コマンドライン・ユーティリティを使用したブラックアウトの制御

ブラックアウトは、Oracle Enterprise ManagerコンソールまたはEnterprise Managerコマンドライン・ユーティリティ(emctl)から制御できます。ただし、コマンドラインでターゲットのブラックアウトを制御している場合は、同じブラックアウトをEnterprise Managerコンソールで制御しようとしないでください。同様に、Enterprise Managerコンソールでターゲットのブラックアウトを制御している場合は、それらのブラックアウトをコマンドラインで制御しようとしないでください。

コマンドラインでは、次のブラックアウト機能を実行できます。

  • 即時ブラックアウトの開始

  • 即時ブラックアウトの停止

  • 即時ブラックアウトのステータスの確認

    ノート:

    コマンドラインでブラックアウトを開始すると、ブラックアウトされるターゲットに対して実行を予定されているEnterprise Managerジョブは、すべて予定どおりに実行されます。Enterprise Managerコンソールを使用してブラックアウトを制御する場合は、オプションで、ブラックアウトされているターゲットに対するジョブの実行を防ぐことができます。

Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティを使用してブラックアウトを制御するには:

  1. ディレクトリを、AGENT_HOME/binディレクトリ(UNIX)またはAGENT_INSTANCE_HOME\binディレクトリ(Windows)に変更します。
  2. 表8-2で説明するように該当コマンドを入力します。

    ノート:

    ブラックアウトを開始する際、ブラックアウトの影響を受けるターゲットを指定する必要があります。ターゲットに対応する正しいターゲット名とターゲット・タイプを取得するには、「EMCTLコマンドを使用したEnterprise Managerの管理」を参照してください。

表8-2 ブラックアウト・コマンドのサマリー

ブラックアウトの操作 コマンド

指定したターゲットまたはターゲット・リストに対して即時ブラックアウトを設定

emctl start blackout <Blackoutname> [<Target_name>[:<Target_Type>]].... [-d <Duration>]

後でブラックアウトの停止またはステータス確認を行うときに指定できるように、ブラックアウトには必ず一意の名前を使用してください。

-dオプションは、ブラックアウトの期間を指定するために使用します。期間は[days] hh:mmという書式で指定され、それぞれの意味は次のとおりです。

  • daysは日数を示します(オプション)。

  • hhは時間数を示します。

  • mmは分数を示します。

ターゲットまたはターゲット・リストを指定しない場合、Enterprise Managerではローカル・ホスト・ターゲットがブラックアウトされます。リストを指定するか、-nodelevel引数を使用しないかぎり、ホスト上のモニター対象ターゲットはすべてブラックアウトされません。

異なるターゲット・タイプの2つのターゲットが同じ名前を使用している場合は、ターゲットのターゲット・タイプを指定する必要があります。

即時ブラックアウトの停止

emctl stop blackout <Blackoutname>

ホスト上のすべてのターゲットに対して即時ブラックアウトを設定

emctl start blackout <Blackoutname> [-nodeLevel] [-d <Duration>]

-nodeLevelオプションは、ホスト上のすべてのターゲットに対してブラックアウトを指定するために使用します。つまり、管理エージェントのホスト自体を含め、管理エージェントがモニタリングしているすべてのターゲットが対象となります。-nodeLevelオプションは、ブラックアウト名の後に続ける必要があります。-nodeLevelオプションの後にターゲットを指定した場合、そのリストは無視されます。

ブラックアウトのステータスの確認

emctl status blackout [<Target_name>[:<Target_Type>]]....

Enterprise Managerコマンドラインからのブラックアウトの制御についてさらに学習するには、次の例を使用します。

  • データベースdb1およびdb2とOracle Listener ldb2に対して、bk1というブラックアウトを開始する場合は、次のコマンドを入力します。

    $PROMPT> emctl start blackout bk1 db1 db2 ldb2:oracle_listener -d 5 02:30
    

    ブラックアウトがすぐに開始され、5日間と2時間30分の間、その状態が続きます。

  • 管理対象ホスト上のすべてのブラックアウトのステータスを確認するには:

    $PROMPT> emctl status blackout
    
  • ブラックアウトbk2をすぐに停止するには:

    $PROMPT> emctl stop blackout bk2
    
  • ホスト上のすべてのターゲットに対して即時ブラックアウトbk3を開始するには:

    $PROMPT> emctl start blackout bk3 -nodeLevel
    
  • データベースdb1に対して30分間の即時ブラックアウトbk3を開始するには:

    $PROMPT> emctl start blackout bk3 db1 -d 30
    
  • データベースdb2に対して5時間の即時ブラックアウトbk3を開始するには:

    $PROMPT> emctl start blackout bk db2 -d 5:00