6.12.4.1 PXEの使用し、リリース12.1.2.2.0以降を使用した新規システムのイメージ化

PXEを使用した簡略化された方法を使用して、Oracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.2.0以降を実行する新しいExadataシステムをデプロイメント用に準備できます。

  1. 最新のOracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)http://www.oracle.com/technetwork/database/exadata/oeda-download-2076737.htmlから入手します。
  2. OEDA構成ツールを実行して、構成ファイルを生成します。
  3. すべてのサーバーの電源を投入します。
    システムを初めて起動したときの状態は次のとおりです。
    1. データベース・ノードおよびセルに、172.16範囲のeth0で未使用のIPアドレスが自動的に割り当てられます。
    2. ノードのホスト名は、nodeNの形式になります。ここで、Nは数値です。
  4. OEDAを実行して、システムのイメージ化に使用するpreconf.csvファイルを生成します。
  5. 最初のデータベース・ノードに接続します。

    次の接続オプションのいずれかを使用します。

    • コンソールとサーバーのSER MGTポートをシリアル・ケーブルで接続します。

      モジュラ・ジャック・シリアル・ポートを介した接続では、無線周波数の放出制限に準拠するためにシールド・ケーブルを使用する必要があります。

      端末デバイスの通信プロパティを、9600ボー、8ビット、パリティなし、1ストップ・ビットに設定します。

      詳細は、Oracle ILOMへの接続を参照してください。

    • サーバーのNET MGTポートにEthernetケーブルを接続してから、ネットワークのワークステーションを使用して接続します。

      詳細は、Oracle ILOMへの接続を参照してください。

  6. 各データベース・ノードのeth0 MACアドレスを取得します。
    eth0 MACアドレスは、ILOMの/SYS/MB/NET0 (または、コンソールにログインした場合はip addr)のfru_macaddressフィールドです。
    1. コンソールからSSH経由で各データベース・ノードに接続します。
    2. ibhostsを実行してノード名とIPアドレスのリストを取得します。
  7. 各ノードのpreconf.csvファイルの7番目のフィールドに、大文字を使用してMACアドレスを挿入します。
    このフィールドは空である必要があります。つまり、2つの連続したカンマ文字(,,)が表示されます。

    次に例を示します:

    orhb42-b08-01,example.com,db,eth0,eth0,Management,00:10:E0:69:34:52,10.196.3.
    106,255.255.224.0,10.196.31.250,orhb42-b08-01-priv,Private:active-bond-ib,192.1
    68.10.15,255.255.255.0,,,America/Los_Angeles
  8. 各ノードのPXE構成ファイルを作成します。

    ファイル名は、pxelinux.cfgディレクトリのhostname.xx-xx-xx-xx-xx-xxです。次に、バージョン12.1.2.1.0以上のPXEイメージ化の推奨オプションを示します。appendで始まる行は、改行なしで1行に入力する必要があります。

    kernel vmlinux-iso-file-name
    append initrd=img_file pxe factory stit reboot-on-success notests=diskgroup dhcp 
    preconf=n.n.n.n:/directory/preconf.csv iso-uri=http://web_server/x86_64/iso/image_n
    ame.iso console=ttyS0,115200n8

    Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0以降のシステムでは、カーネル・オプションにqinq=yesまたはqinq=noを追加することで、Exadata Secure RDMA Fabric Isolationを有効または無効にできます。次に例を示します:

    kernel vmlinux-iso-file-name
    append initrd=img_file pxe factory stit reboot-on-success notests=diskgroup dhcp 
    preconf=n.n.n.n:/directory/preconf.csv iso-uri=http://web_server/x86_64/iso/image_n
    ame.iso console=ttyS0,115200n8 qinq=no
  9. オプションとして、root OSユーザーにキー・ベースの認証を構成します。

    Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0以降では、PXEイメージ化プロセスの一環として、root OSユーザーにキー・ベースの認証を構成できます。

