Oracleのリカバリ・アプライアンス・ソリューション

リカバリ・アプライアンスは、エンタープライズ全体のすべてのOracleデータベースを保護するように設計された、クラウド規模のエンジニアド・システムです。データベースのバックアップとリカバリのほとんどの処理は、集中管理されるリカバリ・アプライアンスで実行され、記憶域使用率、パフォーマンスおよびバックアップの管理性が向上します。

リカバリ・アプライアンスは、RMANの永久的増分計画を使用して、複数のOracle Databaseのバックアップを1つの統合ディスク・プールで格納および管理します。リカバリ・アプライアンスは、データベース・ブロック・レベルで継続的にバックアップの圧縮、重複解除および検証を行い、一方ではオンデマンドで仮想完全バックアップを作成します。

仮想完全バックアップは、1つのポイント・イン・タイムでの完全なデータベース・イメージです。リカバリ・アプライアンスによる保護データベースの増分バックアップのインデックス化を通じて、仮想完全バックアップは効率よく管理されます。仮想完全バックアップは、受け取ったどの増分バックアップにも対応できます。

図1-5に、サンプルのリカバリ・アプライアンス環境の概要を示します。

図1-5 リカバリ・アプライアンス環境

図1-5の説明が続きます
「図1-5リカバリ・アプライアンス環境」の説明

図1-5に示すように、保護データベースはデータをリカバリ・アプライアンスにバックアップするクライアント・データベースです。各保護データベースは、バックアップのためにZero Data Loss Recovery Applianceバックアップ・モジュール(リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュール)を使用します。このモジュールは、RMANがネットワークを介したバックアップ・データのリカバリ・アプライアンスへの転送に使用する、Oracle提供のSBTライブラリです。

リカバリ・アプライアンス・メタデータ・データベース(各リカバリ・アプライアンスに存在する)は、RMANリカバリ・カタログに格納されるメタデータと、リカバリ・アプライアンスの記憶域の場所にあるバックアップを管理します。このカタログは、すべての保護データベースがバックアップをリカバリ・アプライアンスに送信するために必要です。

ノート:

データベースは、リカバリ・アプライアンスをバックアップ・リポジトリとしては使用せずに、リカバリ・カタログとして使用できます。

管理者は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)を使用して環境を管理およびモニタリングします。Cloud Controlでは、バックアップが存在する場所(ディスク、テープまたは別のリカバリ・アプライアンス)にかかわらず、各データベースのバックアップ・ライフサイクル全体を一目で把握することができます。

リカバリ・アプライアンスには、次のメリットがあります。