収益スケジューリング・ルールの使用方法

収益スケジューリング・ルールを使用して、トランザクション明細の収益認識スケジュールを決定します。収益スケジューリング・ルールでは、収益配分を記録する1つ以上の会計期間を決定します。各トランザクション明細に異なる収益スケジューリング・ルールを割り当てることができます。

収益スケジューリング・ルールに影響する設定

収益スケジューリング・ルールを作成する場合は、参照データ・セットを割り当て、ルール名と摘要を入力して、ルール・タイプを選択します:

  • ルール・タイプが「固定予定」の場合は、この収益スケジューリング・ルールの収益を認識する期間の数も入力します。トランザクション明細に収益スケジューリング・ルールを適用すると、ルールの開始日と終了日が移入されます。

  • ルール・タイプが「変動予定」の場合は、オプションで、最初の期間に認識する収益のパーセントを指定できます。残りの収益は、トランザクション明細に指定した期間数にわたって按分されます。

トランザクションで収益スケジューリング・ルールを使用するには、トランザクションの請求ルールを選択し、各トランザクション明細に収益スケジューリング・ルール情報を割り当てます。トランザクション明細で選択したルール・タイプごとに、次の項目を入力します。

  • 日次収益率、全期間または日次収益率、一部期間: トランザクション明細のルールの開始日とルールの終了日を入力します。

  • 固定予定: デフォルトのルール開始日はトランザクションの会計日ですが、これは変更できます。収益期間数はルール・タイプ定義に従ってトランザクション明細に移入されます。

  • 変動予定: トランザクション明細のルール開始日および収益を配分する収益期間数を入力します。

収益スケジュールの計算方法

収益スケジューリング・ルールのルール・タイプによって、トランザクションの収益配分が計算されます。

  • 「日次収益率、全期間」ルール・タイプでは、日次収益率を使用して、全期間と一部期間の両方を含むすべての会計期間にわたり、収益配分を正確に計算します。一部期間は、期間の初日ではない開始日または期間の末日ではない終了日を持つ会計期間です。

    ノート:

    このルール・タイプでは、最も正確な収益認識スケジュールが提供されます。一部会計期間の厳格な収益会計標準に準拠する必要がある場合、このタイプのルールを使用します。

    このタイプのルールでは、トランザクション入力時にルール開始日および終了日が必要です。トランザクションがこのタイプのルールを使用してインポートされる場合、両方の日付が自動インボイスで必要です。

    このルール・タイプは、明細の収益合計金額を、ルール継続期間の日数(開始日と終了日の両方を含む)と組み合せて使用し、日次収益率を計算します。この計算は次のとおりです。

    Daily Revenue Rate = Total Revenue / Number of Days (Total Rule Duration Period)

    このルール・タイプは、収益認識スケジュールの各期間の収益を正確に計算できます。この計算は次のとおりです。

    Revenue Amount = Daily Revenue Rate * Days in Period
  • 「日次収益率、一部期間」ルール・タイプでは、日次収益率を使用して、一部期間のみの収益を正確に計算します。このルールによって、スケジュールの全期間にわたり、均等に按分された収益配分が提供されます。

    このタイプのルールでも、日次収益率の計算を使用可能にするため、開始日と終了日の両方が必要です。

  • 「固定予定」ルール・タイプでは、収益を認識するために定義した期間数が使用されます。デフォルトでは、収益のパーセンテージは期間全体で均等に分割されます。たとえば、4つの期間にわたる収益スケジューリング・ルールを定義し、按分された収益配分を受け入れる場合、4か月ごとにトランザクション収益の25パーセントが認識されます。

    「固定予定」の収益スケジューリング・ルールを定義する場合、各期間で認識される収益のパーセントは更新できますが、スケジュール全体のパーセントは常に合計100になる必要があります。

  • 「変動予定」ルール・タイプには、期間数は必要ありません。トランザクション明細にルールを手動で入力するとき、または自動インボイスを使用してルールをインポートするときに、期間数を入力します。

    変動予定の収益スケジューリング・ルールを定義する場合、オプションで、第1期間で認識する収益のパーセントを指定できます。残りの収益は、トランザクションの作成時に指定した期間数にわたって按分されます。

収益スケジューリング・ルール・タイプの使用

90日間の契約に対して$900を請求します。契約は、1月14日に開始し、4月13日に終了します。会計期間は「月次」です。この契約期間で、1月と4月は一部期間で、2月と3月は全期間です。

この表は、Receivablesが各ルール・タイプを使用して計算する様々な収益認識スケジュールを示しています。

会計日

期間

期間内日数

日次収益率、全期間

日次収益率、一部期間

固定予定

変動予定

1月14日

1月

18

180

180

225

180

2月14日

2月

28

280

295

225

240

3月14日

3月

31

310

295

225

240

4月13日

4月

13

130

130

225

240

この例の留意事項は次のとおりです。

  • 収益スケジューリング・ルールが「日次収益率、全期間」である場合、Receivablesでは、日次収益率($900 / 90日 = $10)が計算され、その率を使用して各期間の収益が計算されます。Receivablesは、最終期間を使用して、すべての端数処理問題に対応します。

  • 収益スケジューリング・ルールが「日次収益率、一部期間」である場合、Receivablesでは、日次収益率が使用され、一部期間のみの収益が計算されます。全期間は、等しい収益配分を受けます。

  • 収益スケジューリング・ルールが「固定予定」である場合、Receivablesでは、ルール定義が使用され、ルールで指定された期間数全体にわたり収益が等しく分割されます。

  • 収益スケジューリング・ルールが「変動予定」の場合は、請求書入力時にルールの開始日と期間数を指定します。ルール定義では、最初の期間に認識する収益のパーセントを指定します。Receivablesは、入力された残りの期間全体にわたり収益残高を均等に配分します。この例では、合計4つの期間のうちの第1期間で収益合計の20パーセントが認識されます。