履行義務

履行義務とは、商品またはサービスを顧客に譲渡するための、顧客契約内の明確な約束です。

1つの顧客契約には、1つ以上の履行義務を含めることができます。契約に含まれるソース文書明細は、履行義務にグループ化されます。履行義務には、明示的なものと暗黙的なものがあります。

次のいずれかを使用して、履行義務を自動的に識別するように設定を構成できます。

  • 履行義務識別ルール

  • 履行義務テンプレート

  • 暗黙履行義務テンプレート

明示的履行義務

明示的履行義務は、契約に明示的に記載されている商品またはサービスです。履行義務識別ルールと履行義務テンプレートを使用して、これらの義務を構成します。

暗黙履行義務

暗黙的履行義務には、エンティティの慣習的ビジネス・プラクティスや公開ポリシーによって暗黙的に指定される約束が含まれます。このような約束は、契約に明示的に記載されません。

暗黙履行義務には、次の特徴があります。

  • アップストリーム・アプリケーションで取得されません

  • 暗黙履行義務テンプレートを使用して、顧客契約に自動的に追加できます

履行義務充足

充足測定モデルとともに充足方法を指定して、アプリケーションが履行義務を充足し、収益を認識する時期と方法を指定します。充足方法では、収益が認識される前に、「完了が必要」または「一部許可」のどちらのレベルで、履行義務を充足するかを定義します。

充足測定モデルでは、各履行義務の約束の充足方法(数量、完了率または期間)を定義します。

履行義務の作成に使用した履行義務ルールまたはテンプレートの構成に基づいて、履行義務識別プロセスで、充足方法が定義されて割り当てられます。

履行義務識別ルールまたはテンプレートを作成する場合は、充足方法として次のいずれかを選択します:
  • 完了が必要: 義務が完全に満たされた後、つまり履行義務のすべての約束が履行された後にのみ収益が認識されます。
  • 一部許可: 履行義務の少なくとも1つの約束が履行されると、収益が認識されます。

トランザクション(収益データ)を収益管理に渡す際に、提供される商品またはサービスのタイプと、その約束の充足を定義するイベントに基づいて、充足測定モデルが割り当てられます。

収益管理がトランザクション・データとともに充足測定モデルを受信しない場合、「ソース文書タイプの管理」ページで定義したデフォルト値が使用されます。

各履行義務では、約束詳細の充足割合を指定する1つ以上の充足イベントを使用します。アプリケーションでは、割り当てられた充足測定モデルに従って充足イベントが処理されます。

収益管理には、次の充足測定モデルが用意されています:

充足測定モデル

説明

充足数量の測定

このモデルは、履行義務の一部として指定数量の商品またはサービスを顧客に対して約束するときに使用します。このモデルを使用すると、ソース・アプリケーションは充足が発生した場合に、充足イベントをRevenue Managementに送信します。Revenue Managementでは、商品またはサービスの数量が納入(つまり充足)されたときに履行義務充足イベントが作成されます。

部分的な数量が納入された場合は、1つの履行義務に対する充足イベントが複数になることがあります。

充足パーセントの測定

履行義務充足を完了した作業の割合として測定する場合、このモデルを使用します。Revenue Managementでは、ソース・アプリケーションから受け取った充足情報に基づいて充足イベントが作成されます。完了した作業の割合を示す履行義務充足レコードが作成されます。収益は、完了した作業と同じ割合で認識されます。

充足期間の測定

このモデルは、充足期間の観点で履行義務充足を測定する場合に使用します。収益管理によって充足イベントが作成され、充足された期間と、その期間の比例収益が示されます。このモデルを選択するときは、次も指定する必要があります:

  • 期間合計数および期間ごとに記録する比例収益を指定した、約束の収益認識配分の作成に使用される充足プラン。

  • 履行義務が充足される期間の充足プラン開始日と終了日。

  • 充足プランが可変期間スケジュールの場合は、スケジュールの期間数

履行義務の充足ステータスは、履行義務に対して収益が認識されている程度を示します。

「顧客契約の編集」ページで、履行義務および約束詳細の充足ステータスを表示できます。使用可能なステータスは次のとおりです。

充足ステータス 説明
完全充足 履行義務について収益が全額認識されました。
一部充足済 履行義務について収益が一部認識されました。このステータスは、サブスクリプション・サービスなどの長期間の収益認識に関連します。
未開始 収益が認識されていません。

ソース・アプリケーションは、収益基準データとともに充足測定モデルを送信できます。Revenue Managementが充足測定モデルを受信しない場合、「ソース文書タイプの管理」ページで定義したデフォルト値が使用されます。

履行義務の充足ステータスは、履行義務に対して収益が認識されているかどうかを示します。使用可能なステータスは次のとおりです。

  • 一部充足済: 履行義務に対して収益が一部認識されています。これは、サブスクリプション・サービスなどの長期間の収益認識に関連します。
  • 完全充足: 履行義務に対して収益が全額認識されています。
  • 未開始: 履行義務に対して収益が認識されていません。