間接費の会計の処理方法
間接費計算により、各トランザクションの直接費、間接費および総コストをレビューできます。間接費会計オプションは、プロジェクト・タイプ別に管理します。直接費がサードパーティ・アプリケーションに計上されている場合でも、間接費の勘定はOracle Fusion Project Costingで作成します。
間接費の会計に影響する設定
プロジェクト・タイプの定義時に、次の間接費会計オプションを指定します。
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間接費会計仕訳の作成: 間接費仕訳によって間接費金額の仕訳が作成されます。間接費が同じ支出項目に対して作成されている場合、これは計算された間接費金額です。別の明細に対して間接費が作成されている場合、直接費および総コストが同じであるため、ソース・トランザクションでの間接費金額はゼロです。
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総コスト会計仕訳の作成: 総コスト仕訳によって総コスト金額の仕訳が作成されます。同じ支出項目に対して総コストが作成されている場合、総コスト金額に追加の仕訳が作成されます。別の支出項目として総コストが作成されている場合、各ソース・トランザクションに同じ金額の仕訳が直接費として作成されます。これにより、間接費支出項目に対して総コストの別の仕訳が作成されます。
会計の実行方法
アプリケーションでは、間接費会計オプションに基づき、次の例に示すように間接費の会計が実行されます。
購買依頼および購買オーダーの「会計の作成」プロセスによって、予算引当会計の際の直接費および間接費の両方のための単一の仕訳ヘッダーが作成されます。
間接費コードによる間接費の会計
間接費コードによる会計は、間接費コードごとに別の支出項目を作成することを選択した場合にのみ適用できます。個別の間接費コードを計上して、それぞれをOracle Fusion Subledger AccountingおよびOracle Fusion General Ledgerでトラッキングできます。次の表は、付加給付、間接費、一般、管理といった間接費を持つ労務トランザクションの会計仕訳を示しています。
トランザクション |
会計トランザクション |
借方 |
貸方 |
---|---|---|---|
労務費 |
労務経費 |
300 |
0 |
労務費 |
給与精算 |
0 |
300 |
集計済間接費 |
プロジェクトの付加給付経費 |
250 |
0 |
集計済間接費 |
付加給付配賦または控除 |
0 |
250 |
集計済間接費 |
プロジェクトの間接費経費 |
300 |
0 |
集計済間接費 |
間接費配賦または控除 |
0 |
300 |
集計済間接費 |
プロジェクトの一般管理費 |
150 |
0 |
集計済間接費 |
一般管理費配賦または控除 |
0 |
150 |
間接費の会計
間接費による会計は、直接費と同じ支出項目に間接費を含めることを選択した場合にのみ適用できます。次の表は、労務トランザクションおよび間接費の金額が700の会計仕訳を示しています。
トランザクション |
会計トランザクション |
借方 |
貸方 |
---|---|---|---|
労務費 |
労務経費 |
300 |
0 |
労務費 |
給与精算 |
0 |
300 |
労務費 |
仕掛品プロジェクト・コスト |
700 |
0 |
労務費 |
労務間接費仕掛品転送 |
0 |
700 |
間接費の予算引当会計
間接費および総コストには、間接費で予算引当会計を実行するときに、実績が計上されます。予算引当項目と購買オーダー債務負担項目の引当の相殺戻し処理は、購買オーダー債務負担の清算額に基づいて記録されます。次の表は、間接費の金額が16の間接費トランザクションの会計仕訳を示しています。
トランザクション |
会計トランザクション |
借方 |
貸方 |
---|---|---|---|
間接費実績 |
総コスト |
66 |
0 |
間接費実績 |
間接費 |
16 |
0 |
間接費実績 |
総コスト精算 |
0 |
66 |
間接費実績 |
間接費精算 |
0 |
16 |
間接費予算引当 |
予算引当の引当 |
16 |
0 |
間接費予算引当 |
購買オーダー債務負担 |
0 |
16 |
個別明細間接費計算では、「間接費の生成」プロセスを実行してから会計処理を実行し、間接費の予算引当会計項目を作成する必要があります。
総コストの会計
間接費コンポーネントごとに金額を区別せずに、項目の総コストを計上できます。このアプローチを使用して、コスト資産またはコスト仕掛品会計で総コストをトラッキングします。この方法は、プロジェクト在庫と呼ばれることもあります。次の場合に仕掛品コストをトラッキングできます。
-
総コストを資産計上する場合。
-
契約プロジェクトで総コストを仕掛品コストとしてトラッキングし、後で収益を生成するときにコスト経過勘定を計算する場合。
次の表は、付加給付、間接費、一般および管理上のコストを持つ労務トランザクションの総コストに関する会計仕訳を示しています。総コストは1,000です。
トランザクション |
会計トランザクション |
借方 |
貸方 |
---|---|---|---|
労務費 |
労務経費 |
300 |
0 |
労務費 |
給与精算 |
0 |
300 |
労務費 |
総コスト |
1000 |
0 |
労務費 |
総コスト精算 |
0 |
1000 |
間接費および総コストの会計
項目の間接費および総コストを計上することもできます。次の表は、間接費と総コストの会計例を示しています。
トランザクション |
会計トランザクション |
借方 |
貸方 |
---|---|---|---|
労務費 |
労務経費 |
300 |
0 |
労務費 |
労務費精算 |
0 |
300 |
労務費 |
間接費経費 |
700 |
0 |
労務費 |
間接費精算 |
0 |
700 |
労務費 |
総コスト |
1000 |
0 |
労務費 |
総コスト精算 |
0 |
1000 |
プロジェクト・タイプのいずれの会計オプションも選択しないことで、会計処理に影響を与えずにプロジェクト・トランザクションで間接費を保存できます。
総コストを資産計上する場合は、総コストを計上する必要もあります。
勘定科目導出ルールを設定して、借方と貸方の両方について同じ勘定科目番号が導出されるようにする必要があります。勘定科目は補助元帳会計により導出されます。勘定の作成後、これらは一般会計に転送されます。