承認ルールの構成方法
Oracle Fusion Expensesでは、Oracle Service-Oriented Architecture (SOA)スイートの承認管理拡張機能とOracle Business Process Management Suite (BPM)を使用して、経費精算書承認に関する柔軟で構成可能な承認ルールをサポートしています。BPMには、承認ルールを管理するためのインタフェースが用意されています。
財務アプリケーション管理者(FUN_FINANCIAL_APPLICATION_ADMINISTRATOR)のロールを割り当てられているBPMワークリスト管理者は、BPMワークリストの承認ルールにアクセスできます。
経費精算書を発行すると、Expensesによって承認プロセスが起動され、承認者のリストを作成するためにAMXで作成された承認ルールのセットが要求されます。承認管理拡張機能は、承認通知への応答を受信するたびに、承認者に承認通知を送信します。AMXは、すべての承認が完了するまで、承認リスト内の次の承認者のセットに承認通知を送信し続けます。
承認ルールは、Oracle BPM Worklistによって管理されます。「設定および保守」→選択: 「財務」→「設定」ボタン→機能領域: 「経費」→表示: 「すべてのタスク」→「経費承認ルールの管理」→「Oracle BPM Worklist」にナビゲートします。
ルールを構成または変更するには、次のステップを実行します:
-
BPMワークリストで、「タスク構成」タブを選択します。
-
「設定するタスク」ペインから、FinExmWorkflowExpenseApprovalを選択します。
-
「割当て先」タブを選択します。
-
「垂直レイアウトへの切替え」リンクをクリックします。承認階層が表示されます。
-
SoaOLabelExpの四角形の近くにあるひし形アイコンをクリックし、「ルールに移動」を選択します。
経費承認フローには、次の表で説明するように、事前定義済ルール・セットとそれに関連する承認者が含まれています:
ルール・セット |
承認者 |
---|---|
ExpenseReportRuleSet
|
監督者
|
CostCenterRuleSet |
コスト・センター所有者(パラレル・モード) |
ProjectManagerRuleSet |
プロジェクト・マネージャ(パラレル・モード) |
ExpenseRuleSet |
経費タイプに基づくスペシャリスト(パラレル・モード) |
SerialCostCenterRuleSet |
コスト・センター所有者(シリアル・モード) |
SerialProjectManagerRuleSet |
プロジェクト・マネージャ(シリアル・モード) |
SerialExpenseRuleSet |
経費タイプに基づくスペシャリスト(シリアル・モード) |
ExpenseReportRuleSet: 監督者による承認
監督階層を使用する経費精算書の承認用の事前定義済ルール・セットは、ExpenseReportRuleSetと呼ばれます。事前定義済ルールには次のものがあります:
-
経費精算書合計が1000を超える経費精算書の直属の監督者による承認
-
経費精算書合計が1000以下のすべての経費精算書に対する自動応答
必要に応じて、事前定義済ルールを変更したり、ルールの削除や追加を行うことができます。次の表に、ExpenseReportRuleSetルール・セットのパラメータを示します。
ルール |
フィールド |
事前定義済の値 |
説明 |
---|---|---|---|
ExpenseReportManagerApprovalRule |
条件 |
Task.payload.getExpenseReportVOResponse.result.expenseReportTotal |
経費精算書合計を払戻通貨で格納する属性。 |
リスト・ビルダー |
スーパーバイザ |
このルールは、監督階層を使用して承認者を取得します。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
レベル数 |
1 |
承認の完了に必要な監督レベルの数。 |
|
開始参加者 |
HierarchyBuilder.getManager("supervisory",Task.creator,-1,"","") |
経費精算書が作成された個人。 |
|
最上位の参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal("FINUSER30",-1,"","") |
承認チェーンの最後の承認者。階層内でこの関係者を超えて承認が行われることはありません。このルールをそのまま使用するには、事前定義済の最後の承認者のユーザー名を組織内の最後の承認者に変更する必要があります。 |
|
自動アクションの有効化 |
False |
自動承認処理は無効です。 |
|
自動アクション |
Null |
自動承認処理はありません。 |
|
ExpenseReportAutoApprovalRule |
条件 |
Task.payload.getExpenseReportVOResponse.result.expenseReportTotal |
経費精算書合計を払戻通貨で格納する属性。 |
リスト・ビルダー |
スーパーバイザ |
このルールは、監督階層を使用して承認者を取得します。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
レベル数 |
1 |
承認の完了に必要な監督レベルの数。 |
|
開始参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal("workflowsystem",-1,"","") |
経費精算書が作成された個人。 |
|
最上位の参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal(Task.creator,-1,"","") |
経費精算書が発行された個人。 |
|
自動アクションの有効化 |
True |
