4.2 X9M以降のモデルのラックを使用したマルチラック配線の準備

ラックをまとめて追加して、システム容量およびパフォーマンスを向上できます。ラックを配線する場合、次の点に注意してください。

  • このドキュメントに示すケーブル長は、ラックが相互に隣接していると仮定します。ラックが隣接していない場合、上げ床に障害物がある場合、または頭上の配線を使用している場合は、長いケーブルが必要になることがあります。光ケーブルの場合、サポートされる最大ケーブル長は100 mです。銅ケーブルの場合、サポートされる最大ケーブル長は5 mです。

  • サーバー名にラック・ユニット番号を入れることをお薦めします。これで、診断中にサーバーを識別できます。

  • 追加ラック用のOracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)を完了すると、SCANアドレスが要求されます。ただし、元のラックのSCANアドレスが使用されるため、これらのSCANアドレスは使用されません。生成されたインストール・ファイルから新しいSCANアドレスを手動で削除してください。

  • ソフトウェア所有者のアカウント名およびグループ名とその識別子は、元のラックの名前および識別子と一致する必要があります。

  • 既存のディスク・グループに追加のグリッド・ディスクを使用する場合は、新しいラックのグリッド・ディスク・サイズが元のラックと同じであることを確認してください。

  • 14個までのラックを含むマルチラック構成の場合、RoCEネットワーク・ファブリックを相互接続するには、各ラックにスパイン・スイッチが存在する必要があります。

ラックを配線する前に、次のタスクを実行します:

  1. 配線するラックの数を決定します。

  2. ラックの接続に必要な部品を注文します。

    RoCEネットワーク・ファブリックを使用してOracle Exadataラックを拡張するには、追加するラックごとに、余分なケーブル、長いケーブル用のトランシーバ、およびRoCEネットワーク・ファブリックのスパイン・スイッチを注文する必要があります(必要な場合)。

    4つ以上のラックを接続する場合、または使用している環境でより長いケーブルが必要な場合は、追加の10mまたは15mのファイバ・ケーブル、および各終端を接続するための2つのQSFP28 SRトランシーバを購入する必要があります。長さが5mを超えるファイバ・ケーブルには、QSFP28 SRトランシーバが必要となります。

    14個までのラックを含むマルチラック構成の場合の、ラックの相互接続に必要なケーブルの概要を次の表に示します。

    ラック数 必要な3 mのケーブル 必要な5 mのケーブル 必要な10 mのケーブル 必要な15 mのケーブル

    2

    28

    28

    0

    0

    3

    28

    56

    0

    0

    4

    28

    71

    13

    0

    5

    28

    78

    34

    0

    6

    28

    87

    53

    0

    7

    28

    88

    80

    0

    8

    28

    91

    105

    0

    9

    28

    94

    130

    0

    10

    28

    95

    151

    6

    11

    28

    97

    168

    15

    12

    28

    99

    184

    25

    13

    28

    100

    196

    40

    14

    28

    100

    204

    60

  3. 次の道具を用意します。

    • ペン
    • メモ帳
    • 懐中電灯
    • ケーブルおよびラックのラベル
    • ケーブル・タイ(フック・アンド・ループ・ストラップをお薦めします)
  4. ラックの接頭辞のネーミング方法を決定します。たとえば、元のラックの接頭辞がdbm01の場合、2番目のラックの接頭辞にdbm02、3番目のラックの接頭辞にdbm03というように名前を付けます。

  5. ラックの一意なホスト名およびIPアドレスを確認します。ラックに相互接続されているすべてのサーバーに、一意な名前およびIPアドレスを使用する必要があります。

    サーバー名およびIPアドレスの表記規則は、次の場合に異なる可能性があります。

    • すべてのOracle Exadataラックの初期設置: システム・アドレスの割当ておよびホスト名を完全にする必要があります。

    • 新しいOracle Exadataラックが既存のクラスタに追加された場合: 新しいラック構成では、新しいOracle Exadataの一意のホスト名とIPアドレスを指定する必要があります。同じサブネットのIPアドレスは、既存のシステムと競合できません。

    • 2つの既存のOracle Exadataラックがまとめてクラスタ化された場合: Oracle Exadataラックに一意なホスト名およびIPアドレスがすでに割り当てられている場合またはクラスタ全体を再構成する必要がある場合のみ、ホスト名およびIPアドレスを割り当てることができます。マシンを同じサブネットに設定し、IPアドレスが競合しないようにする必要があります。

  6. 新しいサーバーのIPアドレスが同じサブネットにあり、現在インストールされているサーバーと重複しないことを確認します。

  7. sh verコマンドを使用して、元のスイッチのファームウェアが新しいスイッチと同じレベルにあることを確認します。

    すべてのスイッチで同じファームウェア・バージョンを使用することをお薦めしますが、必須ではありません。ファームウェアが同じレベルでない場合は、ファームウェア・パッチを適用して、スイッチを同じファームウェア・レベルにすることができます。

この項の残りのトピックでは、最大14つのラックを配線するための詳細な配線情報について説明します。