プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのグループの作成

プライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベース(あるいはその両方)を含むグループを作成し、これらのグループを使用してメトリックしきい値、インシデント・ルール・セットまたはその他の操作を適用します。

グループを作成するには、管理グループまたは動的グループ(あるいはその両方)を使用できます。管理グループは、主にアラートしきい値やコンプライアンス標準などのモニタリングおよび管理設定を自動的に適用するために使用されますが、グループで機能するすべてのEnterprise Manager操作で使用できます。これらは、グループ内のターゲットのメンバーシップ基準を識別することで作成されます。動的グループは、メンバーシップ基準によっても定義されるグループです。これらは主に、権限管理などのモニタリング以外の要件に使用されます。管理グループの詳細は、管理グループの使用を参照してください。

管理グループと動的グループの両方について、メンバーシップ基準の一部として「高可用性ロール」というユーザー定義ターゲット・プロパティを使用できます。「高可用性ロール」ターゲット・プロパティは、データベースのロール(PrimaryまたはStandby)を識別します。データベース・ロールの変更が発生すると、Enterprise Managerは、このプロパティを新しいデータベース・ロール('Primary'または'Standby')で自動的に更新します。このプロパティを使用すると、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを個別のグループに分離できます。

使用する「高可用性ロール」ターゲット・プロパティを設定するには:

OMSプロパティoracle.sysman.db.utilizeHARoleTargetPropertyをtrueに設定します
ターゲット・プロパティ「高可用性ロール」を作成し、ターゲット・プロパティ値'Primary'または'Standby'をデータベース・ターゲットに割り当てます。

ノート:
ターゲット・プロパティ値では、大/小文字が区別されます。

このステップを実行するには、MOS Note 2935430.1 High Availability Role Target Propertyのスクリプトを使用できます。

このプロパティのマスター値リストを更新して、'Primary'および'Standby'の値を明示的に含めます。

emcli add_to_target_properties_master_list -property_name="High Availability Role" -property_value="Primary"

emcli add_to_target_properties_master_list -property_name="High Availability Role" -property_value="Standby"

emcli use_target_properties_master_list -property_name="High Availability Role" -enable

これで、高可用性ロールを管理グループまたは動的グループのメンバーシップ基準の一部として使用できるようになります。

データベース・ロールの変更中にプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースがグループを切り替える方法の例を次に示します。

ユーザー定義ターゲット・プロパティ「高可用性ロール」が作成されました。ターゲット・プロパティ値"Primary"および"Standby"が含まれます。
現在のデータベース・ロールに対応するターゲット・プロパティ値が割り当てられているデータベースは、DB1 (プライマリ・データベース)とDB2 (スタンバイ・データベース)の2つがあります。
1. DB1 (プライマリ): "高可用性ロール" = "Primary"
2. DB2 (スタンバイ): "高可用性ロール" = "Standby"
データベース・ロールの変更が(自動的に)発生します。EMが、データベースのターゲット・プロパティ値を新しいロールPrimaryまたはStandbyに更新します。
1. DB1 (以前はPrimary、現在はStandby): "高可用性ロール"プロパティが"Primary"から"Standby"に変更されます
2. DB2 (以前はStandby、現在はPrimary): "高可用性ロール"プロパティが"Standby"から"Primary"に変更されます
EMによって、新規プライマリ・データベースおよび新規スタンバイ・データベースが適切なグループに自動的に配置されます。