会社間契約
会社間契約は、特定の財務ルートを使用して振替を承認する主要な親文書です。
これは、特定された財務ルートおよびその目的がアクティブでなくなるまで随時更新文書になります。たとえば、財務部門がいずれかのLOBエンティティにリリースした年間与信枠などです。
契約の主な属性には、次の要素が含まれます:
- 会社間トランザクション・タイプ: 振替の目的を定義するのに適したトランザクション・タイプを選択します。またこれにより、トランザクションの次のフロー、つまり請求が必要か、総勘定元帳に直接送信されるかも決まります。
- トランザクション通貨: 振替承認を使用した資金の振替が開始される通貨です。
- 決済通貨基準: 資金振替または振替承認は、トランザクション通貨以外の通貨で受け側組織で決済できます。任意のルート組織の元帳通貨、つまり送り側元帳通貨、1番目または2番目の決済組織の元帳通貨、または受け側元帳通貨で決済を実行できます。決済に換算が含まれない場合、トランザクション通貨が決済基準になります。
- 換算レート・タイプ: 契約で定義された換算レート・タイプが、トランザクション通貨から決済通貨への資金の換算に使用されます。契約に定義されている換算レート・タイプは、トランザクション・レベルで変更できます。
- ステータス: 振替を開始するには、契約がアクティブ・ステータスである必要があります。契約の構成要素を定義するときには、契約を「ドラフト」ステータスにできます。
- ルート情報: これには、送り側、受け側および決済組織の定義が含まれます。最大2つの決済組織を定義できます。
ノート: 決済組織は振替に必須ではありません。
シナリオ
- InFusion Corporationは、米国(US)、英国(UK)およびシンガポール(SG)を含む多くの地域で事業を展開する多国籍コングロマリットです。
- Infusionの本社は米国にあり、子会社は次の場所にあります:
- InFusion UK Services
- InFusion Singapore
- Infusionの本社と子会社では、Oracle General Ledger、Oracle PayablesおよびOracle Receivablesの補助元帳を使用しています。
- Infusion US Servicesは、米国からシンガポールへの運転資本ローンに資金を提供し、通貨エクスポージャを最適化するために、Infusion UK Servicesを通じて資金がルーティングされています。
- 会社間契約には、請求を生成するためのトランザクション・タイプが定義されています。資金がUSDで送金されるため、契約のトランザクション通貨はUSDです。次の財務ルート組織も定義されています。
- 送り側組織 - US Services
- 第1決済組織 – UK Operations
- 受け側組織 – Singapore Operations
- 会社間契約は、振替の目的が決定されるとすぐに作成できます。ルート組織間で振替が予定または計画されているかぎり、契約をアクティブのままにできます。
- 契約を作成および管理するユーザーには、会社間契約処理職務および会社間契約管理職務という職務ロールを付与してください。詳細は、セキュリティの項を参照してください。