データベースの保護解除とクリーン・アップ

このタスクでは、データベースのリカバリ保護が不要になった場合に、データベースの登録解除およびリカバリ・アプライアンスからのバックアップ・ファイルの削除のプロセスを完了する方法を示します。リカバリ・アプライアンスはデルタ・バックアップ・ピースを使用してほとんどのリカバリ作業を実行しますが、リアルタイムREDOログのターゲットとして登録することでデータ損失ゼロを実現します。

データベースのリカバリ保護が不要になった場合、データベースおよびリカバリ・アプライアンスに適切な構成の変更が必要です。これらの変更は、次のとおりです:

  • データベースがREDOログをリカバリ・アプライアンスに送信しないようにします。
  • データベースがバックアップを生成しないようにします。
  • リカバリ・アプライアンスからデータベースの古いバックアップ・ファイルを削除します(数日のプロセス)。
  • 今後データベースのバックアップを保存しないようにリカバリ・アプライアンスに通知します。

RMANでは、アーカイブ・ログを複数の宛先に送信することがサポートされています。log_archive_dest_1はローカル・ディスク・ドライブへのバックアップで、log_archive_dest_2からlog_archive_dest_30は物理スタンバイ・サーバーやリカバリ・アプライアンスなどの他の宛先に対して構成できます。RMANは、別のテープ・バックアップ・デバイスとしてリカバリ・アプライアンスを表示します。

リアルタイムREDOトランスポートの無効化

このタスクでは、リカバリ・アプライアンスへのREDOログの転送を停止するようにデータベースを構成します。

リカバリ・アプライアンスはデルタ・バックアップ・ピースを使用してほとんどのリカバリ作業を実行しますが、リアルタイムREDOログのターゲットとして登録することでデータ損失ゼロを実現します。したがって、データベースでリカバリ保護が不要になった場合は、REDOトランスポートをオフにする必要があります。
  1. Enterprise Managersysmanまたは同等のターゲット・レベル・アクセスとしてログインします。
  2. 保護が必要なくなったデータベースに移動します。この例では、名前は"cont001_"で始まります。
  3. 「バックアップ設定」領域および「デバイス」タブで、データベースに関連付けられているリカバリ・アプライアンスを選択します。
  4. 「リアルタイムREDOトランスポートの有効化」のチェック・ボックスの選択を解除します。

図5-4 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化

図5-4の説明は図の下のリンクをクリックしてください。
「図5-4 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化」の説明

バックアップの無効化

このタスクでは、データベースのリカバリ保護が不要になった場合に、デルタ・バックアップ・ピースをリカバリ・アプライアンスに送信しないようにデータベースを構成します。

このステップでは、RMANとEnterprise Managerを切り換えながら、構成の内容をハイライト表示します。

  1. (オプション)RMANにログインして、次のコマンドを発行します。
    RMAN> show all;

    出力には、次のエントリのようないくつかの構成済オプションがリストされます。

    CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' FORMAT '%d_%u' PARMS
    "SBT_LIBRARY=/u01/app/oracle/product/18.0.0.0/dbhome_1/lib/librs.so,
    SBT_PARMS=[RA_WALLET='location-file:/u01/app/oracle/product/18.0.0.0/dbhome_1/dbs/zdlra
    credential_alias=<yourRA_01>:1521/zdlrax5:dedicate;)";
  2. 同じデータベースを参照しているEnterprise Managerセッションから、「構成のクリア」ボタンをクリックします。この例では、データベース名は"cont001_"で始まります。

    図5-5 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化

    図5-5の説明が続きます
    「図5-5 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化」の説明

    これによりSBT_TAPE (テープ・ライブラリ)チャネル構成が削除されます。

RMANに戻って同じコマンドを発行した場合。

RMAN> show all;

出力には、リカバリ・アプライアンスに使用されたSBT_TAPEチャネル・デバイスのエントリが含まれなくなりました。

リカバリ・アプライアンスからのデータベースの登録解除

データベースのリカバリ保護が不要になった場合、リカバリ・アプライアンスからデータベースを登録解除するコマンドを発行すると、その古いバックアップ・ファイルも削除されます。バックアップ・ファイルの削除が完了するまで長時間を要するため、バックグラウンドで実行する必要があります(wait = false)。

  1. rasysとしてsqlplusにログインします。
    [yourRA_01 ~]$ sqlplus rasys
  2. 次のAPIコールをyourDBnameデータベースの名前で発行します。
    SQL> exec dbms_ra.delete_db( 
    db_unique_name =>'yourDBname', 
    wait=> FALSE); 
    
    PL/SQL procedure successfully completed. 

バックグラウンドでリカバリ・アプライアンスからバックアップ・データを削除するには、数日かかる可能性があります。

一方、yourDBnameデータベースはリカバリ・アプライアンスへのバックアップを許可されなくなりました。