア・メタル)デプロイメントのクラスタに使用されるデフォルトの方法です。このオプションは、仮想マシン(VM)デプロイメントのクラスタには使用できません。

  • ADDCELLS: ディスク・グループに追加するセルのカンマ区切りリストを指定します。リストは、一重引用符で囲む必要があります。複数のセルが指定されている場合、それらはすべて1つの操作で追加され、データのリバランスはプロセスの最後に1回実行されます。

  • DROPCELLS: ディスク・グループから削除するセルのカンマ区切りリストを指定します。リストは、一重引用符で囲む必要があります。複数のセルが指定されている場合、それらはすべて1つの操作で削除され、データのリバランスはプロセスの最後に1回実行されます。

  • DISKGROUPS: ADDCELLSまたはDROPCELLSで指定したセルを追加または削除するディスク・グループのカンマ区切りリストを指定します。リストは、一重引用符で囲む必要があります。指定しない場合、指定したセルはすべてのディスク・グループに追加されるか、すべてのディスク・グループから削除されます。

  • POWER: ASMリバランス指数制限を指定します。有効値の範囲は、1 - 1024です。

  • WAIT: ADDCELLSまたはDROPCELLS操作のADD_DISKS_TO_ASMステップで発生するASMリバランス操作の完了を待機するかどうかを指定します。このオプションは、WHERE句にSTEPNAME=ADD_DISKS_TO_ASMが含まれている場合にのみ適用できます。

    ASMリバランス操作の完了を待機せずに続行するには、falseを指定します。ASMリバランス操作の完了を待機するには、trueを指定します。デフォルト値はtrue

WHERE句には、次の引数を使用できます。

  • CLUSTERNUMBER: 1から始まる、es.xml内のクラスタ番号を指定します。

  • CLUSTERNAME: クラスタの名前を指定します。

  • ID: クラスタのes.xml IDを指定します。

  • STEPNAME: ADDCELLSまたはDROPCELLS操作に対して次のいずれかのステップを指定します。

    • CONFIG_CELL

    • CREATE_GRIDDISKS

    • ADD_DISKS_TO_ASM

    ADDCELLS操作の場合、ステップは次の順序で実行されます。

    1. CONFIG_CELL: セル接続やセル・ディスクの作成など、ストレージ・サーバーを構成します。

    2. CREATE_GRIDDISKS: 指定したクラスタで使用するグリッド・ディスクを作成します。

    3. ADD_DISKS_TO_ASM: 新しく作成したグリッド・ディスクを、指定したクラスタに関連付けられたASMディスク・グループに追加します。

    DROPCELLS操作の場合、ステップは逆の順序で実行されます。

    1. ADD_DISKS_TO_ASM: 指定したクラスタに関連付けられたASMディスク・グループからグリッド・ディスクを削除します。

    2. CREATE_GRIDDISKS: 指定したクラスタに関連付けられたグリッド・ディスクを削除します。

    3. CONFIG_CELL: ストレージ・サーバー上のセル構成を削除します。

例4-4 クラスタ変更のデプロイ

次の例は、ALTER CLUSTERコマンドを使用するOEDACLIセッションを各ステップでの一般的な出力とともに示しています。

oedacli> alter cluster clustername=cluster-c1 where id=Cluster-c6e838fe4-e317-ee1a-dd89-53f0b49a689b_id
oedacli> save action
oedacli> merge actions
 processMerge
 processMergeActions
 Merging Action : alter cluster clustername=cluster-c1 where id=Cluster-c6e838fe4-e317-ee1a-dd89-53f0b49a689b_id
 Merging ALTER CLUSTER
 Action Validated and Merged OK
oedacli> deploy actions
 Deploying Action ID : 1 alter cluster clustername=cluster-c1 where id=Cluster-c6e838fe4-e317-ee1a-dd89-53f0b49a689b_id
 Deploying ALTER CLUSTER
 Done...
 Done