7.3.4 セルの停止およびフラッシュ障害時のOLTP高可用性の拡張
Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0により、複数のストレージ・サーバーのフラッシュ・キャッシュのホット・データを部分的に複製することによって、フラッシュ・デバイスまたはストレージ・サーバーの障害後にアプリケーション・パフォーマンスが向上します。
セルがオフラインになるかフラッシュ・デバイスが失敗した場合、停止のためにプライマリ・ミラーが使用できないため、データベースは、読取り操作用のセカンダリ・ミラーを使用するようにIOをリダイレクトします。ただし、セカンダリ・ミラーは各セルのフラッシュ・キャッシュにないため、データベースはハード・ディスクからデータを読み取る必要があります。フラッシュ・キャッシュ・ミスが原因で、アプリケーションのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
この機能を使用すると、Oracle Exadata System Softwareは、フラッシュ・キャッシュに最も頻繁にアクセスされるOLTPデータのセカンダリ・ミラーをプリフェッチします。このプリフェッチはバックグラウンド・タスクとして実行されます。Oracle Exadata System Softwareは、フラッシュ・キャッシュ内のセカンダリ・ミラーを最適な方法で自動的に管理し、新しいアクティブなセカンダリ・ミラーがキャッシュ内のコールド・データを置換します。また、フラッシュ・デバイスを交換すると、この機能によって、新しいフラッシュ・デバイスにデータベースの読取り操作を行う前に、新しく交換されたフラッシュ・デバイスがより新しい(堅牢な)ものになります。したがって、この機能により、セルまたはフラッシュ・デバイスの障害時とフラッシュ・デバイスの交換時に、セカンダリ・ミラー・フラッシュ・キャッシュミスが著しく減少するるため、アプリケーション・パフォーマンスの高可用性が向上します。
この機能はOLTPワークロードにのみ有効です。Oracle Exadata System Softwareは、スキャン・データのセカンダリ・ミラーをキャッシュしません。また、この機能はライトバック・フラッシュ・キャッシュに対してのみ有効になります。ライトスルー・フラッシュ・キャッシュでは、セカンダリ・ミラー・キャッシュは実行されません。
最小要件:
- Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0
- Oracle Database 19c
- 大容量ストレージ・サーバー上のExadataライトバック・フラッシュ・キャッシュ
- Exadata Database Machine X6以上(フラッシュ・キャッシュ・サイズの要件のため)