6.3.3.1 AWRを使用したPMEMキャッシュの監視

ノート:

Oracle Exadata System Softwareリリース23.1.0以降をサポートするOracle Databaseバージョンでは、PMEMキャッシュへのすべての参照の名前がXRMEMキャッシュ(Exadata RDMAメモリー・キャッシュ)に変更されます。ただし、基礎となるOracle Exadata Storage ServerPMEMキャッシュが含まれている場合、AWRレポートのこれらの部分は引き続きPMEMキャッシュに対応しています。

自動ワークロード・リポジトリ(AWR)には、PMEM Cacheに関連する情報が含まれます。PMEM Cacheに関する情報を含むAWRレポートの最も一般的に使用されるセクションの説明と例を次に示します。管理者は、AWRレポートのこれらのセクションを確認することで、PMEM Cacheの操作を把握できます。

ストレージ・サーバーはRDMA I/Oを考慮できないため、PMEM Cacheの使用状況を把握するにはOracle Database統計が重要です。AWRレポートのExadata固有のセクションのPMEM Cache統計には、cellsrvによって処理されるI/O (RDMA I/Oではない)のみが含まれます。

AWRレポートには、後述のセクション以外に、PMEM Cache User WritesセクションおよびPMEM Cache Internal Readsセクションも含まれます。これらのセクションは、ライトバック・モードでのPMEM Cacheの使用に関連しているため、詳細には説明されていません(通常はお薦めしません)。

Database IOs

Database IOsのサマリーは、AWRレポートのSingle Block Readsセクションにあります。このサマリーには、PMEM Cacheの有効性に関する情報が含まれます。Single Block Readsセクションは、AWRレポートのExadata Statistics→Performance Summaryの下にあります。

次の例では、すべての読取りI/Oリクエストの大部分(約88%)がPMEMキャッシュに対するRDMA読取り(cell RDMA reads)を使用して、176,000/秒を超える速度で処理されます。残りのほぼすべては、非RDMAのPMEMキャッシュ読取り(cell xrmem cache read hitsまたはcell PMEM cache read hits)を使用して対応されますが、残りの読取りはExadataスマート・フラッシュ・キャッシュ(cell flash cache read hits)を使用して処理されます。それぞれのI/Oタイプのスループットは大きく異なっており、このことは、PMEMキャッシュおよびRDMAの能力を示しています。

図6-15 AWRレポート: Database IOs

この画像は、AWRレポートのSingle Block ReadsセクションのDatabase IOsサマリーの例を示しています。

PMEM Cache Configuration および PMEM Cache Space Usage

PMEM Cache Configurationセクションには、キャッシング・モード(ライトスルーまたはライトバック)および全体のサイズなどのサマリー情報が含まれます。PMEM Cache Space Usageセクションには、PMEM Cacheの領域使用量に関するサマリー統計が表示されます。

次の例は、PMEM Cacheがすべてのセルにライトスルー・モードで構成されており、その合計サイズが約1509 GBであることを示しています。

図6-16 AWRレポート: PMEM Cache Configuration

この画像は、AWRレポートのPMEM Cache Configurationセクションの例を示しています。

次のPMEM Cache Space Usageセクションの例では、172 GBのPMEM Cacheが3つのセルに均等に分散されていることを示しています。

図6-17 AWRレポート: PMEM Cache Space Usage

この画像は、AWRレポートのPMEM Cache Space Usageセクションの例を示しています。

PMEM Cache User Reads

PMEM Cache User Readsセクションには、読取りリクエスト、読取りスループットおよび読取り効率に関する情報が表示されます。ストレージ・サーバーはRDMA I/Oを考慮できないため、統計はcellsrvによって処理される非RDMA読取りにのみ関連しています。HitsはPMEM Cacheを使用して対応されたI/Oに対するもので、MissesはデータがPMEM Cacheになかったことを示しています。

図6-18 AWRレポート: PMEM Cache User Reads

この画像は、AWRレポートのPMEM Cache User Readsセクションの例を示しています。

PMEM Cache Internal Writes

PMEM Cache Internal Writesセクションには、Oracle Exadata System Softwareによって実行されるPMEM Cacheへの書込みが表示されます。内部書込みは、PMEM Cacheに移入するI/Oです。

図6-19 AWRレポート: PMEM Cache Internal Writes

この画像は、AWRレポートのPMEM Cache Internal Writesセクションの例を示しています。