6.21 Oracle Linux KVMと組み合せたクライアント・ネットワークのVLANタグ付けの使用
このトピックでは、Oracle Linux KVMと組み合せたクライアント・ネットワークのタグ付けされたVLANインタフェースの実装について説明します。
Oracle Exadata上のOracle Linux KVMゲストで実行しているOracleデータベースは、Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)構成ツールで定義されたクライアントEthernetネットワークを介してアクセスされます。KVMホストとゲストの両方のクライアント・ネットワーク構成は、初期デプロイ中にOEDAインストール・ツールが最初にゲストを作成するときに自動的に実行されます。
次の図に、デフォルトの結合クライアント・ネットワーク構成を示します。
ネットワークは、次のように構成されます:
-
KVMホストでは、OEDAで定義されていてゲスト・クライアント・ネットワークへのアクセスが許可されているethスレーブ・インタフェース(たとえば、eth1とeth2またはeth4とeth5)が、検出、構成および起動されますが、IPは割り当てられません。
-
KVMホストでは、bondeth0マスター・インタフェースが構成され、起動されますが、IPは割り当てられません。
-
KVMホストでは、ブリッジ・インタフェースvmbondeth0が構成されますが、IPは割り当てられません。
-
KVMホストでは、特定のゲストのbondeth0インタフェースにマッピングされる仮想バックエンド・インタフェース(VIF)がゲストごとに1つ構成され、起動されますが、IPは割り当てられません。これらのVIFは、ブリッジ・インタフェースvmbondeth0の上部に構成されます。また、KVMホストのVIFインタフェースとそれに対応するゲストのインタフェースbondeth0との間のマッピングは、
vm.cfg
というゲスト構成ファイルで定義されます。このファイルは、/EXAVMIMAGES/GuestImages/guest name
にあります。
デフォルトのインストールでは、単一のbondeth0と対応するvmbondeth0ブリッジ・インタフェースは、前述で説明するようにKVMホスト内で構成されます。このbondeth0インタフェースはデフォルトのAccess VLANに基づいています。Access VLANに対して、bondeth0を構築するスレーブ・インタフェースで使用されるスイッチ上のポートが構成されます。
VLANタグ付けの使用
Exadataの仮想デプロイメントで、ゲスト全体でネットワーク分離を有効にするなど、クライアント・ネットワーク上の他のVLANにアクセスする必要がある場合、802.1QベースのVLANタグ付けにより解決できます。次の図に、VLANタグ付けをしたクライアント・ネットワーク構成を示します。
図6-2 VLANタグ付けをしたOracle Virtual EnvironmentのNICレイアウト

「図6-2 VLANタグ付けをしたOracle Virtual EnvironmentのNICレイアウト」の説明
ノート:
2020年3月のOEDAリリース以降、ブリッジ名の形式はvmbethXY.VLANID
になりました。ここで、XとYはスレーブ・インタフェースに関連付けられた数値識別子で、VLANIDはVLAN IDです。
これにより、以前に一部の状況で発生していた潜在的なネーミング競合が回避されます。
たとえば、新しいネーミング・スキームでは、前の図のブリッジの名前はvmbeth45.3005
、vmbeth45.3006
およびvmbeth45.3007
になります。
タグ付けされたVLANインタフェースをOracle Linux KVMと組み合せて手動で構成する手順は、My Oracle Supportのノート2710712.1を参照してください。