4.8 旧OracleリリースとのExascaleの使用

このトピックでは、Exascaleストレージを使用してOracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseの旧ソフトウェア・リリースをサポートするためのオプションの概要を示します。

Oracle Grid Infrastructure 23ai (リリース23.5.0)およびOracle Database 23ai (リリース23.5.0)以降では、Exascaleを使用すると、Oracle Grid Infrastructureの共有ファイル(OCRと投票ファイル)およびOracle Databaseファイル(データ・ファイル、制御ファイル、ログ・ファイルなど)をネイティブに格納および管理できます。ネイティブにサポートされているOracleソフトウェア・リリースとともにExascaleを使用すると、最適なシステム・パフォーマンスを実現するための全機能が有効になります。

ただし、Exascaleストレージを使用すると、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseの旧ソフトウェア・リリースをサポートできます。使用可能なオプションの概要を次に示します:

  • オプション1: Exascaleダイレクト・ボリューム(EDV)を使用します。

    このオプションでは、Oracle Grid Infrastructure共有ファイルに対してOracle Grid Infrastructureリリース23.5.0 (以降)およびネイティブのExascaleボールト・ストレージを使用します。

    EDVを使用すると、リリース23.5.0より前のOracle Databaseソフトウェアを使用するデータベースにストレージを提供できます。EDVは、次の2つの方法のいずれかで使用できます:

    • EDVアタッチメントをASMグリッド・ディスクとして使用すると、EDVストレージに基づいてASMディスク・グループを定義できます。結果のディスク・グループには、他のASMディスク・グループと同じ方法でOracle Databaseファイルを格納できます。

    • Oracle Advanced Cluster File System (ACFS)を使用すると、EDVストレージに基づいてクラスタ対応のファイル・システムを作成できます。結果のファイル・システムには、Oracle Databaseファイルの他、Oracle Databaseバイナリ、ログ・ファイルなどのファイルを格納できます。

    ノート:

    前述のいずれかの手法を使用すると、関連するOracleデータベースでは、Exadataスマート・スキャンなどのExadata Storage Serverオフロード機能を使用して、データベース処理をストレージ・サーバーにオフロードできません。

  • オプション2: Exascaleブロック・ボリュームおよびiSCSIを使用します。

    このオプションでは、Exascaleブロック・ボリュームをデータベース・サーバーまたは仮想マシン(VM)に公開する手段として、標準のiSCSIプロトコルを使用します。

    たとえば、iSCSIアタッチメントをASMグリッド・ディスクとして使用すると、Exascaleブロック・ストレージに基づいてASMディスク・グループを定義できます。結果のディスク・グループには、他のASMディスク・グループと同じ方法でOracle Databaseファイルを格納できます。

    ノート:

    このオプションを使用すると、関連するOracleデータベースでは、Exadataスマート・スキャンなどのExadata Storage Serverオフロード機能を使用して、データベース処理をストレージ・サーバーにオフロードできません。

  • オプション3: ExascaleおよびOracle ASMとともにハイブリッド・インストールを使用します。

    ハイブリッド・インストールでは、使用可能なExadataストレージのある部分はExascaleに割り当てられ、他の部分はOracle ASMに割り当てられます。この配置では、サポートされているOracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのリリースに対してExascaleをネイティブに使用できます。また、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseの旧リリースに対してOracle ASMをネイティブに使用できます。

    このオプションを使用すると、すべてのOracleデータベースでExadataスマート・スキャンなどのExadataスマート・ストレージ機能を最大限に活用できます。