C データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成

Enterprise Managerのインストール時に、すべてのEnterprise Manager関連データを格納するようにOracle Management Repository (管理リポジトリ)を構成できるデータベースの詳細を提供する必要があります。Enterprise Managerインストール・ウィザードは、指定したデータベースに管理リポジトリを構成できますが、オプションでデータベースに管理リポジトリを事前に構成することを選択できます。これにより、インストール時間が節約されます。

データベース・テンプレートを使用したEnterprise Manager 24aiインストールは、SYSデータベース・ユーザーを使用して実行されます。

ノート:

  • SYS以外のデータベース・ユーザーを、Enterprise Manager 24aiのインストール時にデータベース・テンプレートとともに使用することはできません。

  • 事前構成済テンプレートは、Enterprise Manager 24aiベース・インストールでのみ使用できます。

この付録では、管理リポジトリを事前構成する方法について説明します。この付録の具体的な内容は次のとおりです。

データベースでの管理リポジトリの事前構成について

データベースに管理リポジトリを事前構成するには、オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用します。これらのデータベース・テンプレートは、最初にデータベース・インスタンスを作成してから、そこに管理リポジトリを事前構成します。テンプレートは、小規模、中規模、大規模の各デプロイメント・サイズに必要なデータベース・パラメータを使用して管理リポジトリを事前構成します。

オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用して事前構成済の管理リポジトリでデータベース・インスタンスを作成するには、データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成を参照してください。

ノート:

Enterprise Manager 24aiリリース1のダウンロード・ページで提供される各種のデータベース・テンプレートのzipファイルは、Enterprise Manager 24aiリリース1でのみ使用できます。Enterprise Managerの以前のリリースでは、これらのファイルを使用しないでください。

データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成

オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用して、事前構成済のOracle Management Repositoryでデータベース・インスタンスを作成するには、次のステップに従います。

  1. データベースを作成するホストにOracle Database 19cソフトウェアをインストールします。

    標準のデータベース・インストールを実行してDatabase Configuration Assistantからテンプレートを使用することもできますが、ソフトウェア単体でのインストールをお薦めします。

    手順については、次の場所にある『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

    https://www.oracle.com/database/technologies/

  2. データベース・テンプレートをダウンロードします。

    現在のEnterprise Managerバージョン用のOracle Enterprise Managerのダウンロード ページに移動し、Oracle Enterprise Manager 24aiリリース1 (24.1.0.0.0)をインストールするためのデータベース・テンプレートセクションの下のDBテンプレートのダウンロードURLをクリックし、Oracle Databaseをインストールした特定のデータベース・バージョン(19c)向けおよびプラットフォーム向けのデータベース・テンプレートzipファイルをダウンロードします。このzipファイルは、インストールされている特定のOracle Databaseバージョンでのみ機能します。

    このzipファイル名の命名規則は次のとおりです:

    DB<Database Version>_SIDB_Template_for_<EM Version>_<platform>.zip

    たとえば、Linuxプラットフォーム用のOracleデータベース・バージョン19.22の場合のこのzipファイル名は、次のとおりです:

    DB19_22_SIDB_Template_for_EM24_1_0_0_0_Linux_x64.zip

  3. データベース・テンプレートのzipファイルをデータベース・ホストの次の場所に抽出します:

    $<DB_HOME>/assistants/dbca/templates

    たとえば、

    /u01/software/oracle/database/dbhome_1/assistants/dbca/templates

    表C-1に、一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイルであるDB<Database Version>_SIDB_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipファイルの内容を示します:

    表C-1 一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイルであるDB<Database Version>_SIDB_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipの内容

    ファイル名 説明

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>.ctl

    .dbcファイルに必要な.ctlファイル。

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>.dfb

    .dbcファイルに必要な.dbfファイル。

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_Large_deployment.dbc

    大規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_Medium_deployment.dbc

    中規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_Small_deployment.dbc

    小規模のデプロイメントの.dbcファイル

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Large_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、大規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Medium_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、中規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Small_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、小規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    shpool_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>.sql

    .dbcファイルには.sqlファイルが必須で、要件ごとの共有プール・サイズを設定します。

  4. <DB_HOME>/bin/dbcaからOracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成します。「データベース・テンプレート」画面で、選択したデプロイメント・サイズに合ったテンプレートを選択します。

    警告:

    • Oracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成するときに、「管理オプション」画面ではデフォルトで「Enterprise Manager (EM) Database Expressの構成」オプションが選択されます。必ず選択を解除してください。このオプションは、データベースにDB Controlオブジェクトを作成します。このオプションを選択した場合、DB ControlオブジェクトとEnterprise Managerオブジェクトの両方が含まれるため、データベースを使用できません。この問題を解決する唯一の方法は、データベースを再作成してから続行することです。

    • Oracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成すると、「データベース・コンテンツ」画面で、shpoolスクリプトを実行するように「次のスクリプトを実行」オプションでデフォルトで選択されています。スクリプトによって、データベースに共有プールが設定されます。必ず選択したままにしてください。選択を解除しないでください。

ノート:

データベースの作成時に、Oracle Database Configuration Assistantでアカウントのロックを解除するオプションが表示されても、そのオプションは無視してください。データベースの作成時にアカウントのロックを解除しないでください。これらのアカウントは、Enterprise Managerのインストール時にEnterprise Managerインストール・ウィザードによって自動的にロックが解除され、入力したパスワードを使用して設定されます。したがって、データベースの作成時にそれらのロックを解除する必要はありません。

