1.1 Oracle Exadata System Softwareの概要

Oracle Exadata Storage Serverは、Oracle Databaseデータを格納してそのデータにアクセスするために、Oracle Exadata System Softwareを実行する高度に最適化されたストレージ・サーバーです。

従来型のストレージでは、データはデータベース・サーバーに転送されて処理されていました。これに対し、Oracle Exadata System Softwareでは、SQLや他のデータベース処理をデータベース・サーバーからオフロードする機能など、データベース認識型ストレージ・サービスを利用できます。このサービスは、SQL処理とデータベース・アプリケーションに対して透過的に実行されます。Oracle Exadataストレージ・サーバーは、ストレージ・レベルでデータを処理し、必要な情報のみをデータベース・サーバーに渡します。

Oracle Exadata System Softwareは、ストレージ・サーバーとデータベース・サーバーの両方にインストールされます。Oracle Exadata System Softwareによって、SQL処理がデータベース・サーバーからストレージ・サーバーにオフロードされます。Oracle Exadata System Softwareでは、従来型のデータ移動に加えて、データベース・インスタンスから基礎となるストレージへ機能を移動することが可能です。機能の移動により、データベース・サーバーで必要なデータ処理の量が大幅に軽減されます。データ転送とデータベース・サーバー・ワークロードの削減は、帯域幅によって制約されることが多かった問合せ操作に非常に大きな効果をもたらします。データ転送の削減は、大規模なバッチ処理とレポート処理の操作を実行することが多いオンライン・トランザクション処理(OLTP)システムでもきわめて有効です。

Oracle Exadata Storage Serverのハードウェア・コンポーネントは、高いパフォーマンスの処理に対応できるように慎重に選択されています。Oracle Exadata System Softwareは、ハードウェア・コンポーネントを最大限に活用できるように最適化されています。各ストレージ・サーバーでは、ディスク上の格納データに対する処理で非常に高い帯域幅が提供され、従来の方法よりも数倍優れています。

Oracle Exadataストレージ・サーバーは、サーバーとストレージとの間で最先端のRDMAネットワーク・ファブリック・インターコネクトを使用します。各RDMAネットワーク・ファブリック・リンクは、InfiniBandネットワーク・ファブリックに対して40 Gb/s、RoCEネットワーク・ファブリックに対して100 Gb/sの帯域幅を提供します。さらに、インターコネクト・プロトコルでは、ダイレクト・メモリー・アクセス(DMA)とも呼ばれる直接データ配置を使用して、余分なデータ・コピーを作成せずにデータを回線からデータ・バッファに直接移動することで、CPUのオーバーヘッドを大幅に削減しています。RDMAネットワーク・ファブリックは、LANネットワークの柔軟性とともに、ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)の効率性を備えています。Oracle Exadataでは、RDMAネットワーク・ファブリック・ネットワークを使用することによって、パフォーマンスを低下させる可能性のあるネットワークのボトルネックをなくしています。このRDMAネットワーク・ファブリック・ネットワークでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)サーバー用の高いパフォーマンスのクラスタ・インターコネクトも提供されます。

ストレージ・サーバーには複数の構成があり、それぞれが要件に基づいてストレージの一部の側面を最大化するように構成されています。各ストレージ・サーバーには永続ストレージ・メディアが含まれており、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)とフラッシュ・デバイスが混在する場合があります。高容量(HC)ストレージ・サーバーには、プライマリ・データ・ストレージ用のHDDと、主にキャッシュの目的で使用される高パフォーマンスのフラッシュ・メモリーが含まれています。Extreme Flash (EF)ストレージ・サーバーは、最大のパフォーマンスを目指し、オールフラッシュ・ストレージ構成になっています。拡張(XT)ストレージ・サーバーは、オンライン・データ・アーカイブなどの拡張容量アプリケーションを対象とし、HDDのみが含まれています。HCおよびEFストレージ・サーバーには、Exadata RDMAメモリー・キャッシュ(XRMEMキャッシュ)用の追加メモリーも装備されており、リモート・ダイレクト・メモリー・アクセス(RDMA)を使用した高パフォーマンスのデータ・アクセスをサポートします。

Oracle Exadataアーキテクチャは、パフォーマンスを任意のレベルにスケールアウトします。より高いパフォーマンスとより大きなストレージ容量を達成するには、構成にストレージ・サーバー(セル)を追加します。ストレージ・サーバーの数に比例して容量が増加し、パフォーマンスも向上します。データはストレージ・サーバー間でミラー化されるため、ストレージ・サーバーで障害が発生してもデータや可用性が失われることはありません。スケールアウト・アーキテクチャによってほぼ無限のスケーラビリティが実現し、必要に応じてストレージを増設できるためコスト削減も可能になります。

ノート:

Oracle Exadata System SoftwareOracle Exadataストレージ・サーバーのハードウェアで使用する必要があり、Oracle Exadataデータベース・サーバー上のOracleデータベースのみをサポートしています。情報は次のMy Oracle Support

http://support.oracle.com

また、Oracle Technology Networkの製品ページでも確認できます

http://www.oracle.com/technetwork/index.html