    このオプションを使用する場合は、それぞれのノードで次の操作を実行します。

    1. ユーティリティ(ssh-keygenなど)を使用して、RSA公開キーと秘密キーのペアを作成します。

      次に例を示します:

      # ssh-keygen -t rsa -b 4096
    2. 次のファイル名形式に準拠するように、公開キー・ファイルの名前を変更します。
      id_rsa.short_hostname.root.pub

      この公開キー・ファイルの名前にあるshort_hostnameは、preconf.csvファイル内の対応するノード・エントリの最初のフィールドで定義されたノード・ホスト名です。

    3. preconf.csvファイルが格納されているディレクトリに、名前変更した公開キー・ファイルをコピーします。

      このディレクトリは、PXE構成ファイルのpreconfパラメータ(preconf.csvファイルへのパスを定義するパラメータ)に前の手順で指定したものと同じです。

    キー・ベースの認証を構成すると、イメージ化プロセスの後でパスワード・ベースの認証が無効になります。そのため、一致する秘密キーを使用する、ノードへのrootアクセスのみが可能になります。rootパスワードを使用する、ILOMアクセスも無効になります。

    デフォルトでは、公開キー・ファイルの名前または場所が不適切な場合、そのノードに対してパスワード・ベースの認証が有効化されます。また、PXE構成ファイルのブート・オプションとしてroot-ssh-key=yesを指定すると、キー・ベースの認証を必須にすることができます。この場合は、公開キーが不適切な場所にあるとイメージ化プロセスが失敗します。

    公開キーがあったとしても、キー・ベースの認証の構成は、PXE構成ファイルのブート・オプションとしてroot-ssh-key=noを指定することで無効化できます。

  10. 必要に応じて、イメージ・ファイルを作成します。

    バージョン12.1.2.2.0以上を使用している場合は、ImageMakerを使用してイメージ・ファイルを作成する必要はありません。関連するPXE、ISOおよびUSBイメージ・ファイルはパッチ自体にすでに作成されています。事前作成されたPXEイメージ・ファイルを含むパッチをOracle Software Delivery Cloudからダウンロードし、PXEサーバーの適切なディレクトリに配置します。どのリリースの場合でも、パッチ番号についてはMy Oracle Supportノート888828.1を参照してください。データベース・サーバーおよびストレージ・サーバー用に個別のPXEイメージ・パッチがあります。

    ノート: イメージ・バージョン12.1.2.2.0では、ダウンロード可能なイメージ・ファイルの形式が変更されました。

    ダウンロードしたzipファイルには4つのイメージ・ファイルが含まれています。

    • 12.1.2.2.0から12.2.1.1.0の場合:
      kernel: vmlinux-version-ImageName-{DL180|DL360}
      initrd: initrd-version-ImageName-{DL180|DL360}.img
      image: nfsimg-version-ImageName-{DL180|DL360}.tar
      image: nfsimg-version-ImageName-{DL180|DL360}.tar.md5
    • 12.2.1.1.0以降の場合:
      kernel: vmlinux-iso-ImageName-{cell|compute}
      initrd: initrd-iso-ImageName-{cell|compute}.img
      image: vmlinux-iso-ImageName-{cell|compute}.tar
  11. ILOMを使用してブート順序を変更してPXEから起動した後、サーバーを再起動してイメージ化プロセスを開始します。

