支払増加契約の作成
「概要」タブで「支払増加適用可能」オプションを選択した場合は、「支払増加契約」タブで支払増加契約を作成できます。
賃借料増加では、定率、またはリース期間の未回収部分に対する指数変更に比例した金額で、基準賃借料が自動的に増加します。固定増加は賃借費を上昇させるのに対し、指標増加は、消費者物価指数の上昇に比例して賃借料を毎年上昇させることで、不動産所有者をインフレから保護します。
賃借料とは別に、駐車場や保守などの他の支払いも、年ごとに増加または減少する場合があります。賃借料のこの変更は、特に、事前に見積もって同意済の場合には、エスカレーションとも呼ばれます。
賃借料またはその他の支払は、様々な方式で増加できます。
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定率方式
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定額方式
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卸売価格指数(WPI)や消費者物価指数(CPI)などの指数の動きにあわせたパーセント方式
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前述の方式の組合せの低い方
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前述の方式の組合せの高い方
定義
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賃借料増加: 賃借料増加は業界全体で受け入れられている用語で、リースに対する支払が、事前に提示された既知の増減率または指数に基いて自動的に変更されるという意味です。賃借料増加と呼ばれていますが、任意の支払を支払増額の対象にできます。
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賃借料増分指数: 賃借料増分指数では、対応する期間または日付を指定して指数値を取得します。たとえば、WPI指数では、1月21日の指数値が100、2月21日が103、3月21日が105などと取得される場合があります。指数値は、WPI、CPI、通貨変動または金価格指数を情報源とする現実を反映した数値です。リース会計では、ユーザーが指定した指数値やWebサービスの指数値から変化率が計算されます。
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評価サイクル: 評価サイクルは、支払変更を計算する頻度です。たとえば、1年または半年ごとに支払変更の支払を評価する必要がある場合があります。評価には、年次および半期を使用できます。
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支払基準タイプ: 通常は、支払金額自体が支払基準です。これが、支払変更率を適用する基準になります。たとえば、支払期間に該当する支払金額の75%に支払率5%を適用する必要がある場合があります。
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初回評価日: これはリースの最初の評価日です。この日付は、リース開始日より前およびリース終了日より後の日付にできません。
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賃借料増加契約テンプレート(RI契約テンプレート): 賃借料増加契約はビジネス・ユニット・レベルで作成します。リース会計で、保守やサービスなど、その他の支払に対する賃料増加契約が定義されます。リース会計で、個々のリースでこれらの契約が選択されます。契約の特定の部分はリース・レベルで上書きできますが、契約の他の部分は支払レベルで上書きできます。
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評価年数: リース会計では、評価サイクル頻度が「年次」の場合、支払増加/減少は年数ごとに評価されます。たとえば、賃料の増加を2年に1回評価できます。
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複合基準: 評価が前年に基づいている場合には通常、計算に対して複合基準を選択します。リース会計では、支払基準が前年の基本支払+/-支払増加である場合、この基準を「複合」と呼びます。基準の複合化時には、現在の評価サイクルの賃借料増加が、前の賃借料増加と前の基準の合計になります。
支払増加契約の作成
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「新規」(+)をクリックすると、「支払増加契約」ページが表示されます。
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支払増加契約の作成の一部として、次のフィールドを使用できます。
フィールド
摘要
契約テンプレート名
契約テンプレートを選択します。
契約名
契約名を入力します。
サプライヤ
サプライヤを選択します。
デフォルト関連タイプ
デフォルト関連タイプを選択します。
ここでの選択肢は「固定増加」です。増加として、定率または定額を入力できます。
基準修正ファクタ
固定増加率を入力した場合は、基準修正ファクタを入力します。
固定増加率
固定増加金額を入力していない場合は、固定増加率を入力します。
初回評価日
評価の最初の日を選択します。
終了日
終了日を選択します。
評価頻度
評価の頻度を選択します。ここでの選択肢は「年次」および「半期」です。
通貨
契約の通貨を選択します。
評価年数
契約の評価年数を入力します。
支払目的
支払目的を選択します。
選択肢は次のとおりです。- 基準賃借料
- クリーニング
- 減価償却
- 保険
- 営業経費
- 賃借料
- パーセント
