3.1.12 TuxJESキュー・システム
z/OS JES2システムをエミュレートするために、TuxJESシステムは、キュー機構を使用してバッチ・ジョブのライフサイクルを管理します。すべてのキューは、JES2QSPACE
と呼ばれる1つのキュー・スペースに作成されます。バッチ・ジョブは、次の表にリストされたキューにあり、またはそこに転送されるメッセージによって表されます。
表3-8 TuxJESキュー
キュー | 説明 |
---|---|
JCL変換キュー | JCLジョブがTuxJESシステムに送信されると、まずJCL変換キューに入れられます。システムに、JCL変換キューは1つのみ存在します。変換されたJCLジョブは、JCL変換キューから変換キューに移動されます。キュー内のジョブは、FIFO順に処理されます。
キュー名: CONV_JCL |
変換キュー | バッチ・ジョブがTuxJESシステムに送信されると、まず変換キューに入れられます。システムには、変換キューは1本だけ存在します。変換されたジョブは、変換キューから実行キューに移動されます。キュー内のジョブは、FIFO順に処理されます。
キュー名: CONV |
ExecGroupキュー | このキューは、jesconfigファイル内でNJESUPPORTが有効な場合に必要です。このキューは、ジョブが実行キューにあるときに、各ジョブのマッピングとその実行グループを保持します。
キュー名: EXECGRP |
保留キュー | ジョブがHOLD状態(JCLHOLDまたはHOLD)の場合、保留キューに入れられます。解放されると、typrunパラメータに基づいて、変換キューまたは待機キューに移動されます。
キュー名: HOLD |
実行キュー | 36のジョブ・クラス(A - Zおよび0 - 9)があります。ジョブには、0 - 15の優先度値もあります。ジョブは、ジョブ・クラスと優先度に基づいてスケジュールされます。1つのジョブ・クラスは、1つの/Qキュー(36のキューをまとめたもの)にマップされます。これらは、ジョブが保留状態で格納され、実行を待機するキューです。ジョブ優先度は、キュー・メッセージ優先度にマップされます。キューはすべて、優先度に基づいて作成されます。
キュー名: [A-Z]、[0-9]。 |
実行中キュー | このキューは、動作中/実行中のジョブを格納します。システムに、実行中のキューは1つだけです。ジョブが実行キューから取り出され、実行中の状態に正常に移行すると、ジョブは実行中キューに移動されます。このキューのジョブは、FIFO順に処理されます。
キュー名: EXEC |
出力キュー | 完了するか、エラーが発生したジョブは出力キューに送信されます。出力キューは1つのみ存在します。キュー内のジョブは、FIFO順に処理されます。
キュー名: OUTPUT |
パージ・キュー | パージされる予定のジョブは、パージ・キューへ移動されます。システムに、パージ・キューは1つのみ存在します。
キュー名: PURGE |
内部キュー | ART JESも、内部使用のためにJES2QSPACE上にいくつかの内部キューを持っています。 |