Oracle Software Libraryへのパッチのアップロード

オフライン・モードでEnterprise Managerを使用してターゲットにパッチを適用する場合、まずMy Oracle Supportから、パッチとそのメタデータ・ファイルを手動でダウンロードする必要があります。ダウンロードしたら、ソフトウェア・ライブラリに手動で追加して、パッチを適用するために検索して選択し、ゴールド・イメージに追加できるようにします。

My Oracle Supportからのパッチのダウンロード

My Oracle Supportからパッチとそのメタデータ・ファイルをダウンロードするには、次のステップを実行します。

  1. My Oracle Support (https://support.oracle.com/)にログインし、「パッチと更新版」タブをクリックします。
  2. 「パッチと更新版」ページの「パッチ検索」セクションで、検索するパッチ番号を入力し(図17-5を参照)、「検索」をクリックします。

    図17-5 パッチの検索


    パッチの検索

  3. 「パッチの簡易検索結果」ページで、ダウンロードするパッチのある行を選択します。「ダウンロード」をクリックします。ファイル・ダウンロードダイアログで、パッチZIPファイルの名前をクリックして、そのファイルをローカル・ホストにダウンロードします。「パッチ・メタデータのダウンロード」をクリックし、「パッチ・メタデータのダウンロード」ダイアログで「ダウンロード」をクリックしてパッチ・メタデータ・ファイルをダウンロードします。このステップについては、図17-6で説明します。

    ノート:

    パッチのZIPファイルおよびメタデータXMLファイルを管理エージェント・ホストに転送することをお薦めします。管理エージェントは、OMSマシン上のエージェントでもターゲット・ホスト上のエージェントでもかまいません。これらのファイルは、管理エージェント・ホストからソフトウェア・ライブラリにアップロードします。

    図17-6 My Oracle Supportからのパッチのダウンロード


    My Oracle Supportからのパッチのダウンロード

Cloud Controlコンソールを使用したソフトウェア・ライブラリへのパッチのアップロード

このメソッドを使用すると、1回につき1つのパッチのみをアップロードできます。そのため、このメソッドは、いくつかのパッチをアップロードする必要がある場合にのみ使用してください。また、このメソッドは、アップロードするパッチのサイズが小さい場合に使用してください。

Cloud Controlコンソールを使用してパッチをソフトウェア・ライブラリにアップロードするには、次のステップを実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「保存されたパッチ」の順に選択します。
  2. 「アップロード」をクリックします。
  3. 「パッチZIPファイル」で、ローカル・ホストにダウンロードするパッチZIPファイルの場所を指定します。ダウンロードするパッチZIPファイルにPatchSearch.xmlファイル(パッチID、製品、プラットフォーム、言語などのパッチ・メタデータ情報を含むファイル)が含まれている場合、「パッチ・メタデータ」に値を指定する必要はありません。ただし、ダウンロードするパッチZIPファイルにPatchSearch.xmlファイルが含まれておらず、パッチ・メタデータ・ファイルをローカル・ホストに別にダウンロードする場合、「パッチ・メタデータ」にパッチ・メタデータ・ファイルの場所を指定します。

    UNIXベースのオペレーティング・システムで、次のコマンドを実行してPatchSearch.xmlファイルがパッチのzipファイルに含まれているかどうかを確認します。

    unzip -l <patch zip file path> | grep PatchSearch.xml

    パッチのメタデータ・ファイルのダウンロード方法の詳細は、Oracle Software Libraryへのパッチのアップロードを参照してください。

  4. 「アップロード」をクリックして、パッチをソフトウェア・ライブラリにアップロードします。

ノート:

パッチのサイズが大きすぎるためアップロードできないというエラー・メッセージが表示された場合、EM CLIを使用してパッチをアップロードするか(Oracle Software Libraryへのパッチのアップロードで説明)、または次のコマンドを実行してOMSを再起動し、パッチのアップロードを再試行します。

emctl set property -name "oracle.sysman.emSDK.ui.trinidad.uploadedfilemaxdiskspace" -sysman_pwd sysman -value 2589934592

