1.2.4 ストレージ・プール
Exascaleでは、プール・ディスクおよびストレージ・プールを使用して、Exadataストレージ・サーバーによって提供される物理ストレージを編成します。
Exascaleストレージ・プールは、Exascaleボールトおよびファイルに永続物理ストレージを提供するプール・ディスクのコレクションです。各ストレージ・プールは、1つのストレージ・メディア・タイプ(HCなど)のみを使用するプール・ディスクのコレクションです。ストレージ・プールは、メディア・タイプ(HCやEFなど)が混在するプール・ディスクで定義することはできません。
動作中のExascaleシステムには、ストレージ・プールが少なくとも1つ必要であり、多数のストレージ・プールを収容できます。ただし、Exascaleボールトが強力なデータ分離を提供するので、データ分離のために複数のストレージ・プールを定義する必要はありません。
ストレージ・プールには、様々な世代のExadataストレージ・サーバー・ハードウェアに存在するプール・ディスクを含めることができるため、新しい世代のExadataハードウェアに簡単に移行できます。
ストレージ・プールを動的に再構成するには、プール・ディスクのサイズを変更するか、プール・ディスク(またはExadataストレージ・サーバー)を追加または削除します。ただし、次の推奨事項に注意する必要があります:
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ストレージ・プールごとに、各ストレージ・サーバー内の使用可能なすべてのストレージ・デバイスに分散しているプール・ディスクを使用します。
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各ストレージ・サーバーで、ストレージ・プールに属するすべてのプール・ディスクに対して一貫したサイズ設定を維持します。ただし、ストレージ・プール内で、異なるストレージ・サーバー上のプール・ディスクのサイズは異なってもかまいません。
内部的に、ストレージ・プールには、ストレージ・プール・リングと呼ばれる個別の領域が含まれています。さらに、物理ストレージは、ディスク・パートナ・グループおよびセル・パートナ・グループと呼ばれる、プール・ディスクとそれに関連するストレージ・サーバーのより小さいグループに編成されます。
ディスク・パートナ・グループとセル・パートナ・グループは、複数の同時障害による潜在的な影響を限定することで、可用性を最大化します。これは、小規模グループ内での複数の同時障害の確率が、大規模システム全体における複数の同時障害の確率よりはるかに低いためです。また、異なるグループに影響する同時障害は、各グループ内で独立して処理できます。
さらに、Exascaleでは、データおよびリカバリ・ファイルに対して別個のストレージ・プール・リングが使用されます。ストレージ・プール・リングの構成により、データ・ファイル・エクステントおよび関連するリカバリ・ファイルが自動的に異なるディスク・パートナ・グループを使用することが保証されます。そのため、万一、1つのデータ・ファイルに複数の障害が影響した場合でも、対応するリカバリ・ファイルは引き続き使用できます。
ストレージ・プール・リングまたはセル・パートナ・グループおよびディスク・パートナ・グループの内部構成は、指定することも変更することもできません。ただし、Exascaleによってこれらの構成に関する情報は提供されるので、システムのモニタリングやストレージ障害シナリオの影響の理解に役立ちます。
関連トピック
親トピック: Exascaleのコンポーネントおよび概念