現在のエンタープライズにおけるデータ保護の課題

現在のビジネスでの情報テクノロジの役割は、大きな転換期を迎えています。この転換を推し進める主な要因は次のとおりです。

  • データの増大

    多くの組織でデータの急激な増大が止まりません。このため、効率的なデータの管理と保護の必要性が高まっています。数十個のデータベースにふさわしい計画は、数百あるいは数千個のデータベースには適していない場合があります。多くの場合、これらは複数の物理サーバー上の様々なプラットフォームで稼働しています。

  • リアルタイム分析

    組織は、クリティカルなリアルタイム意思決定を行うためにデータ分析への依存度を増しています。このため、データ整合性を維持しデータ損失を防ぐことが求められています。

  • 連続的なグローバル対応の高可用性

    多くのデータベースは複数のタイムゾーンに対して24時間/週7日のアクセスを提供しています。つまり、データベースは絶えずアクティブな状態です。

「従来のデータベース・バックアップ方法」で説明した保護計画は、このような転換によって浮上した課題を解決するものではありません。エンタープライズは一貫したバックアップとリカバリの計画が欠けていたことを認識しています。従来のデータベース・バックアップ方法のほとんどまたはすべてに共通する欠点を次に示します。

  • データ損失の危険性

    データベースをリカバリできるのは、最も新しい有効なバックアップのみですが、それも数時間または数日前に作成されたものです。また、記憶域スナップショットとサードパーティ・アプライアンスは、Oracleデータ・ブロックを検証できず、Oracleブロックレベルの破損も検出できません。

  • バックアップ・ウィンドウの長さ

    データベースのサイズが大きくなると、バックアップ・ウィンドウも長くなり、本番システムの負荷が大きくなります。クリティカル・データベースは、毎日のバックアップやそれに伴う保守アクティビティにリソースを費やす余裕がありません。

  • バックアップの検証の欠如

    ほとんどのサードパーティ・バックアップ・スナップショットとリカバリ・アプライアンスには、Oracleに統合されているデータ・ブロックとデータベースのバックアップの検証機能がないため、リストアとリカバリの操作が失敗する可能性が高くなります。このような失敗によって停止時間が延長し、データ損失が拡大することもあります。

  • 総合的な視野の欠如

    データベースの数が急増すると、管理の容易性は低下します。バックアップ・スクリプトが増加して変化します。新しいDBAは、従来のスクリプトの実行内容の理解に苦労することがあります。特定のデータベースのステータス、バックアップの場所およびリカバリ・ポイントの目標(RPO)に関する質問に回答するのが難しくなります。

従来の方法では、大規模なエンタープライズのOracle環境の要求に応える、包括的で効率の高いOracle統合データ保護ソリューションは提供されません。新しいアプローチが求められています。