サブジェクト領域とスター・スキーマ

各サブジェクト領域は、スター・スキーマのアプローチに基づいて作成されます。1つのスターには「ファクト」と「ディメンション」が含まれます:

  • スターの中心はファクト(数えることができるもの)があります。たとえば、コンプライアンス・リアルタイム・サブジェクト領域では、「コントロール」オブジェクトに関するファクトに、コントロールの数およびキー・コントロールの数が含まれます。

  • ファクトからはディメンションが分岐しています。これらは、ファクトに関する特性を定義します。たとえば、コントロール・オブジェクトには、コントロール名、タイプ、頻度などのディメンションがあります。

オブジェクトには相互に定義された関係があり、これらの関係を反映するスター・スキーマ上にサブジェクト領域が作成されています。たとえば、Oracle Fusion Cloud Financial Reporting Complianceでは、次のようになります:

  • プロセス・オブジェクトは、リスク・オブジェクトの階層の親です。コンプライアンス・リアルタイム・サブジェクト領域では、プロセス・ファクトはプロセスおよびリスクに関連するディメンションの詳細に拡張されます。

  • リスク・オブジェクトは、プロセス・オブジェクトの階層上の子ですが、コントロール・オブジェクトの親です。コンプライアンス・リアルタイム・サブジェクト領域では、リスク・ファクトが、プロセス、リスクおよびコントロールに関するディメンションの詳細に拡張されています。

  • コントロール・オブジェクトは、リスク・オブジェクトの階層上の子です。コンプライアンス・リアルタイムのサブジェクト領域では、コントロール・ファクトは、コントロールおよびリスクに関するディメンションの詳細に拡張されます。

  • コンプライアンス・リアルタイムのサブジェクト領域では、プロセスとコントロールに共通のディメンションがありません。

関連性のないオブジェクトについて分析でレポートする場合は、それらのオブジェクトごとのファクトが分析に含まれていることを確認してください。たとえば、オブジェクト・レコード間の関係を文書化する分析を作成しているとします。これには、「プロセス名」、「リスク名」および「コントロール名」列が含まれます。相互に次の関係があるオブジェクトがデータに含まれています:

  • Process1は、Control1とControl2に関連しているRisk1に関連付けられています。

  • Process2は、Risk2とRisk3に関連付けられています。

    • Risk2は、Control1およびControl2に関連付けられています。

    • Risk3はControl2に関連付けられています。

ただし、ファクトを追加せずに分析を作成した場合、プロセス名の値は返されません。この場合、Risk1とRisk2、およびControl1とControl2のそれぞれに対して値が1つずつ返されますが、他のオブジェクトとの関係は示されません。

これは、プロセス・スター・スキーマとコントロール・スター・スキーマが共通ディメンションに関連付けられていないためです。適切な出力を表示するには、プロセス・ファクトおよびコントロール・ファクトを含める必要があります。リスク・スターを通じてプロセス・スターとコントロール・スターの関係が成立し、その結果、分析で適切な結果が返されます。追加したファクトを分析に表示する必要がない場合は、非表示にできます。

使用しているオブジェクト間の関係を把握していることが、分析を作成する上で重要です。基本的に、分析で期待した結果が返されない場合は、期待したデータが返されるまで、分析内の各ディメンションからファクトを1つずつ追加してみてください。

ただし、ファクトはスター・スキーマの中心で、ディメンションと他のスター・スキーマの間のゲートウェイとして機能するため、1つのファクトによって別のファクトがオーバーライドされて、意図しなかったディメンション間の結合が発生する場合があります。小さく始めて、分析を実行し、様々なディメンションからそれに追加していくのが最善です。この方法を使用すると、含める必要があるファクトを、作業を進めながら微調整できます。