6.3.2.1 AWRを使用したXRMEMキャッシュの監視

自動ワークロード・リポジトリ(AWR)には、XRMEMキャッシュに関連する情報が含まれます。XRMEMキャッシュに関する情報を含むAWRレポートの最も一般的に使用されるセクションの説明と例を次に示します。管理者は、AWRレポートのこれらのセクションを確認することで、XRMEMキャッシュの操作を把握できます。

ストレージ・サーバーはRDMA I/Oを考慮できないため、XRMEMキャッシュの使用状況を把握するにはOracle Database統計が重要です。AWRレポートのExadata固有のセクションのXRMEMキャッシュ統計には、cellsrvによって処理されるI/O (RDMA I/Oではない)のみが含まれます。

Database IOs

Database IOsのサマリーは、AWRレポートのSingle Block Readsセクションにあります。このサマリーには、XRMEMキャッシュの有効性に関する情報が含まれます。Single Block Readsセクションは、AWRレポートのExadata Statistics→Performance Summaryの下にあります。

次の例では、すべての読取りI/Oリクエストの大部分(約88%)がXRMEMキャッシュに対するRDMA読取り(cell RDMA reads)を使用して、176,000/秒を超える速度で処理されます。残りのほぼすべては、非RDMAのXRMEMキャッシュ読取り(cell xrmem cache read hits)を使用して対応されますが、残りの読取りはExadataスマート・フラッシュ・キャッシュ(cell flash cache read hits)を使用して処理されます。それぞれのI/Oタイプのスループットは大きく異なっており、このことは、XRMEMキャッシュおよびRDMAの能力を示しています。

図6-10 AWRレポート: Database IOs

この画像は、AWRレポートのSingle Block ReadsセクションのDatabase IOsサマリーの例を示しています。

XRMEM Cache ConfigurationおよびXRMEM Cache Space Usage

XRMEM Cache Configurationセクションには、キャッシング・モード(ライトスルーまたはライトバック)および全体のサイズなどのサマリー情報が含まれます。XRMEMキャッシュ領域使用量セクションには、XRMEMキャッシュの領域使用量に関するサマリー統計が表示されます。

次の例は、XRMEMキャッシュがすべてのセルにライトスルー・モードで構成されており、その合計サイズが約1509 GBであることを示しています。

この画像は、AWRレポートのXRMEM Cache Configurationセクションの例を示しています。

この画像は、AWRレポートのXRMEM Cache Configurationセクションの例を示しています。

次のXRMEM Cache Space Usageセクションの例では、172 GBのXRMEMキャッシュが3つのセルに均等に分散されていることを示しています。

図6-12 AWRレポート: XRMEM Cache Space Usage

この画像は、AWRレポートのXRMRM Cache Space Usageセクションの例を示しています。

XRMEM Cache User Reads

XRMEM Cache User Readsセクションには、読取りリクエスト、読取りスループットおよび読取り効率に関する情報が表示されます。ストレージ・サーバーはRDMA I/Oを考慮できないため、統計はcellsrvによって処理される非RDMA読取りにのみ関連しています。ヒットはXRMEMキャッシュを使用して対応されたI/Oに対するもので、ミスはデータがXRMEMキャッシュになかったことを示しています。

図6-13 AWRレポート: XRMEM Cache User Reads

この画像は、AWRレポートのXRMEM Cache User Readsセクションの例を示しています。

XRMEM Cache Internal Writes

XRMEM Cache Internal Writesセクションには、Oracle Exadata System Softwareによって実行されるXRMEMキャッシュへの書込みが表示されます。内部書込みは、XRMEMキャッシュに移入するI/Oです。

この画像は、AWRレポートのXRMEM Cache Internal Writesセクションの例を示しています。