- 引当金
- 購買
支払目的としてさらに値を追加できます。
固定増加金額
固定増加率を入力していない場合は、固定増加金額を入力します。
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「保存して閉じる」をクリックします。
「支払増加契約」タブ:
「概要」セクションで次の支払情報を表示または追加できます:
フィールド |
摘要 |
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契約テンプレート名 |
契約テンプレート名を表示できます。 |
契約番号 |
契約番号を表示できます。 |
契約名 |
契約名を保持または変更します。 |
基準修正ファクタ |
固定増加率を入力した場合は、基準修正ファクタを保持または変更します。 |
固定増加率 |
固定増加金額を入力していない場合は、固定増加率を保持または変更します。 |
初回評価日 |
初回評価日を表示できます。 |
終了日 |
終了日を保持または変更します。 |
評価頻度 |
評価頻度を表示できます。 |
通貨 |
通貨を表示できます。 |
評価年数 |
評価年数を表示できます。 |
支払目的 |
支払目的を保持または変更します。 |
固定増加金額 |
固定増加率を入力していない場合は、固定増加金額を保持または変更します。 |
「処理」メニューから「支払増加の生成」をクリックして、支払増加スケジュールを生成します。
支払増加の生成プロセス:
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支払増加契約テンプレートを定義する必要があります。
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これらのテンプレートを使用して、リースに関する契約を作成できます。
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テンプレートを使用せずに契約を定義することもできます。サプライヤと通貨の一意の組合せごとに契約を作成します。
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リース会計で、目的、通貨およびサプライヤが契約と同じであるすべての支払が関連付けられます。
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選択したリースのリース概要タブで、支払増加を適用可能にできます。「支払増加契約」タブは、リースを保存すると表示されます。
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リース会計で、初回評価日および終了日をこれらの評価期間の開始日および終了日として、評価期間が生成されます。リース会計で、契約の評価サイクルに基づいて各評価期間が生成されます。
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リース会計では、評価期間に含まれるすべての支払が支払増加計算に含まれます。
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リース・アクティブ化プロセスでは、「支払増加の生成」機能により支払増加スケジュールが生成されます。
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スケジュールを生成すると、リース会計ですべての最終支払が計算されて、「支払」タブに表示されます。
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リースのアクティブ化時に、リース会計で、リース償却開始日より前のすべての評価が自動的に確定します。リース会計で評価が確定すると、支払および支払増加の変数を変更しても、その評価期間に対してすでに生成された増加には影響しません。
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リースがアクティブ化された後、リース会計では、その後の修正プロセス時に評価が確定します。たとえば、ACDが2021年1月1日の場合、修正が確定すると、ACDより前のすべての評価期間がリース会計で自動的に確定します。
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リース会計で、CPI指数、金価格指数などのユーザー作成指数に支払増額が結びつけられます。これらの指数は、固定またはローリング・タイプの指数です。
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「指数ベース評価の処理」プログラムでは、指数に基づいて支払増加が確定および再計算されます。このプログラムでは、評価日に確定した指数値が参照されて、指数の動きに基づいて再計算されます。
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また、指数値が欠落している場合は、支払増額を実行することを選択して、支払増額の根拠にすることもできます。リースのアクティブ化時または評価日の時点で、指数が欠落している場合があります。
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リース会計では、「偶発」増加と呼ばれる指数の変化に基づいて支払が増加します。ASC842の場合、偶発増加ではROUまたはリース負債残高は変更されません。リース会計では、偶発増加を把握または導出した時点で、その偶発増加が経費として処理されます。
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他のタイプの支払増加変更の場合、期間の支払を「偶発」または「非偶発」増加に選択するオプションがあります。リース会計では、それに応じてそれらが計上されます。