6.1.3 Exadataメトリック
Exadataメトリックは、Exadataシステム・ソフトウェアに関連する重要なプロパティまたは値の観測データを記録したものです。
Exadataメトリックには、ほとんどのExadataコンポーネントの詳細な統計が含まれます。ほとんどのメトリックは、ストレージ・サーバーとそのコンポーネント(Flash Cache、セル・ディスク、グリッド・ディスクなど)に関連しています。ストレージ・サーバーのメトリックを使用すると、Exadataストレージ・サーバーのパフォーマンスを詳細に監視できます。
メトリックには次のタイプがあります。
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累積メトリックは、メトリックが作成されてから、またはサーバーが再起動されてから一定期間累積される統計です。
たとえば、
CL_IO_RQ_NODATA
は、データを返さなかったI/Oリクエストの合計数です。 -
即時メトリックには、メトリックの観測時点の現在の値が含まれます。
たとえば、
CL_MEMUT
は、サーバー上の現在使用されている合計物理メモリーの割合です。 -
率メトリックは、値を経時的に観測する、計算された統計です。
たとえば、
N_NIC_KB_TRANS_SEC
は、サーバーのイーサネット・インタフェースを介して転送される1秒当たりのKB数です。
一部のメトリックでは、Small IOとLarge IOが区別されます。このようなメトリックの場合、Small IOは、サイズが128 KB以下のI/Oを意味します。Large IOは、サイズが128 KBを超えるものです。
デフォルトでは、メトリック収集は1分間隔で実行されます。デフォルト収集のメトリック観測データは、最初にメモリーに記録され、後でディスクベースのリポジトリに書き込まれます。ほとんどのメトリックについては、履歴観測データがデフォルトで7日間保持されます。ただし、一部のキー・メトリックは、最長で1年間保持されます。Oracle Exadata System Software 24.1.0以降では、最大1年間保持するメトリックを表示および制御できます。いかなる場合でも、ストレージ・サーバーがディスクベースのメトリック履歴リポジトリの領域不足を検出すると、Exadataは履歴メトリック観測データを自動的にパージします。
Oracle Exadata System Software 22.1.0以降では、オプションでファイングレイン・メトリックを構成できます。ファイングレイン・メトリックを有効にするには、1から60秒までの収集間隔を指定する必要があります。ファイングレイン収集に含めるメトリックを選択することもできます。ファイングレイン・メトリック収集は、リアルタイム・メトリック・ストリーミングの基盤です。そのため、外部のメトリック収集およびビジュアライゼーション・プラットフォームへの効率的なストリーミングをサポートするために、ファイングレイン・メトリックはメモリーにのみ記録されます。
Exadataのメトリック定義および観測データを表示するための主な手段としてCellCLI LIST
コマンドを使用できます。「メトリックの使用」を参照してください。ただし、Exadataのメトリックは各Exadataサーバー内で管理されるため、システム全体のビューを取得するには、その他の方法でメトリック観測データを収集して相互に関連付ける必要があります。
関連トピック
親トピック: Exadataの監視ツールおよび情報ソースの概要