8.8 Oracle GoldenGate for Distributed Applications and AnalyticsによるAzure Event Hubsへのリアルタイム・メッセージ取込み

概要

このクイックスタートでは、Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analytics (GG for DAA)を使用してリアルタイムでAzure Event Hubにメッセージを取り込む方法を手順を追って説明します。

Azure Event Hubsは、大量のメッセージをストリーミングできるクラウド・ネイティブ・データ・ストリーミング・サービスです。Azure Event Hubsでは、イベント・ハブ上にApache Kafkaエンドポイントが提供されます。これにより、ユーザーが、Kafkaプロトコルを使用してそのイベント・ハブに接続できるようになります。

GG for DAAでは、KafkaハンドラでAzure Event Hub Apache Kafkaエンドポイントに接続します。GG for DAAにより、証跡ファイルからソース操作が読み取られ、それらがフォーマットされ、Azure Event Hubsにマップされ、配信されます。

8.8.1 前提条件

このクイックスタートを正常に完了するには、次のものが必要です:

  • Azure Event Hubsネームスペース
  • Azure Event Hubsネームスペース用の共有アクセス・ポリシー
このクイックスタートでは、GG for DAAに付属のサンプル証跡ファイル(trという名前)を使用します。サンプル証跡ファイルは、GG for DAAインスタンスのGG_HOME/opt/AdapterExamples/trail/にあります。

8.8.2 依存性ファイルのインストール

GG for DAAでは、Azure Event Hubs用にApache Kafkaクライアント・ライブラリが使用されます。それらのSDKは、GG for DAAに付属の依存性ダウンローダ・ユーティリティを使用してダウンロードできます。依存性ダウンローダは、Mavenおよび他のリポジトリから依存性jarファイルをダウンロードするシェル・スクリプトのセットです。

  1. GG for DAA VMで、依存性ダウンローダ・ユーティリティに移動します。それはGG_HOME/opt/DependencyDownloader/にあります。kafka.shを見つけてください。
  2. 必要なバージョンを指定してkafka.shを実行します。バージョンおよび報告されている脆弱性は、Maven Centralで確認できます。このドキュメントでは、このクイックスタートの公開時の最新バージョンである3.7.0を使用しています。

    図8-51 kafka.shの実行

    kafka.shの実行
  3. 新しいディレクトリが/u01/app/ogg/opt/DependencyDownloader/dependencies/kafka_3.7.0に作成されます。

8.8.3 Azure Event Hubs用のproducer.propertiesの作成

GG for DAAインスタンスで、producer.propertiesというファイルを作成し、次の構成をコピーします。

bootstrap.servers=<namespace>.servicebus.windows.net:9093
security.protocol=SASL_SSL
sasl.mechanism=PLAIN
sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule  required username="$ConnectionString" password=" Endpoint=sb://mynamespace.servicebus.windows.net/;SharedAccessKeyName=RootManageSharedAccessKey;SharedAccessKey=XXXXXXXXXXXXXXXX";
value.serializer = org.apache.kafka.common.serialization.ByteArraySerializer
key.serializer = org.apache.kafka.common.serialization.ByteArraySerializer
詳細は、Azure Event Hubの共有アクセス・キーを参照してください。

8.8.4 Oracle GoldenGate for Distirbuted Applications and AnalyticsでのReplicatの作成

Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analytics (GG for DAA)でReplicatを作成するには:

  1. GG for DAA UIの「管理サービス」タブで、「+」記号をクリックしてReplicatを追加します。

    図8-52 「管理サービス」タブの「+」をクリックします。

    「管理サービス」タブの「+」をクリックします。
  2. 「Replicatタイプ」で「クラシックReplicat」を選択し、「次」をクリックします。クラシックと調整済という2つの異なるReplicatタイプを使用できます。クラシックReplicatは単一のスレッド・プロセスですが、調整済Replicatは、トランザクションをパラレルに適用するマルチスレッド・プロセスです。

    図8-53 Replicatの追加

    Replicatの追加
  3. 基本情報を入力し、「次へ」をクリックします:
    1. Replicatトレイル: 必要な証跡ファイルの名前(サンプル証跡を使用している場合は、trと指定します)
    2. サブディレクトリ: サンプル証跡を使用する場合は、GG_HOME/opt/AdapterExamples/trail/と入力します。
    3. ターゲット: Kafka

    図8-54 Replicatオプション

    Replicatオプション
  4. 「管理対象オプション」はそのままにして、「次」をクリックします。

    図8-55 管理対象オプション

    管理対象オプション
  5. 「パラメータ・ファイル」の詳細を入力し、「次へ」をクリックします。「パラメータ・ファイル」では、ソースからターゲットへのマッピングを指定するか、ワイルドカード選択のままにしておくことができます。

    図8-56 パラメータ・ファイル

    パラメータ・ファイル
  6. 「プロパティ・ファイル」で、TODOとマークされているプロパティを更新し、「作成および実行」をクリックします。
    #Kafka Handler Template
    gg.handlerlist=kafkahandler
    gg.handler.kafkahandler.type=kafka
    #TODO: Set the name of the Kafka producer properties file.
    gg.handler.kafkahandler.kafkaProducerConfigFile=/path_to/producer.properties
    #TODO: Set the template for resolving the topic name.
    gg.handler.kafkahandler.topicMappingTemplate=<target_event_hub_name>
    gg.handler.kafkahandler.keyMappingTemplate=${primaryKeys}
    gg.handler.kafkahandler.mode=op
    gg.handler.kafkahandler.format=json
    gg.handler.kafkahandler.format.metaColumnsTemplate=${objectname[table]},${optype[op_type]},${timestamp[op_ts]},${currenttimestamp[current_ts]},${position[pos]}
    #TODO: Set the location of the Kafka client libraries.
    gg.classpath=path_to/dependencies/kafka_3.7.0/*
    jvm.bootoptions=-Xmx512m -Xms32m
    
    GG for DAAでは、テンプレート・キーワードによる動的トピック・マッピングがサポートされています。たとえば、topicMappingTemplate${tablename}として割り当てた場合は、GG for DAAにより、ソース表ごとに、ソース表名でイベント・ハブが作成され、イベントがこれらのトピックにマップされます。

    keyMappingTemplate=${primaryKeys}を使用することをお薦めします。この場合は、GG for DAAにより、pkが同一のソース操作が、同じパーティションに送信されます。これにより、Azure Event Hubsへの配信中にソース操作の順序を維持できるようになります。
  7. Replicatが正常に起動すると、実行状態になります。「アクション」/「詳細」/「統計」に移動して、レプリケーション統計を確認できます。

    図8-57 Replicatの統計

    Replicatの統計
  8. Azure Event Hubコンソールに移動して統計を確認できます。

    図8-58 Azure Event Hubコンソール

    Azure Event Hubコンソール

Azure Event Hubレプリケーションの詳細は、「Apache Kafka」を参照してください。

ノート:

  • ターゲットのkafkaトピックが存在しない場合は、OCIストリーミングのKafka接続設定で自動トピック作成が選択されていると、GG for DAAによってそれが自動作成されます。テンプレート・キーワードを使用してトピック名を動的に割り当てることができます。
  • OCIストリーミング・レプリケーションのパフォーマンスを高めるには、ブログを参照してください。