4.9 ファイル・システムとExascaleストレージ間でのTDEキーストアのコピー

XSH cpコマンドあるいはESCLI putfileコマンドまたはgetfileコマンドを使用して、ファイル・システムとExascaleストレージ間で、Oracle Transparent Database Encryption (TDE)キーストア(ウォレット)ファイルをコピーすることは、どちらの方向でも正常にはできません。XSHまたはESCLIを使用して、ファイル・システムとExascaleボールト間でTDEキーストアをコピーする場合、Oracle Databaseでは結果のファイルを開くことができません。

次の手順の各例は、TDEキーストアをファイル・システムからExascaleボールトにコピーする方法を示しています。キーストアの場所を適切に変更することで、同じ手法を使用して、TDEキーストアをExascaleストレージからファイル・システムの場所にコピーすることもできます。

  1. TDEキーストアの目的のターゲット場所を使用するようにOracle Databaseを構成します。

    WALLET_ROOTデータベース・パラメータを目的のターゲット・キーストアの場所に設定します。TDEキーストアをExascaleにコピーする場合は、Exascaleボールト内の場所を指定します。

    次に例を示します:

    SQL> ALTER SYSTEM SET WALLET_ROOT=@MYVAULT/mydb/TDEWALLET SCOPE=SPFILE;
  2. 新しいキーストアの場所を使用するように、データベースを再起動します。
  3. データベース用に新しい(空の)キーストアを作成します。

    次に例を示します:

    SQL> ADMINISTER KEY MANAGEMENT CREATE KEYSTORE IDENTIFIED BY 'newKeystorePassword';
  4. 新しく作成したキーストアの場所を書き留めます。

    次に例を示します:

    SQL> SELECT wrl_parameter FROM v$encryption_wallet;
    
    WRL_PARAMETER
    --------------------------------------------------------------------------------
    @MYVAULT/mydb/TDEWALLET/tde/
  5. ソース・キーストアの内容を、新しく作成した(空の)キーストアにマージします。

    次の例では、ソース・キーストアはファイル・システム・ストレージ(/u01/app/oracle/admin/mydb/wallet/)にあり、新しく作成したキーストアは前のステップで指定された場所のExascaleストレージにあります。

    SQL> ADMINISTER KEY MANAGEMENT MERGE KEYSTORE '/u01/app/oracle/admin/mydb/wallet/'
             IDENTIFIED BY 'originalKeystorePassword'
           INTO EXISTING KEYSTORE '@MYVAULT/mydb/TDEWALLET/tde/'
             IDENTIFIED BY 'newKeystorePassword'
           WITH BACKUP;
  6. 新しいキーストアを開きます。

    次に例を示します:

    SQL> ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET KEYSTORE OPEN IDENTIFIED BY 'newKeystorePassword';