二重通貨コーポレート・カード・トランザクションのアップロード

コーポレート・カード管理者は、「複数請求通貨の許可」オプションを有効にすることで、アカウントに対して構成された支払通貨以外の通貨のコーポレート・カード請求を受け入れることができます。

このオプションを有効にすると、Oracle Fusion General Ledgerで使用可能な日次通貨換算レートをExpensesで使用して、カード・フィード・ファイルの他の通貨建ての請求金額が会社アカウントの支払通貨に換算されます。一般会計の日次レート表に換算レートが定義されていない場合は、「通貨換算レートなし」ステータスで無効のマークがトランザクションに付きます。

特定の国のカード会社は、二重通貨コーポレート・カードで2つの通貨で顧客に請求します。国内の現地トランザクションは現地通貨で請求されます。国外トランザクションは、合意済の安定通貨で請求されます。たとえば、すべての国外請求は米ドルで請求されるとします。二重通貨コーポレート・カードのトランザクション・ファイルには、請求通貨が現地通貨および外貨建てのトランザクションが含まれます。会社がカード会社に支払う際には、すべての請求が現地通貨で支払われます。この支払を現地通貨でサポートするために、カード会社は平均換算レートを別途提供しています。

この機能を有効にするには、次のステップを実行します。

  1. コーポレート・カード管理者としてログインします。

  2. 「コーポレート・カード・プログラムの管理」ページの「設定および保守」作業領域で、コーポレート・カード・プログラムを選択します。

  3. 「会社アカウント」セクションで、変更する会社アカウントをクリックします。

  4. 「会社アカウントの編集」ダイアログ・ボックスで、「複数請求通貨の許可」オプションを選択します。

  5. 「保存してクローズ」をクリックします。

  6. 「コーポレート・カード・プログラムの編集」ページで、「保存してクローズ」をクリックします。

次のシナリオは、「複数請求通貨の許可」オプションが有効になっている場合の二重通貨コーポレート・カードのトランザクションの処理方法を示しています。このシナリオでは、AMEX GL1025ファイル形式が考慮されます。

Lindaはアルゼンチンに拠点を置く従業員であり、彼女の雇用主には、ARSが支払通貨、USDが外貨建て請求通貨の二重通貨カード・プログラムがあります。この二重通貨カードでは、アルゼンチンでは現地通貨であるARSで経費が請求されます。Lindaが米国に出張すると、すべてのトランザクションがUSDで請求されます。Lindaがスペインに出張すると、すべてのトランザクションはEURで請求され、カード・フィード・ファイルでUSDに換算されます。ARSおよびUSDのトランザクションは、同じカード・フィード・ファイルで送信され、Expensesにアップロードして処理できます。

このシナリオでは、Expensesによってカード・フィード・ファイルが処理され、次の場合にカード会社にARSで支払われます。

  • 支払オプションが両方支払に設定されている

  • 会社アカウントの支払通貨がARSである

  • 「複数請求通貨の許可」オプションが会社アカウントに対して有効になっている

トランザクションが処理され、トランザクション日時点のGL日次レートの換算レートを使用して、その会社アカウントのファイル内のすべての請求がARSに換算されます。

次のトランザクションが彼女のカードで実行されました。

  1. 個人使用のための品目を1000 ARSで購入。このトランザクションは現地通貨のARSで実行され、ファイルにARSで取り込まれました。

  2. 仕事上の食事に対して120 USDを支払い、ファイルにUSDで取り込まれました。ファイルがアップロードされて処理されると、USDで実行されたトランザクションがExpensesによってARSに換算され、「コーポレート・カード・トランザクションのレビュー」ページに次のように表示されます。

    この画像は、「コーポレート・カード・トランザクションのレビュー」ページを示しています。このページには、ExpensesによってARSに換算されたUSDのトランザクションが表示されています。

    指定された通貨またはトランザクション日でGL日次レートの換算レートを使用できない場合、トランザクションは拒否されます。トランザクションに該当する期間の換算レートが、これらの通貨に対して使用可能であることを確認する必要があります。

    この画像は、換算レートを使用できないときの、トランザクションが表示された「コーポレート・カード・トランザクションのレビュー」ページを示しています。
  3. コンピュータ周辺機器を25 EURで購入。このトランザクションは、カード・フィード・ファイルで30 USDに換算されました。このトランザクションはExpensesによってARSに換算され、「コーポレート・カード・トランザクションのレビュー」ページに次のように表示されます。

    この画像は、「コーポレート・カード・トランザクションのレビュー」ページを示しています。このページには、カード・フィード・ファイルでUSDに換算され、さらにExpensesによってARSに換算されたEURのトランザクションが表示されています。

American Expressは、2つの通貨の請求金額(ARSとUSD)をデータ・ファイルで送信し、市場規制に従って現地通貨での支払を求めています。合計15,545.50 ARSの支払が予定されています。

検証が成功すると、「経費」作業領域で従業員がトランザクションを使用できるようになります。ARSに換算された請求金額と元の領収書金額を表示できます。

この画像は、1000 ARSのトランザクションが表示された「経費」作業領域を示しています。

ARSでトランザクションが表示された「経費」作業領域。

この画像は、120 USDのトランザクションとその相当額がARSで表示された「経費」作業領域を示しています。

USDでトランザクションが表示された「経費」作業領域。

この画像は、25 EURのトランザクションとその相当額がARSで表示された「経費」作業領域を示しています。

EURでトランザクションが表示された「経費」作業領域。

従業員は、これらの経費を経費精算書に追加し、払戻のために発行できます。

経費精算書が承認および監査された後、監査者が「経費払戻の処理」プロセスを実行して、従業員およびカード会社に対する支払要求を作成します。この支払要求は、カード会社に対してARSで生成されます。

この画像は、支払要求をレビューするページを示しています。

明細書のクローズ時に、American Expressでは、締日時点の換算レートを使用して、外貨が現地通貨に換算されます。これらは、GL日次レート表の換算レートとは異なる場合があります。組織は、Expensesの外部の換算レートのこのような差異から生じる変動を識別して、残りの金額をカード会社に支払ったり、デビット・メモを使用して、支払い過ぎた金額の払戻を受けたりする必要があります。