1.2.12 データセット

Exascaleデータセットは、ボールト内のファイルの論理グループです。データセットの主な目的は、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureに関連付けられたファイルのストレージ使用率の追跡および管理を可能にすることです。

Exascaleは、概念的に階層ツリーに編成されたシステム定義のデータセットを自動的に作成および保守します。各データセットにはいくつかのファイルが直接含まれており、階層内の他のエンティティに相当する子データセットが間接的に含まれています。システム定義のデータセットの階層には、次のレベルがあります:

  1. Exascaleボールト

  2. Oracle Grid Infrastructure (GI)クラスタ

  3. Oracleマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)

  4. Oracleプラガブル・データベース(PDB)

一番下から順に、各PDBに属するファイルは個別のデータセットに含まれます。親CDBデータセットには、CDBに属するファイルと、関連するすべてのPDBデータセットが含まれます。GIクラスタ内のすべてのCDBは、GIレベルのデータセットにグループ化されており、Oracle Cluster Registry (OCR)や投票ファイルなどのGI固有のファイルも含まれます。階層の一番上にあるボールトレベルのデータセットには、ボールト内のストレージを消費するすべてのGIレベルのデータセットが含まれます。ボールト・レベルのデータセットは、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureに属していないファイルのデフォルト・コンテナでもあります。

システム定義の各データセットは、コンポジットIDによって識別されますが、これには階層内の関連するエンティティの一意の識別子が含まれます。たとえば、各ボールト・レベルのデータセットは、単にボールト名(@MYVAULTなど)で識別されます。しかし、PDBデータセットIDの形式は次のとおりです:

@Vault-name:GI-cluster-ID:CDB-ID:PDB-ID

システム定義の各データセットには名前もあります。データセット名は、関連するエンティティを組み合せたものでもありますが、GIクラスタ、CDBおよびPDBコンポーネントの(システム生成の一意の識別子ではなく)判読可能な名前が含まれます。たとえば、PDBデータセット名の形式は次のとおりです:

@Vault-name/GI-cluster-name:CDB-name.PDB-name