9.1.6 大量分析問合せおよび大量ロードのパフォーマンス高速化
大量の結合操作または集計操作がメモリーに適さず、ストレージにあふれさせる必要がある場合は、一時書込みおよび一時読取りを使用します。12.2.1.1.0より前のリリースのOracle Exadata System Softwareでは、一時書込みはフラッシュ・キャッシュでキャッシュされませんでした。一時書込みと後続の一時読取りは、どちらも、ハード・ディスクのみから行われていました。Oracle Exadata System Softwareリリース12.2.1.1.0では、一時書込みは、後続の一時読取りを同様にフラッシュ・キャッシュから実行できるよう、フラッシュ・キャッシュに送信されます。これにより、問合せが一時I/Oバウンドである場合に、一時にあふれる問合せが大幅に高速化されます。一定の問合せについて、パフォーマンスを最大で4倍高速化できます。これは、一時表領域全体をフラッシュに入れた場合に匹敵します。この機能を使用できるようにするためには、ライトバック・フラッシュ・キャッシュを有効にする必要があります。
Oracle Exadata System Softwareリリース12.2.1.1.0より前では、フラッシュ・キャッシュへの書込みにはサイズのしきい値がありました。128 KBを超えるほとんどの書込みは、ディスクに直接送られます。これは、これらの書込みがすぐに読み取られることが想定されていないためです。たとえば、直接ロード書込み、フラッシュバック・データベース書込み、アーカイブ済ログ書込みおよび増分バックアップ書込みは、フラッシュ・キャッシュを迂回します。Oracle Exadata System Softwareリリース12.2.1.1.0以降では、フラッシュ・キャッシュのアルゴリズムは、そのような大量の書込みによって優先度がより高いOLTPまたはスキャン・ワークロードが中断されない場合に、そのような大量の書込みをフラッシュ・キャッシュにリダイレクトするよう拡張されました。そのような書込みは、後でディスクがそれほどビジーでなくなったときにディスクにライトバックされます。この機能により、Oracle Exadata Storage Serverで、追加の予備フラッシュ容量およびI/O帯域幅を利用して全体的なパフォーマンスを向上させることができます。
この機能がV2およびX2ストレージ・サーバーを除くすべてのOracle Exadata Database Machineハードウェアでサポートされていることを覚えておいてください。X3およびX4ストレージ・サーバーでは、フラッシュ圧縮が有効になっている場合は、一時書込みおよび大量書込みのフラッシュ・キャッシングはサポートされません。
この機能に関連する新しい統計およびレポートに関するセクションが、12.1.0.2.0 2017年7月のDBBPおよび12.2.0.1.0 2017年10月のRURでも使用できるOracle Database 18c(18.1.0)の自動ワークロード・リポジトリ(AWR)レポートに追加されました。
最小要件:
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Oracle Exadata Database Machine X3-2以降
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Oracle Exadata System Software 12.2.1.1.0
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Oracle Database (次のいずれか):
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Oracle Database 11gリリース2 (11.2) (バグ24944847の修正が適用済)
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Oracle Database 12cリリース1 (12.1) — 12.1.0.2.0 2017年7月のDBBP
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Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1) — 12.2.0.1.0 2017年10月のRUR
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Oracle Database 18c (18.1.0)
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