3.4.1 フラッシュ・ディスク障害によるフラッシュ・ディスクの交換

Oracle Exadata Storage Serverには、それぞれフラッシュ・デバイスが付属しています。

Oracle Exadata Database Machine X7以降では、Oracle Exadata Storage Serverでフラッシュ・デバイスはホットプラグに対応しています。Oracle Exadata Storage Server X7以降でフラッシュ・デバイスのホットプラグ交換を実行する場合は、ディスク・ステータスが交換のため切断になり、かつフラッシュ・カードの電源LEDが消灯している必要があり、このことは、フラッシュ・ディスクのオンライン交換が可能であることを示します。

注意:

電源LEDが点灯しているカードを取り外すと、システムがクラッシュする可能性があります。障害が発生したディスクのステータスが障害 - 交換のため切断であるのに電源LEDがまだ点灯している場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。

Oracle Exadata Database Machine X6以前の場合、フラッシュ・デバイスはExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーではホットプラグ対応ですが、High Capacity (HC)ストレージ・サーバーではホットプラグ対応ではありません。HCストレージ・サーバーでは、ストレージ・サーバーを交換する前に電源を切断する必要があります。

障害が発生したフラッシュ・ディスクを確認するには、次のコマンドを使用します。

CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE disktype=flashdisk AND status=failed DETAIL

Extreme Flashストレージ・サーバーからの出力例を次に示します。


    name:                          NVME_10
    deviceName:                    /dev/nvme7n1
    diskType:                      FlashDisk
    luns:                          0_10
    makeModel:                     "Oracle NVMe SSD"
    physicalFirmware:              8DV1RA13
    physicalInsertTime:            2016-09-28T11:29:13-07:00
    physicalSerial:                CVMD426500E21P6LGN
    physicalSize:                  1.4554837569594383T
    slotNumber:                    10
    status:                        failed

次に、Oracle Flash Accelerator F160 PCIeカードからの出力例を示します。

CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE DISKTYPE=flashdisk AND STATUS=failed DETAIL

         name:                   FLASH_5_1
         deviceName:             /dev/nvme1n1
         diskType:               FlashDisk
         luns:                   5_1
         makeModel:              "Oracle Flash Accelerator F160 PCIe Card"
         physicalFirmware:       8DV1RA13
         physicalInsertTime:     2016-11-30T21:24:45-08:00
         physicalSerial:         1030M03UYM
         physicalSize:           1.4554837569594383T
         slotNumber:             "PCI Slot: 5; FDOM: 1"
         status:                 failed

次に、Sun Flash Accelerator F40 PCIeカードからの出力例を示します。

         name:                   FLASH_5_3
         diskType:               FlashDisk
         luns:                   5_3
         makeModel:              "Sun Flash Accelerator F40 PCIe Card"
         physicalFirmware:       TI35
         physicalInsertTime:     2012-07-13T15:40:59-07:00
         physicalSerial:         5L002X4P
         physicalSize:           93.13225793838501G
         slotNumber:             "PCI Slot: 5; FDOM: 3"
         status:                 failed

PCIeカードの場合、nameおよびslotNumber属性は、PCIスロットおよびFDOM番号を示します。Extreme Flashストレージ・サーバーの場合、slotNumber属性は前面パネルのNVMeスロットを示します。

Oracle Exadata Database Machine X7以降のシステムでは、すべてのフラッシュ・ディスクがAdd-in-Card (AIC)方式でマザーボードのPCIeスロットに挿入されます。slotNumber属性は、EFストレージ・サーバーかHCストレージ・サーバーかを問わず、PCI番号およびFDOM番号を示します。

フラッシュ・ディスクの障害が検出されると、フラッシュ・ディスクとそのLUNで障害が発生したことを示すアラートが生成されます。アラート・メッセージには、PCIスロット番号とFDOM番号か、またはNVMeスロット番号が含まれています。これらの番号により、フィールド交換可能ユニット(FRU)が一意に識別されます。システムのアラート通知を構成している場合は、指定したアドレスにアラートが電子メール・メッセージで送信されます。

フラッシュ・ディスクの停止により、パフォーマンスの低下およびデータの冗長性が発生する場合があります。できるだけすぐに障害が発生したディスクを新しいフラッシュ・ディスクに交換する必要があります。フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、ストレージ・サーバーの有効なキャッシュ・サイズが縮小します。フラッシュ・ログにフラッシュ・ディスクを使用する場合、ディスクでフラッシュ・ログが無効になり、有効なフラッシュ・ログ・サイズが縮小します。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、FORCEオプションによってグリッド・ディスクに関連するOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスクがOracle ASMディスク・グループから自動的に削除され、リバランス操作でデータの冗長性のリストアが開始されます。

次の手順は、フラッシュ・ディスクのオンライン交換をサポートしていないHigh Capacityストレージ・サーバーでディスク障害が発生した場合にFDOMを交換する方法を示しています。Extreme Flashストレージ・サーバーでのNVMeドライブの交換は、物理ディスクの交換と同様に、前面パネルからNVMeドライブを取り外して新しいものを挿入するのみです。ストレージ・サーバーを停止する必要はありません。

  1. ストレージ・サーバーを停止します。Exadata Storage Serverのシャットダウンを参照してください
  2. PCI番号およびFDOM番号に基づいて、障害が発生したフラッシュ・ディスクを交換します。白色のロケータLEDが点灯し、影響を受けているストレージ・サーバーを特定できます。
  3. ストレージ・サーバーの電源を投入します。セル・サービスが自動的に開始されます。ストレージ・サーバーの起動の一環として、Oracle ASMですべてのグリッド・ディスクが自動的にONLINEになります。
  4. 次のコマンドを使用して、すべてのグリッド・ディスクが正常にオンラインになったことを確認します。
    CellCLI> LIST GRIDDISK ATTRIBUTES name, asmmodestatus
             data_CD_00_testceladm10     ONLINE
             data_CD_01_testceladm10     ONLINE
             data_CD_02_testceladm10     ONLINE
             ...
    

    すべてのグリッド・ディスクのasmmodestatusONLINEまたはUNUSEDになるまで待機します。

新しいフラッシュ・ディスクがシステムによって自動的に使用されます。フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、有効なキャッシュ・サイズが拡張します。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、グリッド・ディスクが新しいフラッシュ・ディスクに再作成されます。これらのグリッド・ディスクがOracle ASMディスク・グループの一部である場合、ディスク・グループの冗長性およびASM_POWER_LIMITパラメータに基づいて、ディスクがディスク・グループに追加され、データがリバランスされます。

関連項目: