8.4.3.5 管理ネットワーク・スイッチのpatchmgr構文

patchmgrを使用して、Oracle Exadata Database Machine X7-2以降のシステムにある9000シリーズの管理ネットワーク・スイッチでファームウェア・アップグレードを実行できます。

前提条件

patchmgrは、Oracle Linuxを実行しているOracle Exadataデータベース・サーバーまたはOracle Exadata以外のシステムである駆動システムで実行されます。これにより、中央のサーバーからpatchmgrを実行して、複数のOracle Exadataシステムを更新できます。

管理ネットワーク・スイッチのpatchmgr構文

./patchmgr --adminswitches [adminswitch_list_file]
{ --upgrade | --downgrade } [--adminswitch-precheck] [--unkey] [--force]
[ -log_dir { absolute_path_to_log_directory | AUTO } ]

メイン引数

引数 説明
--adminswitches [adminswitch_list_file]

patchmgrが管理ネットワーク・スイッチで機能することを指定します。

指定した場合、スイッチ・リスト・ファイルによって管理ネットワーク・スイッチが識別されます。ファイルの各行には、1つのスイッチのホスト名またはIPアドレスが記載されています。

ファイル名を指定しない場合、このコマンドは、patchmgrを実行しているホストから検出されたすべての管理ネットワーク・スイッチで機能します。

--upgrade

管理ネットワーク・スイッチのファームウェアをアップグレードします。

--downgrade 管理ネットワーク・スイッチのファームウェアをダウングレードします。

サポートされているオプション

管理ネットワーク・スイッチのファームウェア更新では、次のオプションがサポートされています。

表8-7 管理ネットワーク・スイッチのpatchmgrオプション

オプション 説明
--adminswitch-precheck リスト・ファイル内の管理ネットワーク・スイッチでスイッチ・ファームウェアのアップグレードまたはダウングレード・シミュレーションを実行しますが、実際のインストールは実行しません。このオプションは、--upgradeまたは--downgradeとともに使用します。
--unkey

このオプションを--upgradeまたは--downgradeと組み合せると、管理ネットワーク・スイッチへのパスワードなしSSHアクセスを有効にする構成設定が削除されます。

--force

このオプションを--upgradeまたは--downgradeと組み合せると、スイッチがすでにターゲット・ファームウェア・バージョンにある場合や、管理ネットワーク・スイッチに重大でない障害が発生している場合でも、アップグレードまたはダウングレードを続行します。

-log_dir ( absolute_path_to_log_directory | AUTO )

patchmgrをroot以外のユーザーとして実行する場合は、-log_dirを使用して、ログ・ディレクトリへの絶対パスを指定するか、キーワードAUTOを使用します。AUTOを指定すると、patchmgrによって、patchmgrの起動元ディレクトリとスイッチ・リスト・ファイルのコンテンツに基づいて、ログ・ディレクトリへのパスが生成および設定されます。

ノート: -log_dirの指定は、root以外のユーザーとしてパッチ・マネージャを実行する場合に必要であり、これを指定することによって複数のパッチ・マネージャ呼出しが有効になります。

例8-12 管理ネットワーク・スイッチのファームウェアをアップグレードするためのpatchmgrの使用

この例では、switches.lstファイルで指定されたスイッチでアップグレード前提条件チェックを実行してから、スイッチをアップグレードします。

$ cat switches.lst
dbm0sw-adm0                  

$ ./patchmgr --adminswitches switches.lst --upgrade --adminswitch-precheck

$ ./patchmgr --adminswitches switches.lst --upgrade