自動承認は有効です。 |
|
自動アクション |
承認 |
応答は「承認」に設定されます。 |
|
ExpenseReportInactiveEmployeeManagerApproverRule |
条件 |
Task.payload.employeeInActive |
条件を格納する属性。 |
リスト・ビルダー |
スーパーバイザ |
このルールは、監督階層を使用して承認者を取得します。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
レベル数 |
1 |
承認の完了に必要な監督レベルの数。 |
|
開始参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal(Task.payload.startingParticipant,-1,"","") |
経費精算書が作成された個人。 |
|
最上位の参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal("FINUSER30",-1,"","") |
承認チェーンの最後の承認者。階層内でこの関係者を超えて承認が行われることはありません。このルールをそのまま使用するには、事前定義済の最後の承認者のユーザー名を組織内の最後の承認者に変更する必要があります。 |
|
自動アクションの有効化 |
False |
自動承認処理は無効です。 |
|
自動アクション |
null |
自動承認処理はありません。または、応答が「承認」に設定されます。 |
構成用の追加のシリアル承認ルール: これは、CustomSerialParticipantRuleと呼ばれる、シリアル承認用の追加の事前定義済ルール・セットです。このルール・セットには、事前定義済ルールは含まれていません。このルール・セットは、ExpenseReportRuleSetのルールに関して順次実行する必要がある承認ルールの追加の組合せに使用できます。
構成用の追加のパラレル承認ルール: これは、CustomParallelParticipantRuleと呼ばれる、パラレル承認用の追加の事前定義済ルール・セットです。このルール・セットには、事前定義済ルールは含まれていません。このルール・セットは、ExpenseReportRuleSetのルールと並行して実行する必要がある承認ルールの追加の組合せに使用できます。
ProjectManagerRuleSet: パラレル・モードでのプロジェクト・マネージャによる承認
プロジェクト・マネージャによる経費精算書の承認用の事前定義済ルール・セットは、ProjectManagerRuleSetと呼ばれます。このルール・セットには、単一の事前定義済ルールがあります。このルールでは、プロジェクトに請求された合計金額がゼロより大きい場合、経費精算書は承認のためにプロジェクト・マネージャに送信されます。さらに、経費が複数のプロジェクトに請求された場合、該当するプロジェクト・マネージャは承認通知を並行して受け取ります。承認者として識別されたすべてのプロジェクト・マネージャが経費精算書を承認すると、承認が完了します。
必要に応じて、事前定義済ルールを変更したり、ルールの削除や追加を行うことができます。次の表に、ProjectManagerRuleSetルール・セットのパラメータを示します。
ルール |
フィールド |
事前定義済の値 |
説明 |
---|---|---|---|
ProjectManagerApprovalRule |
条件 |
ExpenseReport/projectTotalVO.total |
経費精算書で各プロジェクトに対して請求された合計経費を格納する属性。ビュー・オブジェクトには、プロジェクトを含む経費精算書の詳細のみが格納されます。 |
リスト・ビルダー |
リソース |
承認者の静的リスト。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
参加者 |
ExpenseReport/projectTotalVO.managerUsername |
経費精算書の承認者はプロジェクト・マネージャです。 |
CostCenterRuleSet: パラレル・モードでのコスト・センター所有者による承認
コスト・センター所有者による経費精算書の承認用の事前定義済ルール・セットは、CostCenterRuleSetと呼ばれます。このルール・セットには、次の事前定義済ルールがあります:
-
従業員のデフォルトのコスト・センター以外のコスト・センターに請求された合計金額がゼロより大きい場合、経費精算書は承認のためにコスト・センター所有者に送信されます。
-
経費が従業員のデフォルトのコスト・センター以外のコスト・センターに請求された場合、該当するコスト・センター所有者は承認通知を並行して受け取ります。承認者として識別されたすべてのコスト・センター所有者が経費精算書を承認すると、承認が完了します。
-
-
経費のコスト・センターが従業員のデフォルトのコスト・センターと同じ場合は、コスト・センター承認がないことを示す自動応答が生成されます。
必要に応じて、事前定義済ルールを変更したり、ルールの削除や追加を行うことができます。次の表に、CostCenterRuleSetルール・セットのパラメータを示します。
ルール |
フィールド |
事前定義済の値 |
説明 |
---|---|---|---|
CostcenterIsNotEmpDefaultCostcenterRule |
条件 |
ExpenseReport/costCenterTotalVO.costCenter |
経費精算書のコスト・センターを格納する属性。 |
条件 |
Task.payload.getExpenseReportVOResponse.result.defaultCostCenter |
従業員のデフォルトのコスト・センター。 |
|
リスト・ビルダー |
リソース |
承認者の静的リスト。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
参加者 |
ExpenseReport/costCenterTotalVO.managerUsername |
