EPM Cloudの共有メンバーのズーム・イン

データ・ソース・タイプ: Enterprise Profitability and Cost ManagementFinancial Consolidation and CloseフリーフォームPlanningTax Reporting

16.12以前は、Oracle Enterprise Performance Management Cloudは共有メンバーをサポートしていませんでした。メンバーがアド・ホック・グリッドに配置されたときには、共有メンバーにすると想定していたとしても、そのメンバーは常に基本メンバーとみなされていました。

EPM Cloud 17.01以降では、アド・ホック・グリッド内の共有メンバーがサポートされ、メンバーが基本メンバーであるか共有メンバーであるかが認識されます。管理者がアプリケーション設定「アド・ホックでの共有メンバーに対するドリルダウンを許可」を有効にした場合、Oracle Smart View for Office (17.04以降)で共有メンバーへのズーム・インがサポートされます。この場合、共有メンバーのズーム・インは、それに対応する基本メンバーのズーム・インと実質的に同じになります。一度に1つのレベルずつ共有メンバーにズーム・インできます。

管理者がアプリケーション設定「ベースのすべてのレベルにドリル」 (21.09以降)を有効にし、標準モードのアプリケーションを操作している場合、ズーム・イン・オプションの「すべてのレベル」および「最下位レベル」を使用して、基本階層内の共有メンバーのみでなくすべてのレベルまたは最下位レベルのみにズーム・インできます。

ノート:

アプリケーションの「ベースのすべてのレベルにドリル」チェック・ボックスが有効な場合、複数メンバーのズーム機能はサポートされません。

共有メンバーのズーム例のシナリオについては、次のトピックを参照してください:

例: 共有メンバーのズーム・インおよび抑制

この例では、アプリケーションが標準モードに設定され、「アド・ホックでの共有メンバーに対するドリルダウンを許可」「はい」に設定され、「ベースのすべてのレベルにドリル」が有効になっている場合に表示される結果と、Smart Viewで抑制オプションを有効化および無効化するとどうなるかについて説明します。

Smart Viewでは、「行の抑制」および「列の抑制」「データなし / 欠落」オプションが選択され、共有メンバーに対してレベル0のメンバーの組合せにデータがある場合、ユーザーは階層の最下位メンバーにズーム・インできません。

たとえば次のようになります:

Entity 10 (base member)
   Entity_10.1

Entity 14
   [entity_14].[entity_10] (shared member)

Smart Viewで抑制オプションが無効になっている場合、ズーム・インは予想どおりに機能します。

Smart Viewで抑制オプションが有効になっている場合、データベースの再帰的な問合せがサポートされていないため、ズーム・インはサポートされません。Entity_10.1が欠落しています。結果を次に示します:

Entity_14
   [entity_14].[entity_10]

EPM Cloudビジネス・プロセスでは、階層のレベル0で共有メンバーにズーム・インするときに正しく機能するために、Smart View抑制オプションが無効になっている必要があります。

例: すべてのレベルまたは最下位レベルにズーム・インする共有メンバー

この例では、アプリケーションが標準モードに設定され、「アド・ホックでの共有メンバーに対するドリルダウンを許可」「はい」に設定され、「ベースのすべてのレベルにドリル」が有効になっている場合に表示される結果について説明します。

図9-6に、Entityディメンションの下の3つの階層を示します。entity_10階層では、すべてのメンバーがentity_10の子孫です。entity_12階層では、すべてのメンバーがentity_12の子孫です。entity_14階層には、entity_14の子孫のメンバーと、共有メンバーentity_10およびentity_12もあります。共有メンバーはその子孫も含みます。

図9-6 階層を表示するEntityディメンション

共有メンバー階層を含む、Entityディメンションおよびその階層

図9-7に、entity_14へのズーム・インの差異を示します:

  • すべてのレベルへのズーム・イン・コマンドを使用

  • 最下位レベルへのズーム・イン・コマンドを使用

どちらの場合も、Smart Viewで、「メンバー・オプション」「祖先の位置」「上位」に設定されています。

図9-7 「祖先の位置」が「上位」のentity_14へのズーム・インの結果

「すべてのレベル」オプションおよび「最下位レベル」オプションを使用した、共有メンバーへのズーム・インの結果を示す階層構造

ノート:

ネイティブ・モード・アプリケーションでは、「アド・ホックでの共有メンバーに対するドリルダウンを許可」「はい」に設定され、「ベースのすべてのレベルにドリル」が無効な場合は、すべてのレベルへのズーム・インの例に示された結果を得ることができます。ただし、各階層の最下位レベルに達するまで、一度に1つのレベルずつ共有メンバーにズーム・インする必要があります。共有メンバーの最下位レベルに直接ズーム・インすることはできません。