4.7.2 Cisco Nexus 9336C-FX2 RoCEネットワーク・ファブリック・スイッチへのゴールデン構成設定の適用

ゴールデン構成設定は、通常、初回のデプロイメント時にRoCEネットワーク・ファブリック・スイッチに適用されます。

注意:

  • RoCEネットワーク・ファブリックの構成ミスによってシステムが停止する可能性があるため、この手順を実行するときは注意してください。

  • ゴールデン構成設定は、RoCEネットワーク・ファブリックのアクティブなスイッチに適用しないでください。ゴールデン構成設定をアクティブなスイッチに適用すると、RoCEネットワーク・ファブリックが中断し、システムが停止する場合があります。

Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0以降では、次の手順を使用して、RoCEネットワーク・ファブリック・スイッチにゴールデン構成設定を適用できます。以前のリリースの場合は、Cisco Nexus 9336C-FX2 RoCEネットワーク・ファブリック・スイッチでの設定のリストアを参照してください。

次の手順では、Exadataのシングル・ラックまたはマルチラック構成の1つ以上のスイッチに、最新のゴールデン構成設定を適用します。スイッチの構成ファイルにアクセスするためのスイッチへのSSHアクセスを持つ1つのサーバーとともに、スイッチの電源を投入する必要があります。

  1. 各スイッチの現在のスイッチ構成のバックアップがあることを確認します。
  2. スイッチへのSSHアクセスがあり、最新のRDMAネットワーク・ファブリックのパッチZIPファイルが含まれているサーバーにログインします。

    使用可能なRDMAネットワーク・ファブリック・パッチを検索するには、My Oracle Supportドキュメント888828.1でRDMAネットワーク・スイッチを検索します。Oracle Exadata System Softwareリリースの最新パッチをダウンロードして使用します。

  3. RDMAネットワーク・ファブリックのパッチZIPファイルを解凍し、ディレクトリをpatchmgrユーティリティの場所に変更します。
  4. RoCEネットワーク・ファブリック・スイッチの構成を駆動するためのスイッチのリスト・ファイルを作成します。
    1. 構成するスイッチのホスト名またはIPアドレスを含むファイルを作成します。スイッチは1行に1つずつ入力してください。
      たとえば、1行に1つのスイッチのホスト名が記載されるswitches.lstという名前のファイルを作成します。リーフ・スイッチが2つのみのシングル・ラック・システムでは、ファイルに次のようなスイッチ・ホスト名エントリが含まれる可能性があります:
      rack1sw-rocea0
      rack1sw-roceb0
    2. 各行にタグを付けて、各スイッチの構成タイプを指定します。

      各スイッチの構成タイプを指定するには、スイッチのリスト・ファイルで各スイッチのホスト名またはIPアドレスにコロン(:)とタグを付けます。次のタグがサポートされます。

      • leaf - シングル・ラック・システムのリーフ・スイッチを示します。タグが指定されていない場合、この構成タイプであると見なされます。
      • mspine - スパイン・スイッチを示します。1つのスパイン・スイッチ構成では、Exadata Secure RDMA Fabric Isolationがある場合とない場合の、シングル・ラック・システムとマルチラック・システムのすべてのスパイン・スイッチがサポートされます。
      • mleaf - マルチラックX8Mシステムのリーフ・スイッチを示します。
      • sfleaf - Exadata Secure RDMA Fabric Isolationのサポートが有効なシングル・ラック・システムのリーフ・スイッチを示します。
      • msfleaf - Exadata Secure RDMA Fabric Isolationのサポートが有効なマルチラックX8Mシステムのリーフ・スイッチを示します。
      • leaf23 - 23個のホスト・ポートを持つように構成されたシングル・ラック・システムのリーフ・スイッチを示します。この構成は、3つのデータベース・サーバーと11個のストレージ・サーバーを持つ8ソケット・システム(X8M-8以降)にのみ必要です。
      • mleaf23 - 23個のホスト・ポートを持つように構成されたマルチラック・システムのリーフ・スイッチを示します。この構成は、3つのデータベース・サーバーと11個のストレージ・サーバーを持つ8ソケットX8M-8システムにのみ必要です。
      • mleaf_u14 - 14個のスイッチ間リンクで構成されたマルチラック・システムのリーフ・スイッチを示します。これはX9M以降のモデル・システムの一般的なマルチラック・リーフ・スイッチ構成です。
      • msfleaf_u14 - Exadata Secure RDMA Fabric Isolationのサポートが有効になっている、14個のスイッチ間リンクで構成されたマルチラック・システムのリーフ・スイッチを示します。この構成は、Secure Fabricが有効になっているX9M以降のモデル・システムに必要です。
      • mleaf23_u13 - 23個のホスト・ポートと13個のスイッチ間リンクで構成されたマルチラック・システムのリーフ・スイッチを示します。この構成は、3つのデータベース・サーバーと11個のストレージ・サーバーを持つ8ソケットX9M-8システムにのみ必要です。
      次に例を示します:
      rack1sw-rocea0:leaf
      rack1sw-roceb0:leaf
    3. マルチラック構成の場合のみ、各スイッチに一意のループバック・オクテットを指定します。

