CREATE_ARCHIVAL_BACKUP

このプロシージャは、すべてのバックアップ・ピースをユーザー入力で制限されたリカバリ・アプライアンスからテープにコピーし、保護されたデータベースをrestore_until_scnrestore_until_timeまたはrestore_pointで説明されているユーザーが指定した時点にリカバリできるようにします。

このAPIを使用してテープに作成されたバックアップは、KEEPバックアップであり、ユーザーが指定したkeep_until_timeまで保持されます。

アーカイブ・バックアップは、restore_pointおよびrestore_tagを使用して検証されます。restore_pointが指定されていない場合、内部的に生成されます。restore_tagが指定されていない場合、アーカイブ・バックアップのタグ値はrestore_point名と同じになります。

内部で生成されたrestore_point名の形式は、<KEEP_BACKUP_><yyyyMMddHH24miSS>です

ノート:

アーカイブ・バックアップを作成する前に、データベースでarchivelogモードがオンになっている必要があります。このコマンドでは、アーカイブ目的で完全に一貫性のあるバックアップの作成に必要なファイルを正しく計算するために、アーカイブ・ログが必要になります。

このAPIには、入力オプションに次の制限があります。

  • restore_pointが指定され、存在しない場合、指定されたrestore_point名で新しいrestore_pointが作成されます。この場合、restore_until_scnまたはrestore_until_timeのいずれかの追加入力を指定できますが、両方は指定できません。

  • restore_pointが指定され、restore_pointが存在する場合、ユーザーは追加入力パラメータを指定できません。

  • 指定したrestore_until_timeがデータベースのlow_timeおよびhigh_time内にない場合、このAPIはエラーを返します

  • restore_until_timeは、バックアップが必要になるまでの時間です。データベースのタイムゾーンは、テープにコピーするバックアップの決定に使用されるものであるため、指定する必要があります。同様に、keep_until_timeではデータベースのタイムゾーンも指定する必要があります。

  • restore_until_scnrestore_until_timeまたはrestore_pointがどれも指定されていない場合、アーカイブ・バックアップは、過去14日以内のリストア可能な最新のバックアップを選択することで作成されます。

  • 指定したdb_unique_nameデータベースのアーカイブ・バックアップを作成するためにrestore_tagがすでに使用されている場合、このAPIはエラーを返します。

構文

PROCEDURE CREATE_ARCHIVAL_BACKUP(
   db_unique_name IN VARCHAR2,
   from_tag IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   compression_algorithm IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   encryption_algorithm IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   restore_point IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   restore_until_scn      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   restore_until_time     IN TIMESTAMP WITH TIME ZONE DEFAULT NULL,
   attribute_set_name     IN VARCHAR2,
   format                 IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   autobackup_prefix      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   restore_tag            IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   keep_until_time        IN TIMESTAMP WITH TIME ZONE DEFAULT NULL,
   comments               IN VARCHAR2 DEFAULT NULL
   max_redo_to_apply      IN NUMBER DEFAULT NULL);

パラメータ

表21-9 CREATE_ARCHIVAL_BACKUPのパラメータ

パラメータ 説明

db_unique_name

保護されたデータベースのDB_UNIQUE_NAME。これが指定されていないか、この名前に関連付けられているこのデータベースの状態が有効でない場合、このAPIはエラーを返します。

from_tag

指定した場合、リカバリ・アプライアンスは、テープへのコピーにこのタグを使用しているバックアップのみを考慮します。無効なfrom_tagが指定されている場合、APIはエラーを返します。

compression_algorithm

バックアップがすでに圧縮されている場合、このパラメータは無視されます。それ以外の場合、出力バックアップ・ファイルは指定されたアルゴリズムを使用して圧縮されます。無効なアルゴリズムが指定されている場合、APIはエラーを返します。

BASIC: 優れた圧縮率であり、MEDIUMより低速になる可能性があります。

LOW: 速度に対して最適化されており、BASICより低い圧縮率になる可能性があります。

MEDIUM: ほとんどの環境に適しています。圧縮率と速度の優れた組合せが得られます。

HIGH: 制限要素が最大ネットワーク・スループットである低速なネットワークでの操作に最も適しています。最も高い圧縮レベルになりますが、CPUパフォーマンスに最も悪影響します。

OFF: 圧縮しません。

NULL: (デフォルト)圧縮アルゴリズムの既存の値が保持されます。

encryption_algorithm

バックアップがすでに暗号化されている場合、このパラメータは無視されます。

それ以外の場合、出力バックアップ・ファイルは指定されたアルゴリズムを使用して暗号化されます。

有効な値は、'AES128'、'AES192'、'AES256'、'OFF'、'CLIENT'または定数に相当するENC_OFF、ENC_AES128、ENC_AES192、ENC_AES256、ENC_CLIENTです。

ノート:

CLIENTまたはENC_CLIENTの値では、クライアントが暗号化されたバックアップを生成する必要があります。そうしないと、リカバリ・アプライアンスでクラウド・バックアップ・ジョブが失敗します。

restore_point

アーカイブ・バックアップを作成する、ユーザーが生成したリストア・ポイント名。無効なリストア・ポイント名を指定した場合、このAPIはエラーを返します。

restore_until_scn

アーカイブ・バックアップを作成する、ユーザーが指定したリカバリSCN。

restore_until_time

アーカイブ・バックアップを作成する、ユーザーが指定したリカバリ時間。データベースのタイムゾーンを指定します。

attributre_set_name

ユーザーが指定した属性セット名。無効なattribute_set_nameが指定されている場合、エラーを返します。

format

出力バックアップ・ピースのネーミング形式。このパラメータは、RMAN FORMATパラメータと同じルールに従います。nullの場合、デフォルトがqueue_sbt_backup_task APIによって定義されます。

autobackup_prefix

元の自動バックアップ名には、この接頭辞が付きます。

restore_tag

ユーザーが指定したアーカイブ・バックアップのタグ。nullの場合、アーカイブ・バックアップのタグ値はrestore_point名と同じになります。

keep_until_time

ユーザーが指定したアーカイブ・バックアップの保存時間。指定しない場合、アーカイブ・バックアップはKEEP FOREVERバックアップになります。データベースのタイムゾーンを指定します。

comments

このコマンドを実行する理由を説明する、オプションのユーザー指定コメント。

max_redo_to_apply

アーカイブ・バックアップの作成のためにREDOログを適用できる最大日数を示すユーザー指定のパラメータ。

restore_until_timeが指定されている場合は、データベースの完全バックアップが時間範囲[restore_until_time - max_redo_to_apply, restore_until_time]以内に存在する必要があります。

restore_until_scnまたはrestore_pointが指定されている場合や、パラメータが指定されていない場合は、現在の時間が使用され、時間範囲[SYSTIMESTAMP - max_redo_to_apply, SYSTIMESTAMP]以内に完全バックアップが存在する必要があります。

このパラメータに値が指定されていない場合の、max_redo_to_applyのデフォルトは14日になります。