-valueに指定した値がバイト単位であり、アップロードするパッチのサイズよりも大きいことを確認してください。

EM CLIを使用したソフトウェア・ライブラリへのパッチのアップロード

このメソッドを使用すると、複数のパッチを1回でアップロードできます。また、このメソッドは、Cloud Controlコンソールを使用してパッチをアップロードするよりも高速です。このため、このメソッドは、複数のパッチを1回でアップロードする場合、またはアップロードするパッチのサイズが大きい場合に使用してください。

EM CLIを使用してソフトウェア・ライブラリにパッチをアップロードするには、次のステップを実行します。

  1. アップロード用としてダウンロードしたパッチ・ファイルが置かれているホストでEM CLIを設定します。

    デフォルトでは、すべてのOMSホストでEM CLIが設定されています。OMSを実行していないホストでのEM CLIの設定方法の詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』の「コマンドライン・インタフェースの概要およびインストール」の章を参照してください。

  2. EM CLIのインストール場所からEM CLIにログインします。
    <emcli_install_location>/emcli login -username=<username> -password=<password>
    
    たとえば、

    <emcli_install_location>/emcli login -username=sysman -password=2benot2be

    ノート:

    EM CLIログイン・ユーザーにADD_TARGET権限が付与されていることを確認します。
  3. EM CLIを同期します。
    <emcli_install_location>/emcli sync
    
  4. 動詞upload_patchesを実行して、必要なパッチをソフトウェア・ライブラリにアップロードします。
    <emcli_install_location>/emcli upload_patches 
                                   -location=<patch_location> | -patch_files=<metadata_file_path;ZIP_file path;second_part_of_ZIP_file_path;>
                                   -from_host=<host_name> 
                                   [-cred_name=<credential_name> [-cred_owner=<credential_owner>]] 
    

    [ ]が付いているパラメータはオプションです。

    -from_hostオプションを使用して、ダウンロードしたパッチZIPファイルとメタデータ・ファイルが置かれているホストを指定します。-locationオプションを使用すると、-from_hostを使用して指定したホスト上でダウンロードされるパッチ・ファイルの場所を指定できます。-locationを指定すると、指定した場所に存在するすべてのパッチzipファイルおよびメタデータ・ファイルがソフトウェア・ライブラリにアップロードされます。このため、このオプションを使用すると、複数のパッチを1回でソフトウェア・ライブラリにアップロードできます。たとえば:

    ./emcli upload_patches -location=/scratch/aime/patches -from_host=h1.example.com 
    

    この例では、ホストh1.example.com上の/scratch/aime/patchesに置かれているすべてのパッチZIPファイルとメタデータ・ファイルがソフトウェア・ライブラリにアップロードされます。

    -patch_filesオプションを使用して、パッチZIPファイルとそのメタデータ・ファイルの絶対パスを指定します。このオプションを使用する場合、指定できるのは1つのパッチZIPファイルのみです。このため、このオプションを使用すると、1回につき1つのパッチのみをアップロードできます。また、-cred_nameオプションを使用して、指定したホストにアクセスするのに使用する必要がある名前付き資格証明を指定します。さらに、-cred_ownerオプションを使用して、指定した名前付き資格証明の所有者を指定します。-cred_nameオプションを指定していない場合は、通常の優先資格証明を使用してホストにアクセスします。-cred_ownerオプションを指定していない場合、資格証明の所有者は現在のユーザーであると判断されます。たとえば:

    ./emcli upload_patches -patch_files="/scratch/p13741363_112310_Linux-x86-64_M.xml;/scratch/p13741363_112310_Linux-x86-64.zip" -from_host=h1.example.com -cred_name=AIMECRED -cred_owner=SYSMAN
    

    この例では、SYSMANが所有する名前付き資格証明AIMECREDを使用して、ホストh1.example.com上に置かれているパッチZIPファイルp13741363_112310_Linux-x86-64.zipとメタデータ・ファイルp13741363_112310_Linux-x86-64_M.xmlをソフトウェア・ライブラリにアップロードしています。

    ノート:

    動詞upload_patchesで、-locationオプションまたは-patch_filesオプションのいずれかを指定します。ただし、両方は指定しないでください。-locationオプションを指定すると、複数のパッチを1回でアップロードできるため、このオプションを使用することをお薦めします。

    動詞upload_patchesの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli help upload_patches