6.2.6.2 mkvault
ボールトを作成します。
用途
mkvaultコマンドは、Exascaleボールトを作成します。
構文
mkvault [@]vault [ --attributes attribute=value[,attribute=value] ... ]コマンド・オプション
mkvaultコマンドのオプションは、次のとおりです:
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vault: ボールトの名前を指定します。
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--attributes: オプションで、設定する属性を指定します。describe mkvaultコマンドを使用して、mkvaultで設定できるすべてのボールト属性の詳細を表示します。
使用上のノート
このコマンドを使用する際は、次の情報に注意してください:
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すべてのリソース・プロビジョニング属性のデフォルト値は、実質的に無制限です。そのため、リソース・プロビジョニング属性設定を指定せずに作成されたボールトは、Exascaleクラスタ内のすべてのリソースにアクセスできます。
設定可能なボールト固有のリソース・プロビジョニング属性のリストを次に示します:
spaceProvEF: 指定された量のEFストレージ領域をボールトにプロビジョニングします。spaceProvHC: 指定された量のHCストレージ領域をボールトにプロビジョニングします。iopsProvEF:EFストレージから指定された数のIOPSをボールトにプロビジョニングします。iopsProvHC:HCストレージから指定された数のIOPSをボールトにプロビジョニングします。flashCacheProv: 指定された量のフラッシュ・キャッシュ領域をボールトにプロビジョニングします。flashLogProv: ボールトにExadataスマート・フラッシュ・ログへのアクセス権がプロビジョニングされているかどうかを示すブール値(trueまたはfalse)。デフォルト値はtrueです。-
xrmemCacheProv: 指定された量のExadata RDMAメモリー・キャッシュ(XRMEMキャッシュ)領域をボールトにプロビジョニングします。この属性は、
HCストレージまたはEFストレージの(両方ではなく)一方を備えたシステムでのみ使用します。HCストレージとEFストレージを備えたシステムでは、次のメディア固有のXRMEMキャッシュ・プロビジョニング属性を使用します。 -
xrmemCacheProvEF:EFメディアに関連付けられた指定された量のXRMEMキャッシュ領域をボールトにプロビジョニングします。 -
xrmemCacheProvHC:HCメディアに関連付けられた指定された量のXRMEMキャッシュ領域をボールトにプロビジョニングします。
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消費前に、プロビジョニングされたすべてのリソースが論理的にプロビジョニングされます。たとえば、
spaceProvHC属性は、ボールトが消費できるHCストレージ領域の最大量を指定します。ただし、物理領域は、データがボールト内のファイルに書き込まれる際にのみ消費されます。 -
領域量を指定するには、次のようにします:
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バイト数を表す整数値を使用します。最大値は
4503599626321920です。 -
領域の値は、接尾辞
K、KB、M、MB、G、GB、T、TBを使用して指定します。接尾辞は、大/小文字が区別されません。 -
unlimitedを使用して、無制限の領域量を指定します。
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IOPSの数を指定するには、次のようにします:
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整数値を使用します。最大値は
4294967295です。 -
unlimitedを使用して、無制限のIOPS数を指定します。
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プロビジョニング属性の値を指定すると、ボールトは対応するストレージ・プールからプロビジョニングされたリソースを使用するよう制限され、他のストレージ・プールは実質的に無効になります。
対応するIOPSプロビジョニング属性(
iopsProvEFまたはiopsProvHC)を指定せずに領域プロビジョニング属性(spaceProvEFまたはspaceProvHC)を指定すると、ボールトは指定された領域を消費し、関連付けられたストレージ・プールで無制限のIOPSを使用できます。対応する領域プロビジョニング属性を指定せずにIOPSプロビジョニング属性を指定すると、ボールトは関連付けられたストレージ・プール内の領域を無制限に消費できますが、I/O帯域幅はIOPSプロビジョニング属性によって制限されます。
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キャッシュ・プロビジョニング属性(
flashCacheProv、xrmemCacheProv、xrmemCacheProvEFまたはxrmemCacheProvHC)の値として0(ゼロ)を指定すると、対応するキャッシュのボールトに対する使用が実質的に無効になります。
例
例6-65 無制限ストレージを使用したボールトの作成
次の例では、Exascaleクラスタ内のすべてのリソースに無制限にアクセスできるMYDATAという名前のボールトを作成します。
@> mkvault @MYDATA
例6-66 プロビジョニングされたストレージを使用したボールトの作成
次の例では、5 TBのHCストレージ領域がプロビジョニングされるMYDATA2という名前のボールトを作成します。結果のボールトには、無制限のIOPSが暗黙的にプロビジョニングされます。
@> mkvault @MYDATA2 --attributes spaceProvHC=5T
例6-67 プロビジョニングされたストレージを使用したボールトの作成
次の例では、EFおよびHCストレージ・メディアを使用するようにプロビジョニングされたMYDATA3という名前のボールトを作成します。EFストレージ・プールから、ボールトは10 TBのストレージ領域と無制限のIOPSを消費できます。HCストレージ・プールから、ボールトは無制限のストレージ領域と100000 IOPSを消費できます。
@> mkvault @MYDATA3 --attributes spaceProvEF=5T,iopsProvHC=100000
親トピック: ボールト管理