9.8.3 スパース・ディスク・グループの使用率の監視

V$ASM_DISKビューおよびV$ASM_DISKGROUPビューには、仮想サイズとスパースASMディスク・グループの使用率に関する情報が含まれます。新しいビューV$ASM_DISK_SPARSEおよびV$ASM_DISKGROUP_SPARSEには、スパースASMディスク・グループの実際のサイズと使用率に関する情報が含まれます。V$ASM_DISK_SPARSEにもパフォーマンスと使用率のメトリックが含まれます。

次の表に、V$ASM_DISK_SPARSEの各列についての説明を示します。

表9-1 V$ASM_DISK_SPARSEの列および説明

説明

GROUP_NUMBER

ディスクを含むディスク・グループの番号。

DISK_NUMBER

このディスク・グループ内のディスクに割り当てられた番号。

INCARNATION

ディスクのインカネーション番号。

ALLOCATED_MAT_MB

ディスク上の使用済物理容量およびマテリアライズド容量の合計。

TOTAL_MAT_MB

ディスク上の物理容量の合計。

SPARSE_READS

ディスクの非マテリアライズド・リージョンのI/O読取りリクエストの合計。

SPARSE_BYTES_READ

ディスクの非マテリアライズド・リージョンから読み取ったバイト数の合計。

SPARSE_READ_TIME

スパース読取りI/O操作にかかった時間。

次の表に、V$ASM_DISKGROUP_SPARSEの各列についての説明を示します。

表9-2 V$ASM_DISKGROUP_SPARSEの列および説明

説明

GROUP_NUMBER

ディスク・グループに割り当てられたクラスタ全体の番号。

ALLOCATED_MAT_MB

ディスク・グループの使用済物理容量およびマテリアライズド容量の合計。

TOTAL_MAT_MB

ディスク・グループの物理容量の合計。

次の例は、特定のディスク・グループの使用済(割当て済)領域とディスクの合計領域を示しています。

SQL> select 
     DISK_NUMBER          dsk_num,
     ALLOCATED_MAT_MB     alloc,
     TOTAL_MAT_MB         total
from V$ASM_DISK_SPARSE
where GROUP_NUMBER = 5;
 
DSK_NUM    ALLOC      TOTAL
---------- ---------- ----------
         0       5536      57336
         1       5424      57336
         2       5532      57336
         3       5424      57336
         4       5424      57336

次の例のスパースASMグリッド・ディスクは、実際のサイズが56GB、仮想サイズが560GBで作成されています。V$ASM_DISKOS_MB列とTOTAL_MB列を問い合せると、仮想サイズが573440MB (573440MB / 1024 = 560GB) と表示されます。

SQL> select os_mb, total_mb from v$asm_disk where group_number=4;

     OS_MB   TOTAL_MB 
---------- ---------- 
    573440     573440 
    573440     573440 
    573440     573440 

V$ASM_DISK_SPARSETOTAL_MBを問い合せると、ASMグリッド・ディスクで使用可能な実際のサイズを確認できます。各ASMグリッド・ディスクには、スパースASMグリッド・ディスクに割り当てられている16GBごとに約2MBのメタデータ情報が格納されることに注意してください。この例ではグリッド・ディスク当たり56GBが割り当てられ、8MBの領域がスパース・ディスク・メタデータ用に確保されます(57336MB + 8MB = 57344MB / 1024 = 56GB)。

SQL> select total_mb from v$asm_disk_sparse where group_number=4; 

 TOTAL_MB 
--------- 
 57336 
 57336 
 57336