8.6.6 Exadataストレージ・サーバーの更新の実行

Exadataストレージ・サーバーを更新するための準備で前提条件ステップを実行した後、実際の更新ステップを実行できます。

Exadataストレージ・サーバーに更新を適用するときには、次の点に注意してください。

  • シリアル・コンソールまたはILOM Webベースのコンソールを使用して、更新ユーティリティを起動しないでください。

    シリアル・コンソールには、stderrまたはstdoutへの書込みが試行されると、システムが停止するという既知の問題があります。シリアル・コンソールから更新を開始した場合には、更新が停止することがあります。

    次のコマンドからの出力がserialである場合は、シリアル・コンソールを使用しています。

    [root@dm01 ]# ./echo $consoletype
    
  • 必要に応じて、ILOM Webベースのコンソールを使用して、更新中にストレージ・サーバーを監視します。ILOM Webベースのコンソールは、トラブルシューティングが必要になった場合に使用する必要があります。

  • ストレージ・サーバーのILOMおよびシリアル・コンソールにアクセスするには、rootユーザーとしてILOMホスト名またはIPアドレスへのSSHを使用します。シリアル・コンソールを起動するには、次を実行します。

    start /SP/console
    

    停止するには、[Esc]キーと(を順に押します。

  • 更新手順またはロールバック手順ごとに新規ログイン・セッションを開始します。更新が適用されたのと同じログイン・セッションからロールバック手順を実行しないでください。ロールバック手順を実行したログイン・セッションから更新を実行しないでください。

  • 更新処理を中断しないでください。

  • ストレージ・サーバーをpatchmgrユーティリティ起動システムとして使用する必要がある場合は、更新のステージング領域として/opt/oracleを使用しないでください。このようにすると、更新が失敗し、ストレージ・サーバーが破損します。ステージング領域として/tmpディレクトリを使用してください。つまり、更新のファイルを/tmpに解凍します。

  • 更新処理中に、ストレージ・サーバーは必要に応じて自動的に再起動します。更新の適用中に、ストレージ・サーバーを再起動したり、電源を入れ直さないでください。

  • 書込み可能モードでログ・ファイルを編集したり、開かないでください。ログは、viewlessmoretailのいずれを使用しても表示できます。更新中にログ・ファイルを編集した場合には、更新処理が中断することがあります。

  • patchmgrセッションの終了時、patchmgr.stdoutログ・ファイルは個々のストレージ・サーバー・ログ・ファイルに分かれ、それぞれcell_name.logという形式で名前が付与されます。また、/var/log/cellosの内容が非アクティブなセル・パーティションから/var/log/cellos/inactive_partitionディレクトリにコピーされます。非アクティブなパーティションの場所を特定するには、次のコマンドを使用します。

    [root@dm01 ]# ./imageinfo -inactive -sys
    

更新の実行例:

Exadataデータベース・サーバーからrootとしてローリング方式で更新を実行するには、次のようにします。

[root@dm01 ]# ./patchmgr -cells ~/cell_group -patch -rolling -smtp_from "sender@somedomain.com" -smtp_to receiver@somedomain.com

Exadata以外のデータベース・サーバーからroot以外のユーザーとして非ローリング方式で更新を実行するには、次のようにします。

[oracle@nonExadataHost ]$ ./patchmgr -cells ~/cell_group -log_dir auto -patch -smtp_from "sender@somedomain.com" -smtp_to "receiver@somedomain.com"

更新の完了後、-cleanupオプションを使用してストレージ・サーバーをクリーン・アップし、すべての一時的な更新ファイルまたはロールバック・ファイルをクリーン・アップします。このオプションでは、失効した更新状態とロールバック状態をクリーン・アップし、ストレージ・サーバー上で最大1.5GBのディスク領域をクリーン・アップします。このオプションは、更新ユーティリティの停止した実行または失敗した実行を再試行する前に使用してください。詳細は、ステップ8を参照してください。