2.3.6 ディスク交換の処理

ディスクに問題がある場合は、物理ディスクのステータスが変更されます。

物理ディスクが取り外されると、ステータスはnot presentになります。物理ディスクのグリッド・ディスクにアクセスしようとした場合に、I/Oエラーが発生すると、Oracle ASMはグリッド・ディスクをオフラインにすることがあります。物理ディスクが交換されると、Oracle Exadata System Softwareでは、それぞれのOracle ASMディスク・グループで、その物理ディスクのグリッド・ディスクを自動的にオンラインにします。グリッド・ディスクがdisk_repair_time属性で指定した時間よりも長い時間オフラインの場合、Oracle ASMはそのグリッド・ディスクを強制的に削除し、リバランスを開始してデータの冗長性をリストアします。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata System Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。

次の表は、物理ディスクのステータスと、物理ディスクに問題が発生した場合にOracle ASMがグリッド・ディスクをどのように処理するかをまとめたものです。

表2-1 物理ディスクのステータス

物理ディスクのステータス Oracle Exadata System Softwareの処理

normal

ディスクは正常に動作しています。

処理なし。

not present

ディスクが削除されています。

Oracle Exadata System Softwareはディスクをオフラインにし、disk_repair_timeの上限を超えた場合にDROP ... FORCEコマンドを使用します。リバランス操作が開始されます。

predictive failure

ディスクに問題が発生しており、障害が発生する可能性があります。

Oracle Exadata System Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクをFORCEオプションを使用せずにOracle ASMから削除し、影響を受ける物理ディスク上のデータをリバランス操作で他のディスクにコピーします。

すべてのグリッド・ディスクがそれぞれのOracle ASMディスク・グループから正常に削除されたら、管理者はディスク交換に進むことができます。

critical

ディスクで障害が発生しました。

Oracle Exadata System Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクをDROP ... FORCEコマンドを使用してOracle ASMから削除し、リバランス操作でデータの冗長性をリストアします。

管理者は、ディスク交換にすぐに進むことができます。

このステータスは、リリース11.2.3.1.1以上に対してのみ使用可能です。

poor performance

ディスクのパフォーマンスが低下しています。

Oracle Exadata System Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクをFORCEオプションを使用してOracle ASMから削除しようとします。

DROP ... FORCEコマンドが成功すると、リバランス操作によりデータの冗長性のリストアが開始され、管理者はすぐにディスク交換に進むことができます。

オフライン・パートナによりDROP ... FORCEコマンドが失敗すると、Oracle Exadata System Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクをFORCEオプションを使用せずにOracle ASMから削除し、影響を受ける物理ディスク上のデータをリバランス操作で他のディスクにコピーします。

すべてのグリッド・ディスクがそれぞれのOracle ASMディスク・グループから正常に削除されたら、管理者はディスク交換に進むことができます。

物理ディスクが交換された後、Oracle Exadata System Softwareでは、交換用ディスク上にグリッド・ディスクを自動的に作成し、それぞれのOracle ASMディスク・グループに追加します。Oracle ASMのリバランス操作により、新しく追加されたグリッド・ディスクにデータが移動されます。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata System Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。