ユーザー定義保留の構成方法
ユーザー定義保留は、ビジネス・シナリオに基づいて構成する必要があります。
ユーザー定義保留の実装に必要な設定は、それほど多くありません。ただし、ビジネス・シナリオに対応し、ルール評価を正確に自動化するために、複数のルールを構成することが必要になる場合があります。
ユーザー定義保留のルール構成は、単純なビジネス・ユース・ケースを通じて理解することができます。次のユース・ケースについて考えてみます。
- 請求書金額が5000 USDを超えるVision Americaに対して作成されたすべての未照合請求書には保留を設定し、レビューを実施します。
- 資本財に関連するすべての購入は、資産モジュールで資産計上する必要があります。
このビジネス・ケースでは、次のことを処理する2つの異なるルールの構成が必要です。
- 購買オーダーと未照合の請求書に対する保留。
- 資産追跡が有効になっていない資本購買請求書に対する保留。
購買オーダーを参照していない請求書に対するユーザー定義保留の構成
これは、Vision Americaに対して作成された金額が500 USDを超える請求書で、購買オーダーを参照していないものをすべて保留にするルールの例です。
これを実現するには、Vision America BUに対して作成された金額が5000 USDを超える請求書で、請求明細に購買オーダーの参照がないすべての請求書に「限度額」の保留を設定します。
結果:
次の属性を持つインポート済請求書について考えます。
- ビジネス・ユニット: Vision America
- 購買オーダー: Null (不一致)
- 請求書金額: 5500 USD
請求書のインポート中に、限度額の保留が請求書に適用されます。請求書を修正して検証します。次の処理が発生します。
- ユーザーが請求書をレビューし、購買に対する購買オーダーがすでに発行されていることを確認します。
- ユーザーが購買オーダー番号を使用して請求書明細を更新し、請求書を保存します。
- 次の検証実行で請求書が処理されます。
検証後、限度額の保留が請求書から自動的に解除されます。
資本設備購買のユーザー定義保留の構成
これは、資本設備のすべての購買が固定資産モジュールで資産計上されるようにするためのルールの例です。
この要件を実現するには、サプライヤ・タイプが「資本財」であり、「資産追跡」チェック・ボックスが選択されていないサプライヤに対して作成されたすべての請求書について、「資産詳細」保留を設定するルールを作成します。
結果:
次の値を使用して請求書を手動で作成します。
- サプライヤ: Dell Computers(サプライヤ・タイプ: 資本財)
- 資産追跡チェック・ボックス: 選択が解除された状態を維持します。
請求書を検証したときに、請求書に資産詳細保留が自動的に設定されます。