経費精算書の承認者はコスト・センター所有者です。 |
|
CostcenterIsEmpDefaultCostcenterRule |
条件 |
ExpenseReport/costCenterTotalVO.costCenter |
経費精算書のコスト・センターを格納する属性。 |
条件 |
Task.payload.getExpenseReportVOResponse.result.defaultCostCenter |
従業員のデフォルトのコスト・センター。 |
|
リスト・ビルダー |
スーパーバイザ |
このルールは、監督階層を使用して承認者を取得します。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
レベル数 |
1 |
承認の完了に必要な監督レベルの数。 |
|
開始参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal("workflowsystem",-1,"","") |
経費精算書が作成された個人。 |
|
最上位の参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal(Task.creator,-1,"","") |
経費精算書が発行された個人。 |
|
自動アクションの有効化 |
True |
自動承認は有効です。 |
|
自動アクション |
承認 |
応答は「承認」に設定されます。 |
ExpenseRuleSet: パラレル・モードでの経費タイプに基づくスペシャリストによる承認
テンプレート名または経費タイプの属性に基づく経費精算書の承認用の事前定義済ルール・セットは、ExpenseRuleSetと呼ばれます。このルール・セットには、次の事前定義済ルールがあります:
-
いずれかの経費のテンプレート名が移転経費である場合、経費精算書は事前定義済ユーザーによる承認にルーティングされます。
-
経費精算書テンプレートが移転経費である経費が経費精算書に含まれていない場合、特別な承認がないことを示す自動承認応答が生成されます。
必要に応じて、事前定義済ルールを変更したり、ルールの削除や追加を行うことができます。次の表に、ExpenseRuleSetルール・セットについて選択されているパラメータを示します。
ルール |
フィールド |
事前定義済の値 |
説明 |
---|---|---|---|
ExpenseTypeIsRelocationExpensesRule |
条件 |
ExpenseReport/expenseVO.expenseTemplateName |
経費精算書のコスト・センターを格納する属性。 |
リスト・ビルダー |
リソース |
承認者の静的リスト。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
参加者 |
承認者のユーザーID |
経費精算書の承認者はスペシャリストです。 |
|
ExpenseTypeIsNotRelocationExpensesRule |
条件 |
ExpenseReport/expenseVO.expenseTemplateName |
ExpenseReportAutoApprovalRuleと同じリスト・ビルダー基準で自動承認が有効 |
リスト・ビルダー |
スーパーバイザ |
このルールは、監督階層を使用して承認者を取得します。 |
|
レスポンス・タイプ |
必須 |
承認通知には応答が必要です。 |
|
レベル数 |
1 |
承認の完了に必要な監督レベルの数。 |
|
開始参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal("workflowsystem",-1,"","") |
経費精算書が作成された個人。 |
|
最上位の参加者 |
HierarchyBuilder.getPrincipal(Task.creator,-1,"","") |
経費精算書が発行された個人。 |
|
自動アクションの有効化 |
True |
自動承認は有効です。 |
SerialProjectManagerRuleSet: シリアル・モードでのプロジェクト・マネージャによる承認
プロジェクト・マネージャによるシリアル・モードでの経費精算書の承認用の事前定義済ルール・セットは、SerialProjectManagerRuleSetと呼ばれます。このルール・セットにはパラレル承認と同じルールが含まれていますが、このルール・セットは、リスト内の承認者に承認通知を順次送信するように構成されています。後続の承認者への各通知は、現在の承認者が経費精算書を承認した後にのみ送信されます。現在の承認者が経費精算書を否認した場合、承認プロセスは完了し、精算書がユーザーに返されます。
SerialCostCenterRuleSet: シリアル・モードでのコスト・センター所有者による承認
コスト・センター所有者によるシリアル・モードでの経費精算書の承認用の事前定義済ルール・セットは、SerialCostCenterRuleSetと呼ばれます。このルール・セットにはパラレル承認と同じルールが含まれていますが、このルール・セットは、リスト内の承認者に承認通知を順次送信するように構成されています。後続の承認者への各通知は、現在の承認者が経費精算書を承認した後にのみ送信されます。現在の承認者が経費精算書を否認した場合、承認プロセスは完了し、精算書がユーザーに返されます。
SerialExpenseRuleSet: シリアル・モードでの経費タイプに基づくスペシャリストによる承認
テンプレート名または経費タイプの属性に基づく経費精算書の承認用の事前定義済ルール・セットは、SerialExpenseRuleSetと呼ばれます。このルール・セットにはパラレル承認と同じルールが含まれていますが、このルール・セットは、リスト内の承認者に承認通知を順次送信するように構成されています。後続の承認者への各通知は、現在の承認者が経費精算書を承認した後にのみ送信されます。現在の承認者が経費精算書を否認した場合、承認プロセスは完了し、経費精算書がユーザーに返されます。