KPIコンポーネント

キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)を使用すると、プロジェクト・ユニットに含まれるプロジェクトに対するパフォーマンス・メジャー値のしきい値を定義できます。KPIの定義では、パフォーマンス・ステータス・インジケータと各しきい値レベルを関連付けます。

KPI値を生成すると、その値がKPIに定義されたしきい値と比較されます。定義されているいずれかのしきい値レベルに値が該当する場合、そのしきい値のステータス・インジケータがパフォーマンス・メジャーに関連付けられます。

KPIの主なコンポーネントは次のとおりです。

  • パフォーマンス・メジャー

  • パフォーマンス・ステータス・インジケータ

  • しきい値レベル

  • パフォーマンス・トレンド・インジケータ

  • 許容率

パフォーマンス・メジャー

パフォーマンス・メジャーは、プロジェクトが予定どおりになっているかどうかを判断するために使用される、パフォーマンスまたはスケジュールの事前定義の基準です。既存のカスタム・パフォーマンス・メジャーに基づいて独自のパフォーマンス・メジャーを作成して、プロジェクトの全体的な健全性を効果的に判断できます。KPIを作成するには、任意の使用可能なパフォーマンス・メジャーを使用します。

パフォーマンス・メジャーは、予算と予測、請求と収益、コスト、従事、マージン、資産計上などに対して定義されます。事前定義済パフォーマンス・メジャーの例を次に示します。

  • EAC予算コスト(現行ベースライン承認済予算を基にした完了時見積総コスト)

  • ITD予測収益差異(開始来累計の現行ベースライン予算収益から開始来累計の現行承認済予測収益を減算)

  • 前期マージン率差異(前期の現行ベースライン予算マージン率から前期の実績マージン率を減算)

これらのパフォーマンス・メジャーの名前を変更して、ビジネス・ニーズにより適したメジャー名にすることもできます。たとえば、「EAC予算コスト」という名前を「完了時の予算」に変更します。

パフォーマンス・メジャーは、次のいずれかの時間ディメンションに関連付けられます。

  • 完了時見積(EAC)

  • 開始来累計(ITD)

  • 前期

  • 期間累計(PTD)

  • 四半期累計(QTD)

  • 年累計(YTD)

予算コストなどのパフォーマンス・メジャー・セットでは、時間ディメンションごとに1つずつ、最大6つのパフォーマンス・メジャーを設定できます。

パフォーマンス・メジャーは、通貨金額、パーセントまたは時間ユニット(従事を測定する時間数など)で表すことができます。複数の通貨を使用するプロジェクトでKPIを使用する場合は、必要な通貨ごとに異なるしきい値レベルを入力できます。

パフォーマンス・ステータス・インジケータ

パフォーマンス・ステータス・インジケータは、プロジェクトのステータス(クリティカル、リスクあり、予定どおりなど)を示します。それぞれのアイコンは、パフォーマンスのステータスと重大度を示します。

KPIの定義では、最初にステータス・インジケータとパフォーマンス・ステータスを関連付けます。

  • クリティカル

  • 重大

  • リスクあり

  • 予定どおり

  • 優勢

その後、これらのステータスとしきい値レベルを関連付けます。プロジェクトに対してKPI値を生成すると、各値が定義済のしきい値と比較され、KPIの対応するステータス・インジケータがプロジェクト・パフォーマンス・レポートに表示されます。

ステータスによってマイナスのパフォーマンスを識別できるため、適切なアクションを実行して問題を回避または迅速に解決することができます。逆に、ステータスによってプラスのパフォーマンスを識別できるため、予想どおりまたは優れたパフォーマンスの追跡に役立ちます。

しきい値レベル

KPIの定義では、すべてのKPI値が含まれるようにしきい値レベルを定義します。定義したしきい値レベルをKPI値が超えた場合は、最も近いしきい値を使用してKPIステータスが決定されます。たとえば、KPI値が最低しきい値レベルを下回った場合は、最低しきい値レベルのステータスがKPIに割り当てられます。

1つのステータス・インジケータは、複数のしきい値レベルと関連付けることができます。たとえば、リソースの過少使用と過剰使用の両方をクリティカル・パフォーマンス・ステータスで示すことができます。

パフォーマンス・トレンド・インジケータ

パフォーマンス・トレンド・インジケータは、プロジェクトのKPI値の改善または悪化のトレンドを示します。それぞれのアイコンは、上昇中のパフォーマンス・トレンドがプラスまたはマイナスのどちらの影響をもたらすかを示します。たとえば、請求不可コストの増加は、クライアントにコストを請求できる組織にとっては不利と見なされます。この例では、パフォーマンス・トレンド・インジケータはマイナスの影響を示します。

許容率

許容率は、前回のKPI値と現行の値を比較して、パフォーマンス・トレンドが上昇しているか、下降しているか、または同じ状態のままかを示すために使用されます。たとえば、あるKPIの許容率が10パーセントで、前回のKPI値と現行の値の差異が10パーセントより大きい場合、トレンドは上昇しています。差異が-10パーセントより大きい場合、トレンドは下降しています。差異が-10パーセントから10パーセントの範囲内の場合、トレンドは同じ状態を維持しています。単一の許容範囲率の値(この例では10パーセント)が、マイナスとプラスの両方の許容値を表します。