    たとえば、ホストのOracle Linuxプロンプトから次のように入力します。

    # ipmitool chassis bootdev pxe
    
    # shutdown -r now
  12. Oracle VMを使用している場合は、OEDAインストール・ツールを実行する前に、すべてのOracle VMデータベース・サーバーでswitch_to_ovm.shを実行します。

    このコマンドを実行すると、データベース・サーバーがリブートされます。

    # /opt/oracle.SupportTools/switch_to_ovm.sh
    2014-12-07 11:58:36 -0800 [INFO] Switch to DOM0 system partition /dev/VGExaDb/LV
    DbSys3 (/dev/mapper/VGExaDb-LVDbSys3)
    2014-12-07 11:58:36 -0800 [INFO] Active system device: /dev/mapper/VGExaDb-LVDbS
    ys1
    2014-12-07 11:58:36 -0800 [INFO] Active system device in boot area: /dev/mapper/
    VGExaDb-LVDbSys1
    2014-12-07 11:58:36 -0800 [INFO] Set active systen device to /dev/VGExaDb/LVDbSy
    s3 in /boot/I_am_hd_boot
    2014-12-07 11:58:36 -0800 [INFO] Reboot has been initiated to switch to the DOM0
     system partition
    
  13. InfiniBandネットワーク・ファブリックを使用するシステムでのみ、ソフトウェアをインストールする前に各データベース・サーバーで/opt/oracle.SupportTools/reclaimdisks.sh -free -reclaimを実行します。

    このコマンドは、選択されていないデプロイメント・タイプ用に予約されたディスク領域を再利用します。これは、RoCEベースのExadataデータベース・サーバーでは必要ありません。

    このコマンドの所要時間は通常5分未満です。

    注意:

    このステップはスキップしないでください。このステップをスキップすると、未使用の領域をreclaimdisks.shで再利用できなくなります。
    # /opt/oracle.SupportTools/reclaimdisks.sh -free -reclaim
    Model is ORACLE SERVER X5-2
    Number of LSI controllers: 1
    Physical disks found: 4 (252:0 252:1 252:2 252:3)
    Logical drives found: 1
    ...
    [INFO     ] Copying /usr/share/grub/x86_64-redhat/* to /boot/grub ...
    [INFO     ] Create filesystem on device /dev/sda1
    [INFO     ] Tune filesystem on device /dev/sda1
    
    GNU GRUB  version 0.97  (640K lower / 3072K upper memory)
    
    [ Minimal BASH-like line editing is supported.  For the first word, TAB
    lists possible command completions.  Anywhere else TAB lists the possible
    completions of a device/filename.]
    grub> root (hd0,0)
     Filesystem type is ext2fs, partition type 0x83
    grub> setup (hd0)
     Checking if "/boot/grub/stage1" exists... no
     Checking if "/grub/stage1" exists... yes
     Checking if "/grub/stage2" exists... yes
     Checking if "/grub/e2fs_stage1_5" exists... yes
     Running "embed /grub/e2fs_stage1_5 (hd0)"... failed (this is not fatal)
     Running "embed /grub/e2fs_stage1_5 (hd0,0)"... failed (this is not fatal)
     Running "install /grub/stage1 (hd0) /grub/stage2 p /grub/grub.conf "... succeeded
    Done.
    grub> quit
  14. ibhostsを実行し、すべてのノードが正しいIPアドレスおよびホスト名を示すことを確認します。
    elasticNodeが説明に含まれるノードはないはずです。
  15. OEDAツールを実行してデプロイします。

    ノート:

    root OSユーザーにキー・ベースの認証を構成した場合は、まず、ノードの秘密キーをOEDA WorkDirにコピーしておく必要があります。

    [root] # ./install.sh -cf ../machine_config_file.xml -l
    1. Validate Configuration File
    2. Setup Capacity-on-Demand
    3. Create Virtual Machine  
    4. Create Users  
    5. Setup Cell Connectivity  
    6. Create Cell Disks  
    7. Create Grid Disks  
    8. Configure Alerting  
    9. Install Cluster Software  
    10. Initialize Cluster Software  
    11. Install Database Software  
    12. Relink Database with RDS  
    13. Create ASM Diskgroups  
    14. Create Databases  
    15. Apply Security Fixes  
    16. Install Exachk  
    17. Setup ASR Alerting  
    18. Create Installation Summary  
    19. Resecure Machine