データベースで管理リポジトリを事前に構成するために使用するコンフィギュレーション・アシスタント(Enterprise Managerインストール・ウィザードによって実行)の詳細は、Oracle Enterprise Managerアドバンスト・インストールおよび構成ガイドを参照してください。

CDBおよびPDB用データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成

オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用して、事前構成済のOracle Management Repositoryでデータベース・インスタンスを作成するには、次のステップに従います。

  1. データベースを作成するホストにOracle Database 19cソフトウェアをインストールします。

    標準のデータベース・インストールを実行してDatabase Configuration Assistantからテンプレートを使用することもできますが、ソフトウェア単体でのインストールをお薦めします。

    Oracle Database 19c:の場合

    1. 使用可能なOracle Database 19cソフトウェアをインストールします。
    2. Oracle Database 19cリリース更新(RU) 22 (19.22)を適用します。

      Oracle Database 19c RU 22の詳細は、My Oracle Supportを参照してください。

    3. My Oracle Supportから関連するすべてのデータベース・パッチを確認します。

    手順については、次の場所にある『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

    https://www.oracle.com/database/technologies/.

  2. データベース・テンプレートをダウンロードします。

    現在のEnterprise Managerバージョン用のOracle Enterprise Managerのダウンロード ページに移動し、Oracle Enterprise Manager 24aiリリース1 (24.1.0.0.0)をインストールするためのデータベース・テンプレートセクションの下のDBテンプレートのダウンロードURLをクリックし、Oracle Database 19cをインストールした特定のプラットフォーム向けのPDBデータベース・テンプレートzipファイルDB<Database Version>_CDBPDB_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipをダウンロードします。このzipファイルは、インストールされている特定のOracle Databaseバージョンでのみ機能します。

    このzipファイル名の命名規則は次のとおりです:

    DB<Database Version>_CDBPDB_Template_for_<EM_Version>_<platform>.zip

    たとえば、Linuxプラットフォーム用のOracleデータベース・バージョン19.22の場合のこのzipファイル名は、次のとおりです:

    DB19_22_CDBPDB_Template_for_EM24_1_0_0_0_Linux_x64.zip

  3. DB<Database Version>_CDBPDB_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipファイルをデータベース・ホスト上の次の場所に展開します:

    $<DB_HOME>/assistants/dbca/templates

    たとえば、

    /u01/software/oracle/database/dbhome_1/assistants/dbca/templates

    表C-2に、一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイルであるDB<Database Version>_CDBPDB_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipファイルの内容を示します:

    表C-2 一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイルであるDB<Database Version>_CDBPDB_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipの内容

    ファイル名 説明

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_Large_deployment.dbc

    大規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_Medium_deployment.dbc

    中規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_Small_deployment.dbc

    小規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.ctl

    .dbcファイルに必要な.ctlファイル。

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.dfb1

    .dbcファイルには.dbf1ファイルが必須です。

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.dfb2

    .dbcファイルには.dbf2ファイルが必須です。

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.dfb3

    .dbcファイルには.dbf3ファイルが必須です。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Large_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、大規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Medium_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、中規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Small_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、小規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    shpool_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>.sql

    .dbcファイルには.sqlファイルが必須で、要件ごとの共有プール・サイズを設定します。

  4. <DB_HOME>/bin/dbcaからOracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成します。「データベース・テンプレート」画面で、選択したデプロイメント・サイズに合ったテンプレートを選択します。

    警告:

    • Oracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成するときに、「管理オプション」画面ではデフォルトで「Enterprise Manager (EM) Database Expressの構成」オプションが選択されます。必ず選択を解除してください。このオプションは、データベースにDB Controlオブジェクトを作成します。このオプションを選択した場合、DB ControlオブジェクトとEnterprise Managerオブジェクトの両方が含まれるため、データベースを使用できません。この問題を解決する唯一の方法は、データベースを再作成してから続行することです。

    • Oracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成すると、「データベース・コンテンツ」画面で、shpoolスクリプトを実行するように「次のスクリプトを実行」オプションでデフォルトで選択されています。スクリプトによって、データベースに共有プールが設定されます。必ず選択したままにしてください。選択を解除しないでください。

    • データベースの作成時に、Oracle Database Configuration Assistantでアカウントのロックを解除するオプションが表示されても、そのオプションは無視してください。データベースの作成時にアカウントのロックを解除しないでください。これらのアカウントは、Enterprise Managerのインストール時にEnterprise Managerインストール・ウィザードによって自動的にロックが解除され、入力したパスワードを使用して設定されます。したがって、データベースの作成時にそれらのロックを解除する必要はありません。

ノート:

pdb名は、pdbが上に一覧表示されたテンプレートで作成されている場合はcdb名にかかわらず常にempdbreposとなります。ただし、cdbが<domain name>で作成されている場合はpdbはempdbrepos.<domain name>になります。

データベースで管理リポジトリを事前に構成するために使用するコンフィギュレーション・アシスタント(Enterprise Managerインストール・ウィザードによって実行)の詳細は、Oracle Enterprise Managerアドバンスト・インストールおよび構成ガイドを参照してください。