5.2.7 データベースおよびPDBのためのPMEMキャッシュ割当て制限の管理

ノート:

このトピックは、23.1.0より前のOracle Exadata System Softwareリリースにのみ適用されます。それ以外の場合は、「データベースおよびPDBXRMEMキャッシュ割当ての管理」を参照してください。

I/Oリソース管理(IORM)により、異なるデータベースとプラガブル・データベース(PDB)の間でPMEMキャッシュをどのように共有するかを制御できます。

これは、CDBリソース・プランのみ、またはI/Oリソース管理(IORM)データベース間プランと組み合せて使用できます。

NEWCDB CDBのデータベース内リソース・プランの例を考えてみます。プランでは、プランに記載されている3つのPDB用にmemory_minおよびmemory_limitを指定します。

次の点に注意してください:

  • memory_minおよびmemory_limitの値は、0から100の範囲のパーセンテージで指定されます。オーバー・プロビジョニングがサポートされているため、パーセンテージの合計は100%には制限されません。これらの値の合計が100%を超える場合、値はパーセンテージへと正規化されます。
  • memory_minが指定されていない場合は、デフォルトで0に設定されます。
  • memory_limitが指定されていない場合は、デフォルトで100に設定されます。
  • CDB$ROOT用には、5%のmemory_limit値があります。

次のコードは、データベース内プランの例を作成する方法を示しています。memory_min値の合計は40%で、memory_limit値の合計は正規化する必要のある175%です。データベース間プランが指定されていない場合、これらのパーセンテージがPMEMキャッシュのサイズ全体に適用されます。データベース間プランが指定されている場合、PDBの割当て制限は、データベース間プランのディレクティブで指定されたデータベース用のpmemcacheminpmemcachesize値のパーセンテージとして計算されます。

BEGIN
DBMS_RESOURCE_MANAGER.CREATE_PENDING_AREA();
 
DBMS_RESOURCE_MANAGER.CREATE_CDB_PLAN(
    plan    => 'NEWCDB_PLAN',
    comment => 'CDB resource plan for newcdb');
 
  DBMS_RESOURCE_MANAGER.CREATE_CDB_PLAN_DIRECTIVE(
    plan                  => 'NEWCDB_PLAN', 
    pluggable_database    => 'SALESPDB', 
    memory_min            => 20);
  DBMS_RESOURCE_MANAGER.CREATE_CDB_PLAN_DIRECTIVE(
    plan                  => 'NEWCDB_PLAN', 
    pluggable_database    => 'SERVICESPDB', 
    memory_min            => 20,
    memory_limit          => 50);
  DBMS_RESOURCE_MANAGER.CREATE_CDB_PLAN_DIRECTIVE(
    plan                  => 'NEWCDB_PLAN', 
    pluggable_database    => 'HRPDB', 
    memory_limit          => 25);
 
DBMS_RESOURCE_MANAGER.VALIDATE_PENDING_AREA();
DBMS_RESOURCE_MANAGER.SUBMIT_PENDING_AREA();
END;
/

前述の例で、データベース間プランを指定せず、PMEMキャッシュのサイズが10 GBの場合の、(memory_limitの値の合計が100%を超えたために)制限を正規化した後の割当て制限の内訳を次の表に示します。正規化後、最小値が対応する制限より大きくなった場合は、最小値は制限と等しくなるように減らされます。

表5-8 ケース1: データベース間プランがない場合のPDBのPMEMキャッシュの制限

PDB PMEMキャッシュの最小 PMEMの弱い制限 正規化済の弱い制限 PMEMの強い制限

SALESPDB

20% = 2 GB

100 (デフォルト)

100 / 175 * 10 GB = 5.71 GB

該当なし

SERVICESPDB

20% = 2 GB

50

50 / 175 * 10 GB = 2.85 GB

該当なし

HRPDB

0

25

25 / 175 * 10 GB = 1.42 GB

該当なし

次の例に、NEWCDB CDBを含むPMEMキャッシュ割当て制限のあるデータベース間プランを示します。

ALTER IORMPLAN dbplan=                                                                                       -
      ((name=newcdb, share=8, pmemCacheSize= 2G, flashCacheSize=10G),                                        -
       (name=finance, share=8, pmemCacheMin= 1G, pmemCacheLimit= 2G, flashCacheLimit=10G, flashCacheMin=2G), -
       (name=dev, share=2, pmemCacheMin= 100M, pmemCacheLimit= 1G, flashCacheLimit=4G, flashCacheMin=1G),    -
       (name=test, share=1))

newcdb CDBに加え、その他の3つのデータベース(financedevおよびtest)で同じストレージ・サーバーを共有します。PMEMキャッシュの割当て制限が強制されるのは、ディレクティブでpmemcachesizepmemcachelimitまたはpmemcachemin属性を指定した場合のみです。データベースtestにはPMEMキャッシュのディレクティブが指定されていません。したがって、そのデータベースおよびそのPDB (もしあれば)では、PMEMキャッシュの割当て制限は管理されません。

データベース間IORMプラン・ディレクティブのキャッシュ制限は、対応するCDBプランの設定を制約します。したがって、データベース間IORMプラン・ディレクティブでデータベースのpmemcacheminおよびpmemcachesize設定が指定されている場合、CDBプランでPDB固有のmemory_min割当て制限はpmemcachemin設定の一部になり、PDB固有のmemory_limit値はpmemcachesizeの一部になります。

ただし、データベース間IORMプラン・ディレクティブでpmemcacheminを指定せずにpmemcachesizeが指定されている場合、PDB固有のmemory_min設定は無視されますが、memory_limit設定は引き続きpmemcachesizeの一部になります。

したがって、newcdbのデータベース間IORMプラン・ディレクティブの例では、pmemcacheminなしでpmemcachesizeが指定されているため、CDBプランでPDB固有のmemory_min割当て制限が無視されます。次の表に、CDBプランの例をデータベース間IORMプランの例とともに適用した場合の有効なPMEMキャッシュ制限を示します。

表5-9 ケース2: データベース間プランがある場合のPDBのPMEMキャッシュの制限

PDB PMEMキャッシュの最小 PMEMの強い制限 正規化済の強い制限 PMEMの弱い制限

SALESPDB

0

100 (デフォルト)

100 / 175 * 2 GB = 1.14 GB

該当なし

SERVICESPDB

0

50

50 / 175 * 2 GB = 0.57 GB

該当なし

HRPDB

0

25

25 / 175 * 2 GB = 0.28 GB

該当なし

CDBデータベースの場合、pmemcachesizepmemcacheminおよびpmemcachelimitの値は絶対的な値として指定するため、追加の正規化は必要ありません。pmemcacheminは保証付きの予約であるため、pmemcacheminの合計は、すべてのディレクティブ全体でPMEMキャッシュの合計サイズより小さくする必要があります。