2.9.1.1 Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1以上を実行するシステムでの、ルートLVMパーティションの拡張

次の手順では、Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1以上を実行するシステム上で、ルート(/)パーティションのサイズを拡大する方法について説明します。

ノート:

  • この手順では、サーバーを停止する必要はありません。

  • 管理ドメインのシステムの場合、アクティブおよび非アクティブのSys LVMは、LVDbSys2およびLVDbSys3です(LVDbSys1およびLVDbSys2ではありません)。

  • LVDbSys1およびLVDbSys2のサイズが同じに設定されていることを確認します。

  1. 現在の環境に関する情報を収集します。
    1. dfコマンドを使用して、ルート・パーティション(/).の空き領域および使用済領域の容量を確認します
      # df -h /
      

      次に、コマンドの出力例を示します。

      Filesystem                    Size  Used Avail Use% Mounted on
      /dev/mapper/VGExaDb-LVDbSys1   30G   22G  6.2G  79% / 
      

      ノート:

      アクティブなrootパーティションは、それ以前の保守アクティビティによりLVDbSys1またはLVDbSys2のいずれかに決定されます。

    2. lvsコマンドを使用して、現在のボリューム構成を表示します。
      # lvs -o lv_name,lv_path,vg_name,lv_size
      

      次に、コマンドの出力例を示します。

      LV                 Path                            VG       LSize
      LVDbOra1           /dev/VGExaDb/LVDbOra1           VGExaDb  100.00g
      LVDbSwap1          /dev/VGExaDb/LVDbSwap1          VGExaDb  24.00g
      LVDbSys1           /dev/VGExaDb/LVDbSys1           VGExaDb  30.00g
      LVDbSys2           /dev/VGExaDb/LVDbSys2           VGExaDb  30.00g
      LVDoNotRemoveOrUse /dev/VGExaDb/LVDoNotRemoveOrUse VGExaDb  1.00g
      
  2. dfコマンドを使用して、ルート・パーティション(/)で使用されているファイル・システム・タイプを特定します。
    # df -hT /
    

    次に、コマンドの出力例を示します。

    Filesystem                    Type  Size  Used Avail Use% Mounted on
    /dev/mapper/VGExaDb-LVDbSys1  ext3   30G   22G  6.2G  79% / 
    

    この例では、ファイル・システム・タイプはext3です。

  3. ファイル・システム・タイプがxfsでない場合は、次のtune2fsコマンドを使用してオンライン・サイズ変更オプションを確認します。ファイル・システム・タイプがxfsの場合は、このステップをスキップできます。
    tune2fs -l /dev/mapper/vg_name-lv_name | grep resize_inode
    

    次に例を示します:

    tune2fs -l /dev/mapper/VGExaDb-LVDbSys1 | grep resize_inode
    

    resize_inodeオプションが、コマンド出力に表示されます。オプションが表示されない場合、パーティションのサイズ変更の操作をする以前に、ファイル・システムがアンマウントしています。「Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1より前のリリースを実行するシステムでの、ルートLVMパーティションの拡張」を参照して、パーティションのサイズを変更してください。

  4. ボリューム・グループVGExaDbの使用可能な領域を確認するには、vgdisplayコマンドを使用します。
    # vgdisplay -s
    

    次に、コマンドの出力例を示します。

    "VGExaDb" 834.89 GB [184.00 GB used / 650.89 GB free]
    

    ボリューム・グループは、2つのシステム・パーティションのサイズを増やすことができる空き領域を持ち、アップグレードの際にdbnodeupdate.shユーティリティで作成されるLVMスナップショットで使用するために、少なくとも1GBの空き領域を維持する必要があります。

    十分な空き領域がない場合、reclaimdisks.shユーティリティが実行中であるかどうか確認してください。ユーティリティが実行されていない場合、次のコマンドを実行して、ディスク領域をリクレイムします。

    # /opt/oracle.SupportTools/reclaimdisks.sh -free -reclaim 
    

    ユーティリティが実行中で、十分な空き領域がない場合、LVMはサイズ変更できません。

    ノート:

    reclaimdisks.shは、RAID再構築(ディスクの置換えまたは拡張)と同時に実行できません。RAID再構築が完了するまで待機してから、reclaimdisks.shを実行してください。

  5. LVDbSys1およびLVDbSys2論理ボリュームのサイズを変更するには、lvextendコマンドを使用します。

    次の例のXGは、論理ボリュームが拡大される領域の量(GB)です。いずれのシステム・パーティションにも、等しい容量の領域を追加します。

    # lvextend -L +XG --verbose /dev/VGExaDb/LVDbSys1
    # lvextend -L +XG --verbose /dev/VGExaDb/LVDbSys2
    

    次の例では、拡大する論理ボリュームは10GBです。

    # lvextend -L +10G /dev/VGExaDb/LVDbSys1
    # lvextend -L +10G /dev/VGExaDb/LVDbSys2
    
  6. 論理ボリューム内のファイル・システムのサイズを変更します。
    • ext3およびext4のファイル・システム・タイプについては、resize2fsコマンドを使用します。

      # resize2fs /dev/VGExaDb/LVDbSys1
      # resize2fs /dev/VGExaDb/LVDbSys2
      
    • xfsファイル・システム・タイプについては、次の手順を実行します。

      1. xfs_growfsコマンドを使用して、アクティブなファイル・システムのサイズを変更します。

        # xfs_growfs /
      2. 非アクティブなルート・パーティションを特定します。

        非アクティブなルート・パーティションは、LVDbSys1LVDbSys2のうち、現在マウントされていない方です。

        dfコマンドの出力を調べて、アクティブなパーティションを確認します。次に例を示します:

        # df -hT /
        Filesystem                    Size  Used Avail Use% Mounted on
        /dev/mapper/VGExaDb-LVDbSys1   30G   22G  6.2G  79% / 
        

        この例では、LVDbSys1がアクティブなパーティションとして示されています。したがって、非アクティブなパーティションはLVDbSys2です。

      3. 非アクティブなルート・パーティションを一時的な場所にマウントします。

        次に例を示します:

        # mkdir -p /tmp/mnt/root
        # mount -t xfs /dev/VGExaDb/LVDbSys2 /tmp/mnt/root
      4. xfs_growfsコマンドを使用して、非アクティブなファイル・システムのサイズを変更します。

        # xfs_growfs /tmp/mnt/root
      5. 非アクティブなルート・パーティションをアンマウントします。

        次に例を示します:

        # umount /tmp/mnt/root
  7. dfコマンドを使用して、アクティブなシステム・パーティションで領域が拡大されたことを確認します。
    # df -h /