6.1.1 Oracle Linux KVMについて
Oracle Linux KVMを使用すると、KVMで管理されるサポート対象の仮想環境内に、Oracle Linuxオペレーティング・システムとアプリケーション・ソフトウェアをデプロイできます。
Oracle Exadata System Softwareリリース19.3.0以降のKVMは、RDMA over Converged Ethernet (RoCE)インターコネクトによって構成されたOracle Exadataシステムで使用する仮想化テクノロジです。
Oracle Linux KVM環境は、管理サーバー(KVMホスト)、仮想マシンおよびシステム・リソースで構成されます。KVMホストは、軽量でセキュアなサーバー・プラットフォームを、ゲストとも呼ばれる複数の仮想マシン(VM)に提供する管理対象仮想環境です。各KVMホストでサポートされているゲストの最大数は、使用中のOracle Exadataシステムのハードウェアとソフトウェアの組合せによって異なります。「Oracle Linux KVMデプロイメントの仕様と制限」を参照してください。
KVMホストは、ベア・メタル・コンピュータにインストールします。各KVMホストのハイパーバイザは、フットプリントが非常に小さいVMマネージャおよびスケジューラで、システムで唯一完全な権限を持つエンティティとなるように設計されています。CPUとメモリーの使用量、権限の確認、ハードウェア割込みなど、最も基本的なシステム・リソースのみを制御します。
ハイパーバイザは、1台のホスト・コンピュータで複数のVMを安全に実行します。各VMは専用のオペレーティング・システムを備えた個別のゲストで実行されます。KVMホストには、ハードウェアおよびデバイス・ドライバへの特権アクセス権があり、このホストが、すべてのゲストを管理するための環境です。
ゲストは、システム・リソースの定義済セットを使用する権限のないVMです。ゲストは、KVMホストで起動および管理されます。ゲストはその他のVMとは独立して動作するため、ゲストの仮想リソースに適用した構成の変更は、その他のゲストには影響しません。ゲストの障害は、その他のゲストには影響しません。
各ゲストは、KVMホストとともに実行され、直接対話することはありません。ゲストの要件はハイパーバイザによって処理され、KVMホストはハイパーバイザを管理する手段のみを提供します。
Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)には、Oracle ExadataでOracle Linux KVMを構成するための機能が用意されています。vm_maker
コマンドライン・ユーティリティを使用して、Oracle Linux KVMゲストを管理することもできます。
ノート:
Exadataでは、virsh
コマンドを使用したKVMゲストの直接操作はサポートされていません。