      ループバック・オクテットは、スイッチを一意に識別するスイッチ・ループバック・アドレスの最後のオクテットです。

      各スイッチのループバック・オクテットを指定するには、ピリオド(.)と数値のループバック・オクテット値をスイッチのリスト・ファイルの各エントリに追加します。

      注意:

      マルチラック構成のすべてのスイッチには、一意のループバック・オクテットが必要です。複数のスイッチが同じループバック・オクテットを使用すると、RoCEネットワーク・ファブリックは正しく機能しないため、システムが停止します。

      リーフ・スイッチの場合、最初のループバック・オクテット値として101から開始し、次のように増分します:

      • 101 - ラック1の下位リーフ・スイッチ(次の例ではrack1sw-rocea0)

      • 102 - ラック1の上位リーフ・スイッチ(次の例ではrack1sw-roceb0)

      • 103 - ラック2の下位リーフ・スイッチ(次の例ではrack2sw-rocea0)

      • 104 - ラック2の上位リーフ・スイッチ(次の例ではrack2sw-roceb0)

      • 105 - ラック3の下位リーフ・スイッチ

      • 106 - ラック3の上位リーフ・スイッチなど。

      スパイン・スイッチの場合、最初のループバック・オクテット値として201から開始し、次のように増分します:

      • 201 - ラック1のスパイン・スイッチ(次の例ではrack1sw-roces0)

      • 202 - ラック2のスパイン・スイッチ(次の例ではrack2sw-roces0)

      • 203 - ラック3のスパイン・スイッチ

      • 204 - ラック4のスパイン・スイッチなど。

      たとえば、2ラックExadata X9Mシステムのスイッチのリスト・ファイルの内容は、次のようになります:
      rack1sw-rocea0:mleaf_u14.101
      rack1sw-roceb0:mleaf_u14.102
      rack1sw-roces0:mspine.201
      rack2sw-rocea0:mleaf_u14.103
      rack2sw-roceb0:mleaf_u14.104
      rack2sw-roces0:mspine.202
      または、既存の4ラックExadata X9Mシステムに5つ目のラックを追加した場合、スイッチのリスト・ファイルの内容は、次のようになります:
      rack5sw-rocea0:mleaf_u14.109
      rack5sw-roceb0:mleaf_u14.110
      rack5sw-roces0:mspine.205
  5. patchmgrを使用して、スイッチのリスト・ファイルのRoCEネットワーク・ファブリック・スイッチに最新のゴールデン構成の設定を適用します。
    次に例を示します:
    # ./patchmgr --roceswitches switches.lst --apply-config –log_dir log-directory
  6. patchmgrを使用して、スイッチのリスト・ファイルのRoCEネットワーク・ファブリック・スイッチの構成を検証します。
    次に例を示します:
    # ./patchmgr --roceswitches switches.lst --verify-config –log_dir log-directory